
プレ男雪女って、雪山で人を凍らせる妖怪でしょ?

メル美小泉八雲の「雪女」は、こわいだけじゃなくて、せつない話なんだって。
日本の妖怪、今回は雪女です。小泉八雲の『怪談』に収められた「雪女」を、青空文庫の田部隆次訳で読んでみました。
プロフィール(小泉八雲版)
| 出てくる場所 | 武蔵の国のある村。森へ行くとちゅうの、大きな河の渡し守の小屋 |
| 姿 | 全く白装束の女。息は「あかるい白い煙のよう」。大層綺麗 |
| すること | 眠っている人に息を吹きかけて凍らせる |
| 約束 | 「今夜見た事を誰かに——あなたの母さんにでも——云ったら、私に分ります、そして私、あなたを殺します」 |
| 最後 | 白い霞となって、煙出しの穴から出ていく |

鳥山石燕の妖怪図鑑『画図百鬼夜行』(安永5年・1776年刊)の「雪女」。雪の積もった竹やぶに、長い髪の白い着物の女が浮かんでいます。国立国会図書館デジタルコレクション(文化2年・1805年の版)
吹雪の夜、渡し守の小屋で
- 武蔵の国のある村に、茂作(老人)と巳之吉(18歳の少年)という2人の木こりがいました
- ある大層寒い晩、帰り道で大吹雪にあいます。渡し守は舟を向こう岸に置いたまま帰ってしまっていて、2人は渡し守の小屋に避難しました。火鉢もない、窓のない二畳敷の小屋です
- 夜中、巳之吉が顔にかかる雪で目をさますと、戸が開いていて、全く白装束の女が茂作の上にかがみ、息を吹きかけていました
- 女は巳之吉の上にもかがみますが、ほほえんで「あなたは若いのだから」「もう私はあなたを害しはしません」と言います。ただし、今夜のことを誰かに言ったら殺す、と

プレ男若いから見逃してくれたのか…。でも口止めはこわいな。
- 女が去ったあと、巳之吉が茂作にさわると、氷のように冷たく、固くなって死んでいました
- 巳之吉は寒さで長いあいだ病気になりましたが、白い女のことは誰にも言いませんでした
「お雪」との結婚
- 翌年の冬、巳之吉は、帰り道で背の高い、ほっそりした美しい娘と出会います。名前は「お雪」。両親をなくし、江戸へ行くとちゅうだと言います
- 巳之吉の母はお雪を気に入り、お雪は江戸へは行かず、巳之吉のお嫁になりました
- お雪はよい嫁で、巳之吉の母は5年ほどのちに亡くなるとき、お雪への愛情とほめ言葉を残しました
- お雪は男女10人の子どもを産みました。みんな綺麗で、色が非常に白い子どもたちでした
- 村の人たちは、お雪を「生れつき自分等と違った不思議な人」と考えました。10人の母になっても、はじめて村に来た日と同じように若くて、みずみずしく見えたからです
約束をやぶった夜
- ある晩、行燈の光で針仕事をするお雪を見て、巳之吉は「18歳のときに会った、お前にそっくりな色白の女」の話を始めてしまいます
- お雪は縫い物を投げ捨てて、巳之吉の上にかがみ、叫びます。「それは私、私、私でした」
- 「そこに眠っている子供等がいなかったら、今すぐあなたを殺すのでした」。そして、子どもたちを大事にするように、と言い残します
- お雪の声は風の叫びのように細くなり、白い霞となって屋根の棟木のほうへのぼり、煙出しの穴から出ていきました。もう二度と見られなかった、と物語は終わります

メル美殺さずに、子どもたちのために消えていったんだね。こわいけど、せつない…。

小泉八雲の「雪女」は、吹雪の小屋で若い木こりを見逃した白い女が、のちに「お雪」として妻になり、約束がやぶられた夜に白い霞となって去っていく話です。
まとめ
- 小泉八雲の「雪女」の舞台は武蔵の国。吹雪の夜、渡し守の小屋にあらわれる
- 老人の茂作を息で凍らせ、18歳の巳之吉には「誰にも言うな」と約束させて見逃す
- 巳之吉の妻「お雪」は10人の子の母になっても年をとらなかった
- 約束がやぶられた夜、お雪は子どもたちのために巳之吉を殺さず、白い霞となって消えた
- 『怪談』のほかの話は、小泉八雲の怪談やろくろ首の記事もどうぞ
参考文献
- 小泉八雲(田部隆次訳). 雪女(底本:小泉八雲全集第八卷 家庭版、第一書房、1937年). 青空文庫. https://www.aozora.gr.jp/cards/000258/card50326.html (閲覧日:2026年10月3日)
- 鳥山石燕 画. 百鬼夜行 3巻拾遺3巻 1. 国立国会図書館デジタルコレクション(インターネット公開・保護期間満了). https://dl.ndl.go.jp/pid/2553975 (閲覧日:2026年10月3日)
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