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アソ美この前、「資格の試験に受かった!」ってLINEしたら、「へえ、よかったね」だけ返ってきたの。なんだか、さみしかったな。

ハイ男え、ぼくもよくそう返してる…。大げさに喜ぶのも、なんか照れくさいし。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、いい知らせを人に話すこと、そして話された側の返し方について調べた心理学の研究です。2004年にアメリカ心理学会の学術誌「Journal of Personality and Social Psychology」に載った、ゲーブル・ライス・インペット・アッシャーの論文「What do you do when things go right?」の原文(著者の所属するロチェスター大学のサイトで公開している版)をもとにまとめました。参加したのは、アメリカの大学生と、恋人どうし・夫婦です。
研究1:いい出来事を人に話した日は、気分がいい
- 大学生154人に、1週間、毎晩日記をつけてもらいました。その日の「いちばんいい出来事」と、それを人に話したかどうか、その日の気分と生活の満足度を書きます
- いちばんいい出来事を人に話していたのは、日数の70.8%でした
- 出来事の大きさなどを考えに入れても、人に話した日は、話さなかった日より、前向きな気分と生活の満足度が高くなっていました。いやな気分が減るわけではありませんでした
返し方の4つのタイプ
研究2・3では、相手の返し方を、「積極的か・受け身か」「前向きか・水をさすか」の2つの軸で、4つに分けました。質問の文は「わたしがいい出来事を話すと、相手は…」です。
- 積極的で前向き:熱心に喜んでくれる/わたし以上に喜んでいるように見える/いろいろ質問して、本当に関心をもってくれる
- 受け身で前向き:大げさにはしないけれど喜んでくれる/口数は少ないけれど、喜んでいるのはわかる
- 積極的に水をさす:問題点を見つける/いいことには悪い面もある、と言う
- 受け身で水をさす:あまり関心がなさそう/わたしにあまり注意を向けない

ハイ男「へえ、よかったね」は、「受け身で前向き」くらいかな。悪気はないんだけど。
研究2・3:「熱心に喜んでくれる」と感じる人ほど、関係の満足度が高い
- 研究2は、3か月以上付き合っている大学の恋人どうし59組、研究3は、ニューヨーク州ロチェスターの夫婦89組(結婚して平均10.1年)です
- 相手の返し方が「積極的で前向き」だと感じている人ほど、関係の満足度や親密さなどが高くなっていました
- 「水をさす」返し方(積極的でも受け身でも)は、関係のよさと逆の向きにむすびついていました
- 論文が「注目すべき」と書いているのは、「受け身で前向き」(口数は少ないけれど喜んでいる)も、関係のよさとむすびついていなかったことです。研究2では、むしろ逆の向きでした。関係のよさとむすびついていたのは、はっきり外に出して喜ぶ返し方だけでした
研究4:最初に話した人の返し方で、その日の気分がさらに変わる
- 大学生94人の、10日間の日記です。いい出来事を人に話していたのは、日数の80.2%でした
- 話した相手が多い日ほど、前向きな気分と生活の満足度が高くなっていました
- 最初に話した人の返し方が「積極的で前向き」だと感じた日は、話したことに加えて、さらに気分と満足度が高くなっていました
- 研究のあとの抜き打ちの記憶テストでは、人に話したいい出来事のほうが、よく思い出されていました

この研究では、相手が熱心に喜んでくれると感じている人ほど、関係の満足度や親密さが高くなっていました。口数少なく見守る返し方は、関係のよさとむすびついていませんでした。
婚活のLINEに当てはめると
研究からいえることは、次のくらいです。
- 相手の「うれしい報告」には、「よかったね」だけで終わらず、喜んでいることを言葉にして、「どんな試験だったの?」「どうやって準備したの?」と聞いてみる返し方が、研究の「積極的で前向き」に近い
- 「でも大変になるね」と悪い面を先に言う返し方や、関心がなさそうな返し方は、研究では関係のよさと逆の向きにむすびついていた
- 気持ちを言葉にして伝えることは、ほめ言葉は、思っているよりずっとうれしいの記事もどうぞ。文字だと気持ちが伝わりにくいことは、LINEの文字は、思ったほど伝わらない?に書いています
注意したいこと:
- 研究2・3は、同じときに聞いた調査です。論文も、「喜んでもらえる」から関係がよくなるのか、関係がいいから「喜んでもらえる」と感じるのか、どちらが先かはわからないと書いています
- 調べたのは、話した側が、相手の返し方をどう感じたかです。聞き手が実際にどう返したかや、聞き手の気持ちは調べていません
- 日記の研究も、話したことと気分のむすびつきを見たもので、原因と結果を確かめた実験ではありません
- 2004年の、アメリカの大学生・恋人・夫婦の研究です。婚活中の相手や、日本の人どうしで同じ結果になるかは、この論文からはわかりません

アソ美「おめでとう!どんな試験だったの?」って聞いてもらえたら、もっと話したくなるな。

ハイ男次からは、照れずに「すごい!」って言って、ひとつ質問してみるよ。
まとめ
- いい出来事を人に話した日は、前向きな気分と生活の満足度が高かった(話した日は70.8%・80.2%)
- 相手が「熱心に喜んで、いろいろ聞いてくれる」と感じている恋人・夫婦ほど、関係の満足度や親密さが高かった
- 水をさす返し方、そして「口数少なく見守る」返し方も、関係のよさとむすびついていなかった
- ただし調査の結果で、どちらが原因かはわからない。うれしい報告には、喜びを言葉にして、ひとつ聞いてみる
参考文献
- Gable SL, Reis HT, Impett EA, Asher ER. What do you do when things go right? The intrapersonal and interpersonal benefits of sharing positive events. Journal of Personality and Social Psychology. 2004;87(2):228-245. doi:10.1037/0022-3514.87.2.228. ロチェスター大学のサイトの公開版:https://www.sas.rochester.edu/psy/people/faculty/reis_harry/assets/pdf/GableReisImpettAsher_2004.pdf (閲覧日:2026年10月22日)
- PubMed. What do you do when things go right? The intrapersonal and interpersonal benefits of sharing positive events(PMID: 15301629). https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15301629/ (閲覧日:2026年10月22日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。

