幽々奇譚A Nocturnal Field Guide

Ghost StoriesNo.100

『雨月物語』の「吉備津の釜」婚礼の前の占いで、吉備津神社の釜は鳴らなかった。夫にだまされ捨てられた妻・磯良は怨霊となり、42日間のお札の物忌み。最後の夜、「夜が明けた」と思って戸をあけた夫は——上田秋成の怪談

上田秋成『雨月物語』巻之三の「吉備津の釜」。吉備の国の井沢正太郎は、酒と女におぼれる道楽息子。両親は、吉備津神社の神主の娘・磯良を嫁にむかえます。婚礼の前の「御釜祓」で、吉凶を占う釜はまったく鳴りませんでしたが、縁談はそのまま進みました。よくつくす磯良を、正太郎はだまして金を出させ、遊女の袖と駆け落ちします。磯良は病にたおれ、やがて袖も原因のわからない病で死にました。墓参りの帰り、美しい未亡人の家をたずねた正太郎の前に、屏風の向こうからあらわれたのは——。青空文庫の鵜月洋による現代語訳で紹介します。

2026年10月12日

目次
  1. 鳴らなかった釜
  2. よくつくす妻、だます夫
  3. 袖の死と、墓地の女
  4. 屏風の向こうに
  5. 42日間の物忌み
  6. 最後の夜
  7. まとめ

プレ男「吉備津の釜」って、『雨月物語』でいちばんこわいって聞いたよ。

メル美裏切られた妻の怨霊の話なんだって…。覚悟して読もう。

今回は、上田秋成の『雨月物語』巻之三「吉備津の釜」(きびつのかま)です。青空文庫の「現代語訳 雨月物語」(上田秋成著、鵜月洋訳。底本:角川文庫『改訂 雨月物語 現代語訳付き』)で読みました。本文中の「」の言葉は、この現代語訳からの引用です。

※この話には、人が亡くなる場面や、残酷な結末がえがかれています。

鳴らなかった釜

よくつくす妻、だます夫

メル美ここまでつくした妻をだまして、そのお金で駆け落ち…。ひどすぎる。

袖の死と、墓地の女

屏風の向こうに

42日間の物忌み

プレ男「ここにも貼ってあるな」…。家のまわりを毎晩さがしまわってるんだ。こわすぎる!

最後の夜

「吉備津の釜」では、婚礼の前の御釜祓で釜が鳴らなかったという凶兆が、最後にそのとおりになります。42日の物忌みの最後の夜、明けたと思った夜は、じつはまだ明けていなかったのです。

まとめ


参考文献

  1. 上田秋成(鵜月洋訳). 現代語訳 雨月物語(底本:角川文庫『改訂 雨月物語 現代語訳付き』KADOKAWA). 青空文庫. https://www.aozora.gr.jp/cards/001271/card60609.html (閲覧日:2026年10月12日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。

Further Reading次に読む

  1. 怪談『雨月物語』の「浅茅が宿」戦乱の世、「秋には帰る」と都へ出た夫を、妻は荒れはてた家で7年待った。ようやく帰った夜、やつれた妻と再会して眠った夫が、朝目をさますと——上田秋成の怪談
  2. 怪談『雨月物語』の「菊花の約」「九月九日、重陽の節句に帰る」——病から救ってくれた学者と義兄弟の約束をした武士は、城に閉じこめられ、約束の日の夜、亡霊になってやってきた。「魂は一日に千里を行く」上田秋成の怪談
  3. 怪談日本一有名な怪談『四谷怪談』じつは1825年に「忠臣蔵」と2日がかりでセット上演された歌舞伎。髪がぬけ落ちる「髪梳き」、戸板返し、提灯抜け——こわさを生んだ舞台のしかけ