キスで性病はうつる?HIVは唾液ではうつらない。でも、口のヘルペス、のどの淋菌、口に病変がある梅毒には注意
「キスだけなら大丈夫だよね?」。米国CDCによると、HIVは唾液ではうつらず、口を閉じたキスでもうつりません。一方、口のヘルペスは唾液を通してうつり、オーストラリアの研究では、キスの相手が多いほど、のどの淋菌が多いことがわかっています。キスで気をつけたい性感染症と、うつらないものを整理しました。

プレ男キスだけなら、性病の心配はないよね?エッチしてないし。

メル美口の中も粘膜だから、うつるものもあるんじゃないかな?
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、「キスで性感染症はうつるの?」という質問にお答えします。必要以上にこわがらなくていいものと、気をつけたいものを分けて整理しました。
唾液からうつりうるもの
- 日本皮膚科学会によると、唾液からは、クラミジア、単純ヘルペスウイルス、淋菌、サイトメガロウイルス、EBウイルスなどが感染することがあります
うつらない:HIV
米国CDCによると、
- HIVは唾液ではうつりません
- 口を閉じたキスでは、HIVはうつりません
- ごくまれに、2人とも口の中にただれや、歯ぐきからの出血があった場合に、うつった例があります

プレ男HIVはキスでは心配しなくていいんだね。
気をつけたい1:口のヘルペス(単純ヘルペスウイルス1型)
- CDCによると、口のヘルペスの多くは、子どものころや若いころに、性的でない接触で、唾液を通してうつります。キスもそのひとつです
- 口のヘルペスがある人の多くは、症状がありません
- 口のヘルペスは、オーラルセックスで性器にうつることもあり、性器ヘルペスの一部は、この1型が原因です(性器ヘルペス)
- 唇に水ぶくれやただれがあるときは、キスやオーラルセックスをひかえましょう
気をつけたい2:のどの淋菌
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オーストラリアで、男性と性行為をする男性2,322人を調べた研究(2022年)では、5.2%にのどの淋菌が見つかりました
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のどの淋菌は、キスの相手の数や、肛門をなめる行為(リミング)の相手の数が多いほど多く、オーラルセックス(フェラチオ)の相手の数とは関係がみられませんでした
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研究チームは、キスがのどの淋菌の広がりに重要かもしれないとしています
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のどの淋菌やクラミジアは、ほとんど症状がありません。くわしくは、のどの性感染症の記事を見てください
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この研究は男性どうしでセックスをする人が対象です。男女については、同じ研究チームが、男女2,866人のキスの時間や体勢を調べた研究(2022年)があります。ただ、キスで淋菌がうつるリスクが男女でどのくらいかは、まだ調べる必要があるとされていて、はっきりしていません

メル美キスでも、のどの淋菌がうつることがあるかもしれないんだ。
気をつけたい3:口に病変がある梅毒
- CDCによると、梅毒は、梅毒の病変(しこりやただれ)に直接ふれることでうつります。病変は、性器や肛門のほか、唇や口の中にできることもあります
- そのため、唇や口の中に梅毒の病変がある人とのキスでは、うつる可能性があります
- 梅毒の病変は痛みがないことが多く、気づきにくいのが特徴です(梅毒)
口の中のただれや白い斑点が長引くときは、口の中のただれ・白い斑点と性感染症も見てください。
口唇ヘルペスについては、口唇ヘルペス(くちびるの水ぶくれ)にまとめています。
まとめると
| 病気 | キスでうつる? |
|---|---|
| HIV | 唾液ではうつらない。口を閉じたキスでもうつらない(2人とも口に出血やただれがあるときに、ごくまれに) |
| 口のヘルペス | 唾液でうつる。症状がない人も多い |
| のどの淋菌 | キスの相手が多いほど多い、という研究がある |
| 梅毒 | 唇や口の中に病変があれば、うつる可能性がある |
- 気になることがあれば、のどの検査もふくめて、検査を受けましょう

HIVは唾液ではうつりません。一方、口のヘルペスは唾液でうつり、のどの淋菌はキスとの関係が研究で示されています。
まとめ
- HIVは唾液ではうつらない。キスで心配しすぎなくていい
- 口のヘルペスは唾液でうつる。唇に水ぶくれがあるときはひかえる
- のどの淋菌は、キスの相手が多いほど多いという研究がある。症状はほとんどない
- 唇や口の中に梅毒の病変があれば、キスでもうつる可能性がある
参考文献
- Centers for Disease Control and Prevention. How HIV Spreads. https://www.cdc.gov/hiv/causes/index.html (閲覧日:2026年9月29日)
- Centers for Disease Control and Prevention. About Genital Herpes. https://www.cdc.gov/herpes/about/index.html (閲覧日:2026年9月29日)
- Tran J, Ong JJ, Bradshaw CS, et al. Kissing, fellatio, and analingus as risk factors for oropharyngeal gonorrhoea in men who have sex with men: A cross-sectional study. EClinicalMedicine. 2022. https://doi.org/10.1016/j.eclinm.2022.101557 (閲覧日:2026年9月29日)
- Centers for Disease Control and Prevention. About Syphilis. https://www.cdc.gov/syphilis/about/index.html (閲覧日:2026年9月29日)
- 公益社団法人日本皮膚科学会. 皮膚科Q&A 性感染症(Q4 病原体はどこから感染するのですか?). https://qa.dermatol.or.jp/qa24/q04.html (閲覧日:2026年9月29日)
- Tran J, Fairley CK, Ong JJ, et al. The duration and body position during tongue-kissing among heterosexual men and women. Front Public Health. 2022;10:934962. https://doi.org/10.3389/fpubh.2022.934962 (閲覧日:2026年9月30日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。