
メル美「耳なし芳一」って、子どものころ絵本で読んでこわかったなあ。昔から日本に伝わる話なんだよね?

プレ男それ、もとは外国生まれの作家が英語で書いた本らしいよ。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の『怪談』です。松江の小泉八雲記念館の年譜と、青空文庫の日本語訳をもとにまとめました。
小泉八雲ってどんな人?

小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)。出典:国立国会図書館「近代日本人の肖像」(https://www.ndl.go.jp/portrait/ )
小泉八雲記念館によると、
- 本名はパトリック・ラフカディオ・ハーン。1850年6月27日、ギリシャのレフカダ島で生まれました。父はアイルランド出身の軍医、母はギリシャ・キシラ島の出身です
- アイルランド、イギリス、フランスで育ち、19歳でアメリカへ。シンシナティやニューオーリンズで新聞記者として活躍しました
- ニューオーリンズの万国博覧会で出会った日本の文化や、英訳の『古事記』に心ひかれて、1890年4月に来日
- 同じ年の8月、松江の島根県尋常中学校の英語教師に。のちに熊本、神戸をへて、帝国大学(今の東京大学)の講師になりました。その後任が夏目漱石です
- 松江の士族の娘・小泉セツと結婚し、1896年に日本に帰化して「小泉八雲」と名のりました
- 1904年4月2日に『怪談』を出版。そして同じ年の9月26日、心臓発作のため54歳で亡くなりました

メル美『怪談』は、亡くなる半年前に出た本なんだ…。
「耳なし芳一」(戸川明三訳『耳無芳一の話』より)
- 舞台は、壇ノ浦の戦いで平家がほろびた赤間ヶ関(今の山口県下関)。目の見えない琵琶法師芳一は、平家の物語を語るのが上手で、阿弥陀寺に住んでいました
- ある夏の夜、住職が留守のとき、芳一は「身分の高い殿さま」に呼ばれ、毎晩、壇ノ浦の合戦を語りに出かけます。じつはそれは、平家の亡霊たちの前でした
- 住職は芳一を守るため、芳一の体じゅう、足の裏にまで、般若心経のお経を書きつけ、「何があっても返事をしたり、動いたりしてはならない」と言いつけます
- その夜、亡霊の武士には芳一の姿が見えず、見えたのは琵琶と、二つの耳だけ。お経を耳にだけ書き忘れていたのです。武士は「殿さまへこの耳を持って行こう」と、芳一の両耳を引きちぎって去りました
- 芳一は声をあげずにたえぬき、命は助かりました。この話が広まって芳一は有名になり、「耳無芳一」と呼ばれるようになったといいます

プレ男耳だけ書き忘れた…。わかってても、こわいね。
「雪女」(田部隆次訳『雪女』より)
- 武蔵の国のある村の木こり、老人の茂作と、18歳の巳之吉は、大吹雪の夜、渡し守の小屋に避難します
- 夜中、巳之吉が目をさますと、白装束の女が茂作に息をふきかけていて、茂作は凍え死んでいました。女は巳之吉に「今夜見たことを、だれかに言ったら殺す」と言って去ります
- のちに巳之吉は「お雪」という美しい娘と結婚し、10人の子どもにめぐまれます。お雪は、いつまでも年をとりませんでした
- ある夜、巳之吉は、ついあの吹雪の夜の話をしてしまいます。するとお雪は「それは私でした」と叫び、「子どもたちがいなかったら、今すぐあなたを殺すところでした。子どもたちを大事に」と言い残して、白い霞となって消えてしまいました

メル美こわいけど、さいごは子どもを思う母親の話なんだね。

小泉八雲は1850年にギリシャで生まれ、1890年に来日して日本に帰化した作家です。『怪談』は1904年4月に出版され、八雲はその年の9月に亡くなりました。
読んでみるなら
- 「耳無芳一の話」「貉(むじな)」「雪女」「ろくろ首」などは、青空文庫で、日本語訳を無料で読めます
- 松江には、八雲が暮らした家(小泉八雲旧居)と、小泉八雲記念館があります
まとめ
- 『怪談』は、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が英語で書いた本。1904年4月2日出版
- 八雲は1850年ギリシャ生まれ。1890年来日、松江で英語教師に。小泉セツと結婚し、1896年に帰化
- 「耳なし芳一」:体じゅうにお経を書いたのに、耳だけ書き忘れた
- 「雪女」:「話したら殺す」という約束と、子どもを思う最後
- 青空文庫で無料で読める
- あわせて読みたい:のっぺらぼう、雪女、おしどり
参考文献
- 小泉八雲記念館(松江市). 小泉八雲の生涯. https://www.hearn-museum-matsue.jp/hearn.html (閲覧日:2026年10月1日)
- 小泉八雲(戸川明三訳). 耳無芳一の話(底本:小泉八雲全集第八卷 家庭版、第一書房、1937年). 青空文庫. https://www.aozora.gr.jp/cards/000258/card42927.html (閲覧日:2026年10月1日)
- 小泉八雲(田部隆次訳). 雪女(底本:小泉八雲全集第八卷 家庭版、第一書房、1937年). 青空文庫. https://www.aozora.gr.jp/cards/000258/card50326.html (閲覧日:2026年10月1日)
- 国立国会図書館. 近代日本人の肖像「小泉八雲」. https://www.ndl.go.jp/portrait/datas/6360 (閲覧日:2026年10月2日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。


