
メル美「おしどり夫婦」っていうよね。仲のいい夫婦のたとえ。

プレ男小泉八雲の『怪談』に、そのおしどりの話があるんだって。こわい話なの?
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、小泉八雲『怪談(Kwaidan)』(1904年)の「おしどり(OSHIDORI)」です。英語の原文をProject Gutenbergで、田部隆次の日本語訳を青空文庫で読みました。こわいというより、とても悲しい話です。
どんな話?
| 題名 | おしどり(OSHIDORI) |
| 作者 | 小泉八雲(ラフカディオ・ハーン) |
| 収録 | 『怪談(Kwaidan)』1904年 |
| 舞台 | 陸奥の国、田村の郷。赤沼という所 |
| 登場人物 | 鷹使いで猟師の村允(英語の原文では Sonjō)、おしどりの夫婦 |
おなかがすいていた猟師
- ある日、猟に出た村允は、鳥がとれずに帰るところでした。その途中の赤沼で、おしどりが1つがい泳いでいるのを見ます
- 田部訳では「おしどりを殺すのは感心しないが、飢えていたので」、村允は2羽をねらって矢を放ちました
- 矢は雄をつらぬき、雌は向こう岸の蘆(あし)のしげみに逃げて見えなくなりました。村允は雄を持ち帰って、料理しました
夢にあらわれた女
- その晩、村允はものすごい夢を見ます。美しい女が部屋に入ってきて、枕もとに立って泣き出すのです
- 女は叫びます。「何故、ああ何故、夫を殺しました。殺されるような、どんな罪を犯しましたか。赤沼で私共は楽しく暮していたのです」「あなたは私も殺しました。夫がいないでは、私は生きている気はない」(田部訳)
- そして、泣きながら歌をよみました
日暮るれば さそひしものを、あかぬまの 真菰がくれの ひとりねぞうき
- 英語の原文では、この歌は「日が暮れると、一緒に帰ろうと彼をさそったのに。いまは赤沼の真菰のかげで、ひとりで眠る。ああ、なんというつらさ」という意味だと説明されています
- 女は「明日、赤沼へ行けばわかります——わかります……」と言って、泣きながら帰っていきました

プレ男あの女の人は、雌のおしどりだったのか…。
翌朝の赤沼
- 目がさめても、夢がはっきり心に残っていた村允は、夢が夢以上のものかどうかを確かめるために、すぐ赤沼へ行きました
- 岸に着くと、雌のおしどりがひとりで泳いでいました。鳥は村允に気づいても逃げようとせず、ふしぎにじっと村允を見つめながら、まっすぐに泳いできます
- そして、村允の目の前で、自分で命を絶ってしまいました
- 話は、この一文で終わります。「村允は頭を剃って、僧となった」

メル美「おしどり夫婦」って、こんなに深い話があったんだね。

小泉八雲の「おしどり」は、雄のおしどりを射た猟師・村允の夢に、泣きながら美しい女があらわれる話です。最後に村允は頭を剃って僧になりました。
まとめ
- 「おしどり」は、小泉八雲『怪談』(1904年)の短い話
- 陸奥の国・赤沼で、猟師の村允が、おなかがすいて雄のおしどりを射た
- その夜、夢に美しい女があらわれ、「何故、夫を殺しました」と泣き、歌をよんだ
- 翌朝の赤沼で、雌のおしどりが村允の目の前で命を絶った
- 村允は頭を剃って僧になった
- 『怪談』のほかの話は食人鬼、十六桜、小泉八雲の『怪談』、雪女、のっぺらぼうもどうぞ
参考文献
- Lafcadio Hearn. Kwaidan: Stories and Studies of Strange Things(1904年). “Oshidori”. Project Gutenberg. https://www.gutenberg.org/ebooks/1210 (閲覧日:2026年10月4日)
- 小泉八雲(田部隆次訳). おしどり(底本:小泉八雲全集第八卷 家庭版、第一書房、1937年). 青空文庫. https://www.aozora.gr.jp/cards/000258/card59734.html (閲覧日:2026年10月4日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。


