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メル美モノポリーのおじさんって、片眼鏡(モノクル)をかけてたよね?…え、かけてないの?

プレ男それ「マンデラ効果」ってやつだ!みんなが同じまちがいを覚えてるのは、世界が書きかわったからだってネットで見たよ。
今回の都市伝説は、「マンデラ効果は、パラレルワールドや世界が書きかわった証拠」説です。シカゴ大学のディーパスリ・プラサドとウィルマ・ベインブリッジが2022年に心理学の学術誌『Psychological Science』に発表した論文(受理版の原稿)と、ネルソン・マンデラ財団の公式サイトをもとにまとめました。
結論から
- 論文の答え:たしかに、特定の絵について、多くの人が「同じまちがい」を覚えていることは、実験で確かめられた。ただし、それは記憶のまちがい(偽りの記憶)として調べられている
- 何が原因かは、一つにはしぼれなかった。見るときの注意のちがいでも、絵の色や形のちがいでもなかった
- 名前のもとの「マンデラが1980年代に獄中で死んだ」は事実ではない。マンデラは1990年に釈放され、2013年に亡くなった
「マンデラ効果」という名前の由来
- 論文によると、「マンデラ効果」という言葉を作ったのは、超常現象の研究家フィオナ・ブルームです。彼女は、ネルソン・マンデラが1980年代に獄中で亡くなったという自分の記憶がまちがっていたことを、こう名づけました。ほかにも同じ記憶をもつ人がいる、と言っていたそうです
- その後この言葉はネットで広まり、たくさんの人が名前・できごと・絵について、同じくわしいまちがいを覚えている例をさすようになりました
- ブルームやネットの人たちは、この共通のまちがいを「別の次元(パラレルワールド)がある証拠」と解釈しました。論文は、これまでの研究のほとんどが、マンデラ効果を陰謀論の例としてあつかってきた、と書いています
本当のマンデラは?
ネルソン・マンデラ財団の公式サイトの伝記によると——
- マンデラは1918年7月18日、南アフリカの東ケープ州の村で生まれました
- 長い投獄の末、1990年2月11日(日曜日)に、ヴィクター・フェルスター刑務所の門から釈放されました
- 亡くなったのは2013年12月5日、ヨハネスブルクの自宅で
- つまり、「1980年代に獄中で死んだ」という記憶は、事実とちがうということです

プレ男釈放されて20年以上生きてたんだ…。まちがって覚えてた人が多かった、ってことか。
シカゴ大学の実験①:3つの絵から「本物」を選ぶ
- 研究チームは、ネットで「マンデラ効果がある」と言われていた6つの絵と、それ以外の34、合わせて40のキャラクター・ロゴ・記号を用意しました
- ネットで言われていたまちがいは、たとえばこんなものです
- モノポリーのおじさんに片眼鏡(モノクル)がある(実際はない)
- ピカチュウのしっぽの先が黒い(実際は黒くない)
- フォルクスワーゲンのロゴで、VとWの間がつながっている(実際は離れている)
- おさるのジョージにしっぽがある(実際はない)
- スター・ウォーズのC-3POの脚が両方とも金色(実際は片方の脚が銀色)
- フルーツ・オブ・ザ・ルームのロゴに豊穣の角(コルヌコピア)がある(実際はない)
- アメリカの成人100人に、本物1つと、1か所だけ変えた絵2つの、3つから本物を選んでもらい、自信の強さと、どれくらい見なれているかも答えてもらいました
- 結果、40のうち7つで、正解率が偶然(33%)を下回るか、それに近く、しかも特定のまちがった絵が選ばれていました。上の6つに、「ウォーリーをさがせ!」のウォーリーが加わった7つです
- これらの絵は、よく見なれていて、自信もあるのに、まちがえる。ほかの絵では、見なれているほど正解しやすいのに、この7つだけはその流れに合いませんでした
実験②:直前に見せても、まちがえる
- 別の60人には、まず本物の絵だけを、マウスで少しずつ見る方法(視線の動きを測るのに近い方法)で見てもらい、そのあとで「さっき見たのはどっち?」とたずねました
- すると、マンデラ効果の7つの絵の正解率は平均約53%。見なれ方が同じくらいのほかの絵(約82%)より、はっきり低くなりました。ほんの数分前に本物を見たのに、まちがった絵を選んだのです
- まちがえた人は、「たしかにカゴがあった」(フルーツ・オブ・ザ・ルームのロゴ)のように、見ていない部分を見たと感じていました
- ところが、どこをどれくらい見ていたかには、まちがえた人と正解した人で差がありませんでした。絵の色や形などの単純な特徴にも、差は見つかりませんでした

メル美ちゃんと見ていても、まちがえて覚えちゃうってこと?自分の記憶にちょっと自信がなくなるね。
実験③④:ネットの画像と、思い出して描く絵
- ネットで画像を検索して上位100枚ずつ調べると、C-3POは半分以上の画像で脚が写っていないなど、ふだん目にする画像が不完全なものもありました。一方、ピカチュウやモノポリーのおじさんは、ほとんどの画像が正しい姿。まちがった姿を見る機会がほとんどないのに、まちがえていたのです。研究チームは、すべてを説明できる一つの理由はないと書いています
- 記憶だけで絵を描いてもらう実験(のべ459人)でも、よく知っている人の絵の約48%に、同じまちがいが自分から描きこまれていました
まとめると、何がわかった?
- 研究チームの結論は、一部の絵には、多くの人が同じ「偽りの記憶」を持つということ。それは、選ぶときだけでなく、思い出して描くときにも起きる
- そして、その原因は、注意のちがいでも、絵の特徴のちがいでも、ふだん見る画像のちがいだけでもない。一つの理由では説明できない、としています
- 論文は、マンデラ効果を記憶のしくみとして調べる対象としてあつかっています。「パラレルワールドの証拠」という解釈は、研究の中では検証の対象になっていません

シカゴ大学の実験では、40の絵のうち7つで、多くの人が同じまちがった絵を選び、記憶から描くときにも同じまちがいがあらわれました。原因は、見るときの注意や絵の特徴のちがいでは説明できず、一つの理由にはしぼれなかったと報告されています。
まとめ
- 「マンデラ効果」は、マンデラが1980年代に獄中で死んだという記憶から名づけられた。実際は1990年に釈放、2013年に死去(ネルソン・マンデラ財団)
- シカゴ大学の実験(2022年)で、40のうち7つの絵に、多くの人が同じまちがいを覚えていることが確かめられた
- 数分前に本物を見ても、まちがえる。見ていない部分を「見た」と感じる
- 原因は一つにしぼれていない。研究は記憶のまちがいとして調べている
- 記憶と脳の都市伝説なら「脳の10%しか使っていない」、写真と記憶の関係は写真を撮ると忘れる?もどうぞ
参考文献
- Prasad D, Bainbridge WA. The Visual Mandela Effect as Evidence for Shared and Specific False Memories Across People. Psychological Science. 2022;33(12):1971-1988. doi:10.1177/09567976221108944. PubMed. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36219739/ (閲覧日:2026年10月22日)
- Prasad D, Bainbridge WA. The Visual Mandela Effect as evidence for shared and specific false memories across people(受理版の原稿). PsyArXiv. https://osf.io/nzh3s/ (閲覧日:2026年10月22日)
- Nelson Mandela Foundation. Biography of Nelson Mandela. https://www.nelsonmandela.org/biography (閲覧日:2026年10月22日)
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