男性ホルモンは30歳を過ぎると年に0.4〜1.0%ずつ下がる:でも「値が低い人」と「男性更年期(LOH症候群)の人」は別。米国の研究では値が低い人24%、症状もあるLOHは5.6%。日本では50歳代の約20%、60歳代の約50%がフリーテストステロンの境界域以下
日本泌尿器科学会などの「LOH症候群(加齢男性・性腺機能低下症)診療の手引き」(2022年12月)によると、血液中のテストステロンは20〜30歳でピークになり、30歳以降は年に約0.4〜1.0%ずつ下がります。ただ、LOH症候群はテストステロンの低下に症状をともなう状態なので、値が低いだけの人より少なく、米国の30〜79歳の研究では、値で判断した性腺機能低下症が24%、症状もあるLOH症候群は5.6%でした。日本の調査では、フリーテストステロンが境界域以下の人は40歳代で約10%、50歳代で約20%、60歳代で約50%でしたが、これはLOH症候群の割合ではありません。日本のLOH症候群の頻度を調べた研究は少なく、再調査が望まれています。

プレ男男性ホルモンって、年をとるとみんな減るんでしょ?ってことは、みんな男性更年期になるの?

メル美何歳ぐらいから、どのくらいの人がなるものなのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、男性ホルモンの低下と男性更年期(LOH症候群)はどのくらい多いかの話です。日本泌尿器科学会などの「LOH症候群(加齢男性・性腺機能低下症)診療の手引き」(2022年12月)の「LOH症候群の疫学」の章をもとにまとめました。
テストステロンは30歳を過ぎると少しずつ下がる
- 血液中のテストステロンは、20〜30歳でピークになり、30歳以降は年に約0.4〜1.0%ずつ下がるとされています
- そのため、テストステロンの値だけでみた「性腺機能低下症」は、年齢とともに増えます
「値が低い」と「LOH症候群」は別
- LOH症候群は、テストステロンの低下によって症状が出ている状態です。値が低いだけの人より少なくなります
- 米国の30〜79歳の男性1,475人の研究では、テストステロンの値で判断した性腺機能低下症は24%でしたが、症状もあるLOH症候群は5.6%でした
- 多くの調査は「値が低い人」の割合を調べたもので、LOH症候群の割合とは同じではないことに注意が必要です

プレ男値が低い人の中でも、症状まで出ている人はもっと少ないんだ。
海外の調査:年代でこんなに変わる
- 米国のボルチモア加齢縦断研究では、総テストステロン325ng/dL未満の人は、50歳代12%、60歳代19%、70歳代28%、80歳代49%でした
- 調査によって、性腺機能低下症の割合は5.6〜49%と大きくちがいます。対象・人種・年齢だけでなく、どこで線を引くか(定義)がちがうためです
日本の調査
- 日本では、20〜77歳の男性1,172人の調査をもとに、年齢とともに下がるフリーテストステロンを基準にしてきました
- この基準でみると、フリーテストステロンが境界域以下の人は、40歳代で約10%、50歳代で約20%、60歳代で約50%でした
- ただし、これは値で判断した割合で、LOH症候群の割合ではなく、LOH症候群はもっと少ないとされています
- 日本でLOH症候群の頻度を調べた研究は少なく、高齢化が進む今、再調査が望まれるとされています

テストステロンは30歳を過ぎると少しずつ下がりますが、値が低いことと、症状をともなうLOH症候群は同じではありません。症状が気になるときは、医療機関で相談しましょう。
- 診断のめやすや補充療法はテストステロン補充療法とは?、採血の時間などはテストステロンの血液検査、症状のチェック表は男性更年期のチェック表(AMSスコア)の記事にまとめています

メル美年をとったらみんな更年期、ってわけじゃないんだね。症状があるかどうかが大事なんだ。
まとめ
- テストステロンは30歳以降、年に約0.4〜1.0%下がる
- 値が低い人と、症状もあるLOH症候群の人は別。米国では24%と5.6%
- 海外では調査によって5.6〜49%とちがう(定義のちがい)
- 日本では境界域以下が50歳代約20%、60歳代約50%。でもLOHの割合ではない
- 日本のLOHの頻度の研究は少なく、再調査が望まれる
参考文献
- 日本泌尿器科学会・日本Men’s Health医学会 LOH症候群(加齢男性・性腺機能低下症)診療の手引き作成委員会. LOH症候群(加齢男性・性腺機能低下症)診療の手引き(2022年12月). 2 LOH症候群の疫学. https://www.urol.or.jp/lib/files/other/guideline/44_loh.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。