幽々奇譚A Nocturnal Field Guide

Ghost StoriesNo.081

田中貢太郎「累物語」承応2年、下総の羽生村。婿養子の与右衛門は、妻の累を絹川に突き落として殺した。迎える後妻はつぎつぎに病死し、20年後、娘お菊の口から語りだしたのは——「わしはお菊じゃない、わしは累じゃ」

田中貢太郎の短い怪談「累物語」(かさねものがたり。底本の親本は1928年の改造社『怪談全集 歴史篇』)。承応2年8月11日の夕暮れ、下総の国岡田郡羽生村の与右衛門は、畑の帰りに妻の累を絹川に突き落とし、水の中へ押しこんで殺しました。あやまって落ちたと言いつくろい、後妻を迎えますが、二人目、三人目、四人目、五人目と、みなすぐに病死。六人目の妻が生んだ娘お菊は、ある年の正月、口から泡をふいて言いました。「わしは二十年前に、おのれに殺された累じゃ」。青空文庫の本文で紹介します。

2026年10月12日

目次
  1. 絹川の土橋で
  2. 「あやまって河に落ちて」
  3. つぎつぎに死ぬ妻たち
  4. 「わしは累じゃ」
  5. 村人たちの前で
  6. 念仏
  7. まとめ

プレ男「累」って、なんて読むの?

メル美「かさね」。殺された妻の名前なの。夫への怨みが、20年たってから…という怪談だよ。

今回は、田中貢太郎の怪談「累物語」(かさねものがたり)です。青空文庫の本文(底本:春陽文庫『怪奇・伝奇時代小説選集14 累物語 他10篇』、底本の親本:改造社『怪談全集 歴史篇』1928年)で読みました。本文中の「」の言葉は、青空文庫の本文からの引用です。

※この作品には、人が殺される場面と、子どもが怨霊にとりつかれる場面があります。作中では、夫が妻の容貌を嫌ったことが動機として語られますが、この記事はその見方に同意するものではありません。

絹川の土橋で

「あやまって河に落ちて」

つぎつぎに死ぬ妻たち

プレ男迎えた妻が、みんな死んでいく…。こわすぎる。

「わしは累じゃ」

村人たちの前で

念仏

メル美いちばん苦しんだのは、なにも悪くないお菊さんだね…。

田中貢太郎の「累物語」で、絹川で殺された累の怨霊は、20年後に娘のお菊の口をかりて、与右衛門の罪を村人たちの前で語ります。怨霊は、弘経寺の祐天上人の教化によって成仏したと結ばれています。

まとめ


参考文献

  1. 田中貢太郎. 累物語(底本:『怪奇・伝奇時代小説選集14 累物語 他10篇』春陽文庫、春陽堂書店). 青空文庫. https://www.aozora.gr.jp/cards/000154/card42318.html (閲覧日:2026年10月12日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。

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