
プレ男ろくろ首って、夜に首がにょろーっとのびて、行燈の油をなめる妖怪でしょ?

メル美小泉八雲の「ろくろ首」は、首が「飛んでいく」話らしいよ!
こんにちは、Dr. Taro です。 日本の妖怪、今回はろくろ首です。小泉八雲の『怪談』に収められた「ろくろ首」を、青空文庫の田部隆次訳で読んでみました。
プロフィール(小泉八雲版)
| 名前 | ろくろ首 |
| 姿 | ふだんは人間。夜になると、首が体からはなれて飛びまわる |
| 飛び方 | 「こうもりのように軽く」飛ぶ |
| 弱点 | 首がいないあいだに胴体を別の場所に動かされると、首はもとに戻れず、死んでしまう |
| 力の時間 | 化け物の力は暗いあいだだけ |

鳥山石燕の妖怪図鑑『画図百鬼夜行』(安永5年・1776年刊)の「ろくろ首(飛頭蛮)」。八雲の話とちがい、首がのびる姿で描かれています。国立国会図書館デジタルコレクション(文化2年・1805年の版)
主人公は、侍あがりのお坊さん
- およそ500年前、九州・菊池の家来に、磯貝平太左衛門武連(いそがいへいだざえもんたけつら)という、武勇にすぐれた侍がいました
- のちに出家して「回龍(かいりょう)」という旅のお坊さんになりますが、衣の下には侍の魂が生きていて、危険をおそれず、ほかのお坊さんが行かないところにも出かけていきました
山奥の小屋の「頭のない5人」
- 甲斐の国の山の中で日がくれ、回龍が野宿しようとしていると、木こりが「このあたりは化け物がたくさん出ます」と、自分の小屋に泊めてくれました
- 小屋には4人の男女がいて、みんなとても礼儀正しくもてなしてくれます。木こりは「昔は身分のある者だったが、悪いことをして落ちぶれた」と打ち明けます
- 夜ふけ、のどがかわいた回龍が水を飲みに行こうと襖をあけると——5人の体には、どれも頭がありませんでした
- けれど、血は流れていない。回龍は思い出します。「ろくろ首の家に、おびきよせられたのだ」

プレ男親切に泊めてくれた人たちが、全員ろくろ首…!
弱点は「胴体を動かすこと」
- 回龍は、中国の古い本『捜神記』にあった話を思い出します
- 首のない胴体を、別の場所に移しておけば、首は二度と胴体に戻れない
- 戻った首が、胴体が移されたことに気づくと、まりのように3回地面をはねて、おびえてあえぎながら、やがて死ぬ
- 回龍は主人の胴体の足をつかんで、窓から外へ押し出しました
5つの首との戦い
- 外では、5つの首が飛びまわりながら、「今夜の旅の僧は、よく太っている。みんなで食べたら、さぞ満腹だろう」と話していました
- 胴体がなくなったと知った主人の首は、目を大きく見開き、髪を逆立て、歯ぎしりして、「もう元には戻れない。死ぬ前にあの僧に食いついてやる」と、ほかの4つの首を引き連れて回龍に飛びかかります
- 回龍は若い木を引きぬいて武器にし、首をなぎはらって戦いました。最後まで残った主人の首は、回龍の衣の袖にかみついたままはなれませんでした
首を袖にぶらさげたまま、旅を続ける
- 夜が明けると、化け物の力はなくなります。回龍は、袖に首をぶらさげたまま旅を続け、信州・諏訪の大通りを堂々と歩いたので、大さわぎに。役人につかまり、人殺しとうたがわれます
- 回龍は笑って、「わたしが首を袖につけたのではない。首のほうから来て、ついたのです。これは人間の首ではなく、化け物の首です」
- 調べた老役人が、首のうなじに赤い文字のようなしるしを見つけ、「本物のろくろ首には、うなじに赤い文字があると、古い本に書いてある」と言って、回龍の話が本当だとわかりました
- 回龍が、かつての侍・磯貝平太左衛門武連だと名のると、その名を覚えていた人が多く、役人たちはすっかり友人になったといいます

メル美こわい話なのに、首を袖にぶらさげて歩くお坊さんが、ちょっと笑える!

小泉八雲の「ろくろ首」では、首は体からはなれて飛び、弱点は胴体を動かされることでした。侍あがりのお坊さんが知恵と力で5つの首と戦う、こわくて少しユーモラスな話です。
まとめ
- 小泉八雲の「ろくろ首」では、首がのびるのではなく、体からはなれて飛ぶ
- 弱点は、首がいないあいだに胴体を動かされること
- 主人公は、侍あがりのお坊さん回龍(もとの名は磯貝平太左衛門武連)
- 首のうなじには赤い文字のようなしるしがあるとされた
- 『怪談』のほかの話は、小泉八雲の怪談の記事もどうぞ
参考文献
- 小泉八雲(田部隆次訳). ろくろ首(底本:小泉八雲全集第八卷 家庭版、第一書房、1937年). 青空文庫. https://www.aozora.gr.jp/cards/000258/card50327.html (閲覧日:2026年10月1日)
- 鳥山石燕 画. 百鬼夜行 3巻拾遺3巻 1. 国立国会図書館デジタルコレクション(インターネット公開・保護期間満了). https://dl.ndl.go.jp/pid/2553975 (閲覧日:2026年10月2日)
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