フェラチオのあとの尿道炎:クラミジアや淋菌だけでなく、のどの菌(髄膜炎菌、インフルエンザ菌)やウイルス(単純ヘルペス1型、アデノウイルス)が原因のことも。淋菌とまちがえやすい菌もあるので、検査で原因を確かめて
オーラルセックス(フェラチオ)を受けたあとに、おしっこが痛い、尿道からうみが出る——尿道炎の原因は、クラミジアや淋菌だけではありません。米国CDCのガイドライン(2021年)によると、のどにいる髄膜炎菌やインフルエンザ菌、単純ヘルペスウイルス(とくに1型)、アデノウイルスなどが、フェラチオでうつって尿道炎を起こすことがあります。髄膜炎菌は顕微鏡では淋菌と見分けがつかないことがあり、インフルエンザ菌では一部の抗菌薬が効きにくい菌の報告もあります。検査で原因を確かめることが大切です。

プレ男口でしてもらっただけなのに、おしっこが痛くなった人がいるんだって。口でも尿道炎になるの?

メル美のどの菌が、尿道にうつることがあるのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、フェラチオ(オーラルセックス)のあとの尿道炎の話です。米国CDCの性感染症治療ガイドライン(2021年)の「非淋菌性尿道炎」の節をもとにまとめました。尿道炎の全体については、尿道炎の記事を見てください。
口の菌やウイルスでも、尿道炎になる
CDCのガイドラインによると、尿道炎の原因は、クラミジアや淋菌、マイコプラズマ・ジェニタリウムなどが多いですが、ほかにも次のようなものがあり、フェラチオ(口とペニスの接触)でうつることがあります(クラミジア、淋菌、マイコプラズマ・ジェニタリウム)。
髄膜炎菌
- 髄膜炎菌は、粘膜にすみついて、尿道炎を起こすことがあります。フェラチオでうつることが研究で示されています
- 顕微鏡の検査(グラム染色)では、淋菌と見分けがつきません。淋菌のように見えるのに、淋菌の遺伝子検査が陰性のときは、培養検査で確かめる必要があります
- 治療は、淋菌による尿道炎と同じ抗菌薬で行います。パートナーにも同じ治療を考えることができます
- のどに髄膜炎菌がいるだけで尿道炎の症状がない人を、治療する必要はないとされています
インフルエンザ菌など
- インフルエンザ菌(ヘモフィルス属)も、尿道炎の原因になることがあります。おもにフェラチオを受けた男性413人(多くは男性と性交する男性)の研究で、12.6%にヘモフィルスが見つかりました
- ヘモフィルスによる尿道炎の患者では、アジスロマイシンが効きにくい菌が39.5%と多く見つかったと報告されています

プレ男淋菌に見えて淋菌じゃないこともあるんだ。だから検査で原因を確かめるのが大事なんだね。
ウイルス
- 単純ヘルペスウイルス、EBウイルス、アデノウイルスも、フェラチオでうつって尿道炎を起こすことがあります
- オーストラリアのヘルペスによる尿道炎80例の報告では、多くが単純ヘルペス1型(口のヘルペスに多い型)で、尿道の出口の炎症(62%)、性器のただれ(37%)、排尿痛(20%)がみられました(性器ヘルペス)
- アデノウイルスでは、排尿痛、尿道の出口の炎症、結膜炎がみられることがあります(結膜炎)

オーラルセックスでも尿道炎になります。原因によって効く薬がちがうので、自己判断で薬を飲まず、受診のときは口での性行為のことも伝えて検査を受けましょう。
原因がわからないことも
- CDCのガイドラインによると、くわしく検査しても、非淋菌性尿道炎の約半分は原因が見つからないとされています
予防と受診
- オーラルセックスでも、コンドームを使うと、うつるリスクを下げられます(コンドーム)
- 受診のときは、オーラルセックスのことも伝えましょう。どこを検査するかの手がかりになります(性感染症の検査って何をするの?)
- 相手ののどの感染については、のどの性感染症の記事にまとめています
まとめ
- フェラチオのあとの尿道炎は、クラミジア・淋菌のほか、髄膜炎菌、インフルエンザ菌、ヘルペス(とくに1型)、アデノウイルスなども原因になる
- 髄膜炎菌は淋菌と見分けにくい。培養で確かめることも
- インフルエンザ菌では、効きにくい抗菌薬の報告も
- 自己判断で薬を飲まず、受診のときはオーラルセックスのことも伝える
参考文献
- Workowski KA, et al. Sexually Transmitted Infections Treatment Guidelines, 2021. MMWR Recomm Rep 2021;70(No. RR-4)(Urethritis: Nongonococcal Urethritis). https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/70/rr/rr7004a1.htm (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
