
メル美姉の赤ちゃん、泣くと足のつけ根がぷくっとふくらむんだって。泣きやむと引っこむみたいだけど…。

プレ男それって「脱腸」ってやつかな?放っておいても大丈夫なのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、子どもの鼠径ヘルニア(脱腸)の話です。日本小児泌尿器科学会の一般向け情報をもとにまとめました。
どんな病気?
- 足のつけ根の少し上(鼠径部)から陰部にかけて、ぷくっとふくらむ病気です。一般には「脱腸」と呼ばれます
- 子どもの場合は生まれつきの原因で起こり、女の子より男の子に多いとされます
- 男の子では、右だけ、左だけ、両側の順に多く、女の子では左右差はあまりないとされます
なぜ起こる?
- 男の子の精巣は、お腹の中から陰嚢へ下りてくるとき、お腹の内側の膜(腹膜)も一緒に引っぱられ、袋のような出っぱりができます
- ふつうは生まれる前に閉じて消えますが、閉じずに残ることがあります。女の子でも同じようなことが起こります
- この袋がお腹とつながったままだと、泣いてお腹に力が入ったときなどに、腸が袋の中に飛び出してふくらみます

メル美生まれつき袋が残っていることが原因なんだ。育て方のせいじゃないんだね。
気づきかた
- 腸が飛び出して、鼠径部が急にふくらむことで気づきます
- 自然に戻ることも多く、何回か出るうちに確認されることが多いです
- 腸が出ただけでは、ほかの症状は出ないのがふつうです
- 女の子では、卵巣や卵管が袋と一緒に出てくることもあります
すぐ受診:「嵌頓(かんとん)」
- 飛び出した腸などが、出口で締めつけられて血の流れが悪くなる状態を嵌頓といいます
- ふくらみが赤くなって硬くなり、痛がる・吐く・熱が出るなどの症状が出ます
- 放っておくと、腸や卵巣が腐ってしまう(壊死)ことがあり、くり返すと精巣が小さくなることもあります
- すぐに受診してください。夜間・休日で迷ったら#8000に相談を

プレ男赤く硬くなって痛がったり吐いたりしたら、すぐ病院だね。
治療は手術
- 飛び出したものは手で戻せますが、袋が残っている限り、くり返します
- 早産児でない限り、自然に治る可能性はきわめて低いとされます
- 手術でヘルニアの出口をしばって治します
- 足のつけ根を1〜2cm切る従来の手術
- おへそからカメラを入れる腹腔鏡の手術
- 再発は1%未満とされています

子どもの鼠径ヘルニアは、自然に治ることはまれで、手術で治します。ふくらみが赤く硬くなって痛がる・吐くときは嵌頓のおそれがあるので、すぐに受診しましょう。
- 陰嚢がふくらむもうひとつの病気は陰嚢水腫の記事もどうぞ
まとめ
- 鼠径ヘルニア(脱腸)は、足のつけ根から陰部がふくらむ病気。男の子に多い
- 原因は、生まれつき残った腹膜の袋
- 泣いたときに出て戻ることも。自然に治るのはまれで手術に(再発1%未満)
- 赤く硬い・痛がる・吐く・熱は嵌頓のおそれ。すぐ受診
参考文献
- 一般社団法人日本小児泌尿器科学会. 小児の鼠径ヘルニア(小児泌尿器科の主な疾患). https://jspu.jp/ippan_015.html (閲覧日:2026年9月29日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。