男性更年期とうつ病は見分けにくい:やる気が出ない・眠れない・集中できないは、どちらでも起こる。研究では、テストステロンの低さとうつ病に明らかな関連はないものの、合併は十分ありうる
日本泌尿器科学会と日本メンズヘルス医学会の「LOH症候群(加齢男性・性腺機能低下症)診療の手引き」(2022年)の「LOH症候群におけるうつ病」の章によると、男性更年期障害と中高年男性のうつ病は症状の重なりが多く、十分に見分けられないことも少なくありません。多くの研究では、中高年男性のテストステロンの値とうつ状態の間に関連はみられず、テストステロンの低さが1〜4年後のうつ病のリスクを高める可能性を否定した報告もあります。ただし、どちらも多い病気なので合併は十分ありえます。大うつ病性障害は男性の3〜4%にみられます。男性更年期外来にかかる人では、うつ病の可能性も考えた対応が必要とされています。

プレ男父さんが最近、やる気が出ない、眠れない、仕事に集中できないって。「男性更年期かも」って言ってるけど、うつ病ってこともあるのかな。

メル美症状が似ていて、自分では区別がつかなさそうだよね。
こんにちは、Dr. Taro です。 「メンズメディカル」から、男性更年期(LOH症候群)とうつ病の話です。日本泌尿器科学会と日本メンズヘルス医学会の「LOH症候群(加齢男性・性腺機能低下症)診療の手引き」(2022年)の「LOH症候群におけるうつ病」の章をもとにまとめました。補充療法についてはテストステロン補充療法の記事にまとめています。
症状がよく似ている
- 男性更年期障害の症状には、うつ、イライラ、不安、集中力の低下などの気持ちの症状、ほてりや汗、動悸などの自律神経の症状、性欲の低下やEDなどがあります
- 男性更年期障害と中高年男性のうつ病は、症状の重なりが多く、十分に見分けられないことも少なくないと考えられています
テストステロンとうつ病の関係
- 多くの研究では、中高年男性のテストステロンの値とうつ状態の間に関連はみられないと報告されています。最近の大規模な研究でも、テストステロンが低いことが1〜4年後のうつ病のリスクを高める可能性を否定した報告が複数あります
- ただし、どちらも多い病気なので、合併することは十分ありえます
- うつ病のうち、気分変調症(長く続く軽めの抑うつ)では、テストステロンが低下しているという報告が多いとされています

メル美「テストステロンが低いからうつになる」とは、はっきり言えないんだね。でも両方あることもある。
うつ病は男性の3〜4%
- 大うつ病性障害は、一般の人の5〜6%、男性では3〜4%にみられます
- うつ病の診断には、米国精神医学会の診断基準(DSM-5)などが使われ、専門家でなくても短時間でできる構造化面接が使われることも多いとされています
受診するときは
- 手引きは、男性更年期外来にかかる人では、うつ病である、またはうつ病を合併している可能性が十分にあるとしています
- 中高年男性のうつ病の人にテストステロンを投与した研究のまとめでは、LOH症候群の有無にかかわらず、投与量が多い条件で効果がみられたことが多いと報告されています。ただし、治療は医師が症状と検査をもとに判断します

男性更年期障害とうつ病は症状の重なりが多く、見分けにくいことがあります。どちらも多い病気なので合併することもあり、男性更年期外来では、うつ病の可能性も考えた対応が必要とされています。
- 眠れない日が続くときは不眠症、体を動かす効果は運動で男性ホルモンは増える?の記事もどうぞ

プレ男「更年期だから」と決めつけないで、まずはお医者さんに症状をそのまま話してもらおう。
まとめ
- 男性更年期障害とうつ病は、症状の重なりが多く見分けにくい
- 研究では、テストステロンの低さとうつ病に明らかな関連はない
- どちらも多い病気なので、合併は十分ありうる
- 大うつ病性障害は男性の3〜4%
- 男性更年期外来では、うつ病の可能性も考えた対応が必要
参考文献
- 日本泌尿器科学会, 日本メンズヘルス医学会. LOH症候群(加齢男性・性腺機能低下症)診療の手引き(2022年).「21 LOH症候群におけるうつ病」. https://www.urol.or.jp/lib/files/other/guideline/44_loh.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。