男性の骨もホルモンで守られている:テストステロンが200ng/dL未満で骨密度が下がるという報告。男性の骨量は50歳以降に減りはじめ、70歳ごろから大きく減る。テストステロン補充は骨粗しょう症の治療薬ではない
日本泌尿器科学会と日本メンズヘルス医学会の「LOH症候群(加齢男性・性腺機能低下症)診療の手引き」(2022年)の「LOH症候群における骨粗鬆症」の章によると、男性の骨は男性ホルモン(テストステロン)そのものと、テストステロンから変わった女性ホルモン(エストロゲン)の両方に守られています。テストステロンが200ng/dL未満になると、エストロゲンも下がって骨密度が大きく下がるという報告があります。男性の骨量は50歳以降に少しずつ減りはじめ、70歳ごろから大きく減ります。テストステロン補充療法は骨密度を増やす可能性はあるものの、骨粗しょう症の治療薬としての適応はなく、必要なら骨粗しょう症の治療を並行して行います。

プレ男骨粗しょう症って、女性の病気だと思ってた。男にも関係あるの?

メル美男性ホルモンと骨って、関係があるのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 「メンズメディカル」から、男性の骨とテストステロンの話です。日本泌尿器科学会と日本メンズヘルス医学会の「LOH症候群(加齢男性・性腺機能低下症)診療の手引き」(2022年)の「LOH症候群における骨粗鬆症」の章をもとにまとめました。骨粗しょう症そのものは骨粗しょう症の記事にまとめています。
男性の骨は2つのホルモンで守られている
- 男性ホルモン(アンドロゲン)の骨への働きには、男性ホルモンそのものによるものと、体の中で女性ホルモン(エストロゲン)に変わって働くものの両方があります
- エストロゲンは、骨をつくる細胞の働きを保ち、骨づくりを助けます
テストステロンが低いと骨密度も下がる
- テストステロンが200ng/dL未満になると、エストロゲンも10pg/mLを下回り、骨密度が大きく下がるという報告があります
- 男性の骨と性ホルモンの研究の多くで、テストステロンの低下が骨密度の低下と関連していると報告されています

プレ男男性ホルモンが女性ホルモンに変わって、骨を守ってるんだ。
男性の骨量は70歳ごろから大きく減る
- 男性の骨量は、大人になってピークに達したあとほぼ変わらず、50歳以降に少しずつ減りはじめ、70歳ごろから大きく減るとされています
- そのため、LOH症候群で骨粗しょう症が問題になるのは、主に70歳以上と考えられています
テストステロン補充は骨粗しょう症の治療薬ではない
- テストステロン補充療法は、骨密度を増やす可能性が示されています。もとのテストステロンがとても低い人ほど効果が高いと予想されています
- ただし、現状では骨粗しょう症の治療薬としての適応はなく、骨粗しょう症に単独の治療薬として使うことはできません
- LOH症候群の人で骨粗しょう症の治療が必要な場合は、男性の骨粗しょう症の治療ガイドラインと専門家の助言にしたがって、骨粗しょう症の薬を並行して使うのがよいとされています(テストステロン補充療法)

テストステロン補充療法は骨密度を増やす可能性はありますが、骨粗しょう症の治療薬としての適応はありません。骨粗しょう症の治療が必要なときは、骨粗しょう症の治療を並行して行います。
体を動かすことが骨にも効く
- 適度な身体活動は、筋肉を増やし、筋肉が縮むときの負荷で骨を強くする方向に働き、テストステロンと相乗的に作用すると報告されています
- 適度な運動は、短い時間でテストステロンを増やし、筋力と骨を強くし、高齢の人の転倒の予防にも有効です(運動で男性ホルモンは増える?)

メル美男性も、骨のために体を動かすことが大事なんだね。
まとめ
- 男性の骨はテストステロンと、そこから変わるエストロゲンの両方に守られている
- テストステロン200ng/dL未満で骨密度が下がる報告
- 男性の骨量は50歳以降に減りはじめ、70歳ごろから大きく減る
- テストステロン補充は骨粗しょう症の治療薬ではない。必要なら骨粗しょう症の治療を並行
- 適度な運動が筋力・骨・転倒予防に
参考文献
- 日本泌尿器科学会, 日本メンズヘルス医学会. LOH症候群(加齢男性・性腺機能低下症)診療の手引き(2022年).「23 LOH症候群における骨粗鬆症」. https://www.urol.or.jp/lib/files/other/guideline/44_loh.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。