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オタ男マッチングした人とLINEは続いてるんだけど、電話はハードルが高いんだよね。沈黙になったら気まずいし…。

ブン子わかる。文字なら考えてから返せるけど、電話だと何を話せばいいかわからなくなりそう。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、文字と声のどちらで連絡すると、相手とのつながりを感じやすいかを調べた心理学の研究です。2021年にアメリカ心理学会の学術誌「Journal of Experimental Psychology: General」に載った、クマールとエプリーの論文「It’s surprisingly nice to hear you」の原文(著者が公開している版)をもとにまとめました。調べたのはLINEではなくメールやチャットで、参加したのはアメリカの大学生や地域の人たちです。
実験1:昔の友だちに、電話かメールで連絡する
- シカゴ大学の学生200人に、「以前は仲がよかったけれど、少なくとも数年は連絡をとっていない人」を1人思いうかべてもらいました
- 連絡する前に、「電話とメールのどちらがいいか」と、それぞれの場合にどれくらいつながりを感じるか・どれくらい気まずいかを予想してもらいました
- そのあと、本人の希望とは関係なく、くじで電話かメールに振り分け、1週間のうちに実際に連絡してもらいました(最後まで回答したのは103人)
わかったこと(1):電話のほうが気まずいと思い、メールを選ぶ
- 67%の人が、電話よりメールで連絡したいと答えました
- 予想では、電話のほうがつながりを強く感じると思っていましたが、同時に電話のほうが気まずいとも思っていました(9段階で、電話6.66・メール4.89)
- 論文は、どちらを選ぶかには、この「気まずさの予想」がいちばん強く関係していた、と書いています
わかったこと(2):実際は、電話のほうがつながり、気まずさは同じ
- 実際に連絡したあと、電話の人はメールの人より、相手とのきずなが強いと答えました(9段階で、電話5.27・メール4.62)
- いっぽう、気まずさは電話5.60・メール5.45で、差はありませんでした
- やりとりにかかった時間も、電話は平均約17分、メールも約18分で、ほとんど同じでした

ブン子電話は気まずいと思ってたけど、実際はメールと同じくらいなんだ。しかも時間も変わらないのね。
実験2:知らない人と、文字・声・ビデオでチャットする
- 302人(151組)の、初対面の2人に、「完璧な1日とは?」「人前で泣いたときのことを話せる?」など5つの質問を出しあって答えてもらいました(心理学で「36の質問」として知られる手順を短くしたもの)
- くじで、文字のチャット・声だけの通話・ビデオ通話のどれかに振り分けました(どれも Skype を使い、10分ほど)
- 話す前の予想では、どの方法でも、つながりや気まずさに差があるとは思っていませんでした
- ところが話したあとは、声だけの人のほうが文字の人より、相手を「よく知れた」「好き」「会話が楽しかった」と答えていました。ビデオにしても、声だけのときよりつながりが強くなることはありませんでした
- 気まずさは、どの方法でも予想より小さく、方法による差はありませんでした
論文は、声には文字にはない手がかりがあり、相手の「考えや気持ち」を感じやすいのではないか、と考えています。ただ、なぜ声だとつながりやすいのかは、まだはっきりわかっていないとも書いています。

オタ男顔が見えるビデオじゃなくても、声だけで十分なんだ。それなら少しハードルが下がるかも。
実験3:気まずさの予想が、選び方を決めている
- 米国のオンラインの参加者101人に、昔の知り合い5人を思いうかべてもらい、電話とメールのどちらで連絡したいかを答えてもらいました
- 「電話のほうがつながる」と思う人ほど電話を選び、「電話のほうが気まずい」と思う人ほどメールを選んでいました。そして、気まずさの予想のほうが、選び方に強く関係していました

この実験では、電話は「気まずそう」と思われてメールが選ばれがちでしたが、実際に声で話した人のほうがつながりを感じ、気まずさは変わりませんでした。
婚活のLINEに当てはめると
研究からいえることは、次のくらいです。
- 「電話は気まずそう」という予想は、実際より大きいことがある(実験1・2)
- 声でやりとりすると、文字よりつながりを感じやすいことがある。ビデオでなくても、声だけで同じくらいだった(実験2)
- 気まずさの予想が強いと、つい文字を選びがちになる(実験1・3)
- 文字だと気持ちが伝わりにくいことは、LINEの文字は、思ったほど伝わらない?の記事もどうぞ。遠距離で会う回数が少ないときの電話・ビデオ通話のことは、遠距離の婚活の記事に書いています
注意したいこと:
- アメリカの大学生やオンラインの参加者の実験で、相手は昔の友だちか、実験で会った初対面の人です。婚活中の相手や、日本の人どうしで同じ結果になるかは、この論文からはわかりません
- 実験2は、5つの質問を出しあうという決まった会話でした。ふだんの雑談で同じになるかはわかりません
- 実験1は、半分ほどの人が最後まで回答していません(論文もこの点を課題としてあげています)
- 電話が苦手な人や、相手が電話を望まないときに、無理にすすめるものではありません。電話をかけるかどうかは、相手の都合を聞いてからにしましょう。LINEのやりとりの基本は婚活のLINE、どう送る?の記事もどうぞ

ブン子まずは「今度10分くらい電話で話せたらうれしいです」って、都合を聞いてみようかな。

オタ男ぼくも、気まずいのは思いこみかもしれないって思えば、かけられそう。
まとめ
- 昔の友だちに連絡する実験では、67%が電話よりメールを選んだ。電話は気まずいと思っていたから
- 実際は、電話の人のほうがきずなが強いと感じ、気まずさはメールと同じだった
- 初対面のチャットでも、声のあるやりとりのほうがつながりを感じた。ビデオでなくても声だけで同じくらい
- 「気まずそう」という予想が、文字を選ばせている。相手の都合を聞いて、声で話してみるのもひとつの方法
参考文献
- Kumar A, Epley N. It’s surprisingly nice to hear you: Misunderstanding the impact of communication media can lead to suboptimal choices of how to connect with others. Journal of Experimental Psychology: General. 2021;150(3):595-607. doi:10.1037/xge0000962. 著者公開版:http://www.kumar-amit.com/s/Kumar-Epley-in-press-Its-surprisingly-nice-to-hear-you-JEPG.pdf (閲覧日:2026年10月22日)
- PubMed. It’s surprisingly nice to hear you: Misunderstanding the impact of communication media can lead to suboptimal choices of how to connect with others(PMID: 32915017). https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32915017/ (閲覧日:2026年10月22日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。




