侵襲性髄膜炎菌感染症:2025年は84例で過去最多。キスや回し飲みなど濃厚な接触でもうつる。熱や頭痛から急に重くなり、治療しても10〜15%が亡くなる。HIVなど免疫が下がっている人はとくに注意。日本では4価のワクチンが受けられる
髄膜炎菌は、髄膜炎や敗血症などを起こす細菌です。国立健康危機管理研究機構のIASR(2026年9月号)によると、侵襲性髄膜炎菌感染症の届出は2024年に68例、2025年に84例とふえ、2025年は全数届出になった2013年以降で最多でした。せきなどの飛沫でうつり、同居などの長い接触や、飲みものの回し飲み、キスなどの濃厚な接触は、うつるリスクを高めます。はじめは熱や頭痛など目立たない症状でも急に重くなり、適切に治療しても致命率は10〜15%とされます。HIV感染症など免疫が下がっている人は、発症のリスクが高いとされています。

プレ男「髄膜炎菌の感染症がふえている」ってニュースを見たんだ。キスでもうつるって本当?

メル美髄膜炎って、すごく重い病気だよね。どんな人が気をつければいいんだろう。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、侵襲性髄膜炎菌感染症の話です。国立健康危機管理研究機構の病原微生物検出情報(IASR)の特集「侵襲性髄膜炎菌感染症 2013年4月〜2026年4月」(2026年9月号)をもとにまとめました。
どんな病気?
IASRによると、
- 髄膜炎菌という細菌による感染症で、髄膜炎、菌血症、敗血症などを起こします
- 健康な人の鼻やのどからも見つかることがあり(日本では1%未満)、症状のない「健康保菌者」もいます
- せきなどの飛沫でうつります。同居などの長い時間の接触や、飲みものの回し飲み、キスなどの濃厚な接触は、うつるリスクを高めます
- 補体の働きが弱い、脾臓がない(働きが悪い)、HIV感染症などで免疫が下がっている人は、発症のリスクが高いとされています

プレ男キスや回し飲みでも、うつるリスクが高くなるんだね。
キスでうつる病気についてはキスで性病はうつる?、オーラルセックスのあとの髄膜炎菌による尿道炎についてはフェラチオのあとの尿道炎を見てください。
急に重くなる
IASRによると、
- 感染してから症状が出るまで(潜伏期間)は平均4日(2〜10日)です
- はじめは熱や頭痛など、はっきりしない症状のことがありますが、急に重くなり、亡くなったり、後遺症が残ったりすることがあります
- 適切に治療しても、致命率は10〜15%とされる重い病気です

髄膜炎菌感染症は、熱や頭痛から急に重くなることがある病気です。高い熱、強い頭痛、ぐったりしているなど、いつもとちがうときは、すぐに医療機関を受診してください。
日本ではふえている
IASRによると、
- 侵襲性髄膜炎菌感染症は、2013年4月から全数届出の病気になりました
- 2013〜2019年は年に20〜40例ほどでしたが、新型コロナの流行期(2020〜2022年)は年1〜13例に減り、そのあと2023年21例、2024年68例、2025年84例とふえました。2025年は2013年以降で最多です
- 2013年4月〜2026年4月の届出は464例で、50代以上が58%でしたが、20代以下でも亡くなった例がありました。届出時点の致命率は8.6%でした
- 海外では、学生や若い大人のアウトブレイクが報告されていて、国内でも学生寮などの共同生活をしていた人の発症がみられています
接触した人の予防と、ワクチン
IASRによると、
- 患者が出たときは、濃厚に接触した人やリスクの高い人に、できるだけ早く抗菌薬を予防のために飲む(曝露後予防)ことが大切です
- 長い目での予防にはワクチンがあります。日本では、A・C・W・Y群を防ぐ4価のワクチンが受けられますが、B群のワクチンは国内では承認されていません
髄膜炎菌ワクチンと淋菌の関係については、髄膜炎菌ワクチンで淋菌は防げる?を見てください。
(更新)国立健康危機管理研究機構の「日本で接種可能なワクチンの種類」(2026年4月現在)では、髄膜炎菌ワクチン(4価)は任意接種に分類されていて、定期接種の対象ではありません。任意接種の費用は確認していません。
まとめ
- 侵襲性髄膜炎菌感染症は、髄膜炎や敗血症を起こす重い病気
- 飛沫でうつり、キスや回し飲みなどの濃厚な接触でリスクが高まる
- 熱や頭痛から急に重くなり、治療しても致命率10〜15%
- 2025年は84例で過去最多。HIVなど免疫が下がっている人はとくに注意
- 日本では4価のワクチンが受けられる(B群は国内未承認)
参考文献
- 国立健康危機管理研究機構. 侵襲性髄膜炎菌感染症 2013年4月〜2026年4月(IASR Vol.47 p161-162: 2026年9月号). https://id-info.jihs.go.jp/surveillance/iasr/pathogens/vol47/559/559t.html (閲覧日:2026年10月10日)
- 国立健康危機管理研究機構. 日本で接種可能なワクチンの種類(2026年4月現在). https://id-info.jihs.go.jp/immunization/basics/vaccine-list-in-japan/index.html (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
