旅行や美術館で写真をたくさん撮ると、かえって覚えていない?「写真撮影による記憶の低下」。スクリーンショットはとくに覚えにくかった実験も。一部をズームして撮ると低下しなかった
旅行先や美術館で、とりあえずスマホで撮っておく。Henkel(2014年、Psychological Science)の実験では、美術館のツアーで作品全体を写真に撮った人は、ただ見ただけの人より、覚えている作品の数や細かい部分、場所の記憶が少なくなりました(写真撮影による記憶の低下)。ただし、作品の一部をズームして撮った場合は、記憶は低下しませんでした。Lurieら(2025年、Memory & Cognition)の3つの実験では、写真を撮っても、スクリーンショットで保存しても、保存した画像の記憶は悪くなり、とくにスクリーンショットで悪い結果でした。自分のスマホでも、なれないカメラでも同じでした。

プレ男美術館では、とりあえず全部スマホで撮っておく。あとで見返せば完璧!

メル美実験だと、写真を撮った作品は、ただ見た作品より覚えていなかったんだって。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は写真を撮ることと記憶です。2つの実験の論文をもとにまとめました。
- Henkel「撮って記憶する:写真を撮ることが美術館ツアーの記憶に与える影響」(Psychological Science、2014年)
- Lurieら「保存のコスト:写真とスクリーンショットが記憶を悪くするしくみ」(Memory & Cognition、2025年)
1. 美術館の実験(2014年)
- 参加者は美術館のツアーで、ある作品はただ見て、ある作品は写真に撮るよう指示されました
- 作品の全体を撮った場合、ただ見た場合より、覚えている作品の数、作品の細かい部分、美術館のどこにあったかの記憶が少なくなりました。これを「写真撮影による記憶の低下」と呼びます
- ところが、作品の一部をズームして撮った場合は、記憶は低下しませんでした。ズームしなかった部分の記憶も、同じくらいしっかりしていました
- 著者は、ズームのように注意を向ける作業が加わると、記憶の低下がなくなるのではないかとしています
2. 写真とスクリーンショットの実験(2025年)
- パソコンや自分のスマホで絵を見て、写真を撮るかスクリーンショットで保存してもらいました(3つの実験)
- どの方法でも、保存した絵の記憶は悪くなり、とくに操作がいちばん簡単なスクリーンショットで悪い結果でした
- 自分のスマホでも、なれないカメラでも、記憶の低下は同じでした
- 著者らは、「撮る操作に注意が分かれるから」だけでは説明できないとしています

プレ男スクショでとっておいたものほど、覚えていないかもしれないのか。

実験では、写真やスクリーンショットで保存したものは、ただ見ただけのものより覚えていませんでした。ただし、一部をズームして撮った場合は、記憶は低下しませんでした。
スマホが近くにあるだけの影響はスマホを机に置いておくだけで、頭の働きが落ちる?、写真のバックアップはスマホが水没したら、まず電源を切るへ。

プレ男次の美術館は、まず自分の目でよく見て、気に入った作品の気になる部分だけ撮ろう。

メル美自分の目で見る時間も大切にしたいね。
GPSと道を覚える力の研究は、カーナビやスマホの地図に頼りきりだと、道を覚える力が落ちる?へ。
パソコンと手書きのノートの研究は、ノートはパソコンより手書きのほうが頭に入る?へ。
まとめ
- 作品の全体を写真に撮ると、ただ見たときより記憶が少なくなった(写真撮影による記憶の低下)
- 一部をズームして撮ると、記憶は低下しなかった
- 写真でもスクリーンショットでも、保存したものの記憶は悪くなり、とくにスクリーンショットで悪かった
参考文献
- Henkel LA. Point-and-shoot memories: the influence of taking photos on memory for a museum tour. Psychol Sci. 2014;25(2):396-402. doi:10.1177/0956797613504438. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24311477/ (閲覧日:2026年10月12日)
- Lurie R, Fabrizio SP, Westerman DL. The cost of saving: How photos and screenshots impair memory. Mem Cognit. 2025;53(7):2301-2311. doi:10.3758/s13421-025-01711-2. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40195208/ (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。