
プレ男テーブルに置いた自分の薬のシートを、1歳の子が手に持ってたんだ。あわてて取り上げたよ…。

メル美うちは棚の上に置いてるから大丈夫…と思ってたけど、本当に大丈夫なのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、子どもの薬・たばこ・洗剤の誤飲の話です。こども家庭庁「こどもの事故防止ハンドブック」、消費者安全調査委員会「事故等原因調査報告書 子供による医薬品誤飲事故」(2015年12月18日)、消費者庁「子ども安全メール」Vol.561(2021年8月10日)・Vol.628(2023年5月29日)をもとにまとめました。
今まさに飲んだかもしれないときは:消費者庁は、基本的には吐かせずに、飲んだものと同じものを持って受診するようよびかけています。応急手当や受診が必要か迷うときは、医療機関や子ども医療電話相談 #8000 に相談してください。
薬の誤飲:5歳以下で1年に8,433件
消費者安全調査委員会の報告書によると、
- 日本中毒情報センターが2014年1〜12月に集めた、5歳以下の子どもの医薬品などの誤飲の情報は8,433件、そのうち症状があったのは849件でした
- 5歳以下の誤飲の情報は2006年以降ふえる傾向にあり、特に、薬局で買える薬よりも医療機関で処方される薬(医療用医薬品)の誤飲がふえていました

メル美1年で8,000件以上…。思っていたよりずっと多い。
「高いところ」だけでは足りない
報告書では、保護者への聞きとりやアンケートから、次のことがわかりました。
- 誤飲や、飲みそうになった例の4件に1件は、子どもがふだんの保管場所から自分で取り出していました
- 薬が置いてあった床からの高さ(中央値)は、足場がない場合は50cm、足場があった場合は80cm前後(2歳では90cm)、子どもが自分で足場を持ってきたと考えられる場合は100cmでした
- 子どもどうしで協力して高いところの薬を取り出したと考えられる例や、「椅子によじ登るのは見たことがなかった」という例もありました
- 経験した保護者の71%は「手の届かない高さに置いている」と答えていましたが、子どもの成長による変化を考えると、それだけでは十分ではない可能性があるとしています
薬・洗剤の誤飲を防ぐ
こども家庭庁と消費者庁(Vol.561)のよびかけです。
- 薬、洗剤、化粧品、入浴剤などは、子どもの目にふれない、手の届かない場所に。食品と見た目が似ている製品は特に注意
- 1m以上の高さや扉のある場所でも、子どもが踏み台を使って取り出すことがあります。鍵のかかる場所に保管する、取り出しにくい容器に入れるなど、いくつかの対策を組み合わせる
- 飲んだあと・使ったあとは置きっぱなしにせず、すぐ元の場所へ
- 子どもの興味をひかないよう、薬の出し入れや飲むところを、なるべく見せない
- 洗剤などを飲料用のペットボトルに移しかえない(国民生活センターの注意喚起として、こども家庭庁が紹介しています)
消費者庁に寄せられた例には、30分ほど一人で遊ばせていた1歳の子が、保護者の薬を14錠飲んで入院した例、帰省中の実家で、0歳の子がパック型の液体洗濯洗剤を口にして重い状態で入院した例があります。祖父母の家の薬や洗剤の置き場所にも気をつけてもらいましょう。
たばこの誤飲:1歳前後に多い
消費者庁(Vol.628)によると、
- 子どもの誤飲ではたばこの報告が上位で、特に1歳前後に多く起きています
- たばこそのものや、ニコチンが溶け出した液体を飲むと、中毒を起こす危険があります
- 加熱式たばこのスティックは紙巻きたばこより小さく、金属片が入った製品もあり、誤飲の事故が報告されています。10か月の子が加熱式たばこを口にし、レントゲンで体の中に金属の板が見つかった例もありました
こども家庭庁と消費者庁のよびかけです。
- 子どもの前でたばこを吸わない
- たばこを床やテーブルの上に置きっぱなしにしない。目にふれない、手の届かない場所に
- 吸い殻は、ゴミ箱を子どもの手の届かないところに置く、ビニール袋などに入れて密閉するなど、取り出せない工夫を
- 飲料の缶やペットボトルを灰皿にしない。ニコチンが溶け出した液体は体に吸収されやすく、特に危険です
- お酒も、子どもの目にふれない、手の届かない場所に(こども家庭庁)
たばこを飲んだかもしれないとき(消費者庁):口のまわりや口の中を見て、たばこがあれば取り出します。たばこが浸っていた液体を飲んだとき、いつもとちがう様子があるときは、何も飲ませず、すぐ受診してください。金属片入りの製品もあるので、できれば銘柄やパッケージを持っていき、どんなたばこかを伝えましょう。

子どもは、大人の想像を超えて、踏み台を使ったり協力したりして高いところの薬を取り出すことがあります。鍵のかかる場所や開けにくい容器など、いくつかの対策を組み合わせましょう。

プレ男薬は鍵のかかる箱に入れて、飲んだらすぐしまう。たばこは…これを機に、やめる方向で考えようかな。
- ボタン電池の誤飲はボタン電池、食べ物の窒息は子どもの食べ物による窒息、夜間に迷ったときの相談先は#8000の記事もどうぞ
まとめ
- 5歳以下の薬の誤飲の情報は、2014年の1年で8,433件(症状ありは849件)
- 子どもは踏み台を持ってきて、床から100cmの薬も取り出す。鍵のかかる場所・開けにくい容器など対策を組み合わせる
- たばこの誤飲は1歳前後に多い。加熱式たばこには金属片入りも。飲料の缶を灰皿にしない
- 飲んだかもしれないときは、吐かせず、同じものを持って受診。迷ったら #8000
参考文献
- 消費者安全調査委員会. 消費者安全法第23条第1項の規定に基づく事故等原因調査報告書 子供による医薬品誤飲事故(2015年12月18日). https://www.caa.go.jp/policies/council/csic/report/report_007/pdf/7_honbun.pdf (閲覧日:2026年10月22日)
- 消費者庁. 子ども安全メール Vol.561 家庭内での医薬品や洗剤の誤飲を防止しましょう!(2021年8月10日). https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_001/mail/20210810/ (閲覧日:2026年10月22日)
- 消費者庁. 子ども安全メール Vol.628 たばこ誤飲 - 加熱式たばこも要注意!(2023年5月29日). https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_001/mail/20230529/ (閲覧日:2026年10月22日)
- こども家庭庁. 窒息・誤飲事故(こどもの事故防止ハンドブック). https://www.cfa.go.jp/policies/child-safety-actions/handbook/content-1 (閲覧日:2026年10月22日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。