
プレ男子どものお風呂はパパの担当になったんだ。浴槽用の浮き輪があると、そのあいだに自分の頭も洗えて便利だよね。

メル美ありがとう。でも、浮き輪をしていても事故が起きるって聞いたことがあるよ…。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、子どものお風呂での溺水の話です。こども家庭庁「水の危険は近くにあります、みんなで危険回避!」と「こどもの事故防止ハンドブック」、消費者庁「子どもの水の事故を防ごう!」(2022年7月20日)をもとにまとめました。
0〜3歳の溺水は、浴槽が多い
- こども家庭庁によると、14歳以下の子どもの不慮の溺死・溺水による死亡は、2024年に45人(2023年は54人)でした。2020〜2024年の5年間、毎年死亡事故が起きています
- 年齢別に見ると、0〜3歳では浴槽での事故が多く、5歳以上になると海や川での事故がふえ、学童期以降は浴槽と海・川の両方で起きています
- 消費者庁の資料では、2016〜2020年の5年間に溺水で亡くなった14歳以下の子ども278人のうち、浴槽での溺水が131人でした
- 消費者庁と国民生活センターの医療機関ネットワークには、14歳以下の子どもの溺水の情報が2012年4月〜2021年3月に99件寄せられ、76件(77%)が家庭での入浴中でした。家庭での事故80件のうち0歳と1歳が55件、そのうち約6割(34件)は保護者などが目を離しているあいだに起きていました

プレ男家のお風呂が、いちばん身近な水の危険なんだ…。
子どもは、静かにおぼれる
こども家庭庁によると、
- 子どもがおぼれる事故を経験した保護者の8割以上が「悲鳴や助けを求める声が聞こえなかった」と言います。子どもは声を出さず、静かに沈むのです
- たった3cm以上の深さがあれば、乳幼児はおぼれる可能性があります
- 保護者がタオルや着がえを取りに行くなど、ほんの数秒と思える時間に、子どもが浴槽でおぼれる事故が起きています
- 年上のきょうだいと一緒に入浴しているときにも、事故が起きています
実際の例として、浮き輪を使って入浴させ、保護者が先に上がって体をふいていたところ、水の音がしないことに気づき、見ると子どもが沈んでいて、呼吸をしていなかった(入院)という事故が紹介されています。

子どもは声を出さずに、静かに沈みます。浮き輪を使っていても、数秒でも、お風呂で子どもから目を離さないでください。
お風呂の時間の約束
こども家庭庁のよびかけです。
- 子どもは大人のあとに浴室に入れ、先に出す。子どもだけで入浴させない
- 大人が髪を洗うときは、子どもを浴槽から出す
- 浮き輪を使っていても、保護者が目を離す状況で使わない
- どうしても目が離れるときは、子どもと会話を続ける
- できれば複数の大人が関わり、少しの時間でも浴室に子どもを一人にしない
- 浴槽のふたの上に子どもを乗せない。ふたの上にベビーバスを置いたり、ふたを半分開けて子どもを乗せたまま目を離したりして、ふたがずれて浴槽に落ちた事故があります

メル美パパが頭を洗うときは、子どもは洗い場へ。浮き輪は「目を離していい道具」じゃないんだね。
お風呂以外の時間も
- 入浴後は、浴槽のお湯を抜くのを習慣に(子どもが小さいうち)
- 子どもが浴室に入り、浴槽をのぞきこんで落ちることがあります。浴室に外鍵を付ける、ベビーゲートで近づけないようにする
- お湯をためているあいだも、ベビーゲートなどで浴室に近づけない
- 洗濯機、バケツ、洗面器に水をためたままにしない。洗濯機にはチャイルドロックを
- ビニールプールでも、浅いところでおぼれることがあります。必ず大人が付き添い、目を離さない
もしおぼれてしまったら
こども家庭庁の応急処置です。
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浴槽などで自分で引き上げられるときは、すぐ水から出し、平らな場所に寝かせる
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大きな声で呼びかけて反応を見る
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反応がない:すぐに救急車を呼ぶ。呼吸もなければ、すぐ心肺蘇生(胸骨圧迫と人工呼吸)を始める。ほかに人がいればAEDを頼む。携帯電話をハンズフリーにして、通信指令員や救急隊員の指示に従う。水を吐いたら顔を横に向ける
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反応がある:顔と体を横に向けた姿勢(回復体位)にし、タオルなどで水気をふき、包んで温める。無理に水を吐かせない(胃の中のもので気道がふさがれ、窒息する危険があります)
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海や川の事故は家族で川遊び・海水浴、赤ちゃんの眠りの安全はSIDSと睡眠中の窒息、やけどの手当ては家の中のやけど・転落の記事もどうぞ
まとめ
- 0〜3歳の溺水は浴槽が多い。2016〜2020年の溺水死278人のうち131人が浴槽
- 子どもは声を出さず静かに沈む。3cmの深さでもおぼれることがある
- 大人のあとに入れて先に出す、髪を洗うときは浴槽から出す、浮き輪でも目を離さない
- 入浴後はお湯を抜く、浴室に外鍵やベビーゲート
- 反応がなければ119番と心肺蘇生。無理に水を吐かせない
参考文献
- こども家庭庁. 水の危険は近くにあります、みんなで危険回避!. https://www.cfa.go.jp/policies/child-safety-actions/cases/dekisui (閲覧日:2026年10月22日)
- こども家庭庁. 水まわりの事故(こどもの事故防止ハンドブック). https://www.cfa.go.jp/policies/child-safety-actions/handbook/content-2 (閲覧日:2026年10月22日)
- 消費者庁. 子どもの水の事故を防ごう!-7月25日は「世界溺水防止デー」、予防策を再確認して行動を!-(2022年7月20日). https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_062/assets/consumer_safety_cms205_220720_02.pdf (閲覧日:2026年10月22日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。