
メル美来月から、保育園の送り迎えを自転車にしようと思うんだ。下の子もいるから、前と後ろに乗せたいな。

プレ男パパも朝の当番の日は乗るね。子どもを乗せるときの決まりって、あるのかな?
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、子どもを乗せる自転車の事故の話です。国民生活センター「自転車後部に同乗中の子どもの事故に注意!」(2024年5月29日)、「こどもを抱っこして自転車に乗ることは危険です」(2022年11月16日)、こども家庭庁「こどもの事故防止ハンドブック」、警視庁「自転車の交通ルール」をもとにまとめました。
東京都のルール(警視庁)
- 16歳以上の運転者は、幼児用座席を付けた自転車に、小学校に入る前の子どもを1人乗せられます。さらに、6歳未満の子ども1人を子守バンドなどで背負うこともできます
- 子ども2人を幼児用座席に乗せられるのは、強度やブレーキの性能などの基準を満たした「幼児2人同乗用自転車」だけです。この場合は、さらに背負うことはできません
- 「幼児2人同乗用自転車」ではない自転車の前後に、幼児用座席を付けて乗せることはできません
- 幼児用座席のSG基準(製品安全協会)では、前の座席は体重15kg以下、後ろの座席は24kg以下です。子どもの体重も確かめましょう
- 保護者は、子どもを自転車に乗せるとき、ヘルメットをかぶらせるよう努めなければなりません
国民生活センターによると、SG基準では、前の座席の対象は1歳以上4歳未満、後ろの座席は1歳以上、小学校に入るまでです。大きくなると後ろに乗せることになり、運転する人から子どもが見えないのが特徴です。

メル美ふつうの自転車の前後に座席を付けて、2人乗せるのはダメなんだ。
後ろの座席の事故:5年で207件
国民生活センターの医療機関ネットワークには、自転車の後ろに子どもを乗せて走っていたときの事故が、2019年度以降の5年間で207件寄せられています。
| 原因 | 件数 |
|---|---|
| スポーク外傷(足が後ろの車輪に巻きこまれる) | 78件(38%) |
| 転倒 | 63件(30%) |
| 体のはみ出し(障害物に当たる) | 37件(18%) |
| ほかの車両との接触 | 27件(13%) |
| その他 | 2件(1%) |
- 体のはみ出しの事故では約半数が骨折していて、ほかの原因よりも重いけがになりやすいと考えられました。座席からはみ出た足が障害物に当たり、太ももの骨(大腿骨)を折った例も複数あります
- テストでは、後ろの座席の子どもは前がほとんど見えず、障害物が近づいても気づけないことがわかりました。狭い歩道や車止めの間では、ひざが開いているだけでもぶつかる可能性がありました
- スポーク外傷の半数以上は、幼児用座席を使わず荷台に子どもを乗せていたときに起きていました
抱っこして乗るのは違反で、危険
- 子どもを乗せるには幼児用座席を使うか、おんぶしなければならず、抱っこして乗るのは道路交通の法令に違反します(こども家庭庁も「抱っこひもで前抱っこしながら運転することは道路交通法違反」としています)
- 国民生活センターには、抱っこして自転車に乗っていて転倒したり子どもが落ちたりした事故が、2017年度以降の約6年で32件寄せられていました。27件(84%)が転倒、けがをした子の72%(23件)が1歳未満、88%(28件)が頭のけがでした
- こども家庭庁は、おんぶでも走行中の死亡事故が起きているので、できるだけ避けるようよびかけています

抱っこで転ぶと、赤ちゃんは頭を強く打ちやすくなります。抱っこしたまま自転車に乗るのはやめましょう。
事故を防ぐポイント
こども家庭庁と国民生活センターのよびかけです。
- 乗せる前にヘルメット、乗せたらすぐシートベルト
- 2人乗せるときは、乗せるのは後ろの座席から前の座席、降ろすのは前の座席から後ろの座席の順番に(転倒を防ぐため)
- 子どもを乗せたまま自転車から離れない
- 体をはみ出さないよう声をかける
- 狭い道や車止めの間は、降りて押して通る
- 後ろの車輪への巻きこみを防ぐドレスガードも、足の巻きこみ防止に役立ちます
- 年齢や身長に合った幼児用座席を必ず使い、荷台に乗せない。小学生以上は乗せない
- 自転車や座席にこわれやリコールがないか、定期的に確かめる

プレ男「乗せるのは後ろから、降ろすのは前から」。朝はあわてがちだから、玄関に貼っておこう。
- 大人のヘルメットの話は自転車のヘルメット、車の場合はチャイルドシート、頭を打ったときの受診の目安は家の中のやけど・転落の記事もどうぞ
まとめ
- 幼児用座席に乗せられるのは小学校に入る前の子。2人は「幼児2人同乗用自転車」だけ
- 後ろの座席の事故は5年で207件。スポーク外傷・転倒・はみ出し。はみ出しでは約半数が骨折
- 抱っこでの運転は違反。事故の84%が転倒、72%が1歳未満、88%が頭
- ヘルメットとシートベルト、乗せるのは後ろから・降ろすのは前から、乗せたまま離れない、狭い道は押して歩く
参考文献
- 独立行政法人国民生活センター. 自転車後部に同乗中の子どもの事故に注意!―障害物と接触して大腿骨を骨折する事故も―(2024年5月29日). https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20240529_3.pdf (閲覧日:2026年10月22日)
- 独立行政法人国民生活センター. こどもを抱っこして自転車に乗ることは危険です―転倒・転落によりこどもが頭部に重篤なけがをすることも―(2022年11月16日). https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20221116_1.pdf (閲覧日:2026年10月22日)
- こども家庭庁. 自動車・自転車関連の事故(こどもの事故防止ハンドブック). https://www.cfa.go.jp/policies/child-safety-actions/handbook/content-5 (閲覧日:2026年10月22日)
- 警視庁. 自転車の交通ルール. https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/jikoboshi/bicycle/rule.html (閲覧日:2026年10月22日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。