ガジェット2026年10月10日

【テクノロジー解説】化学の実験を「コンピューターの中」で:ニュートンのりんごとシュレーディンガーの猫が手を組んだ。大事な部分だけ量子の計算、残りはかんたんな計算で、薬とタンパク質の結合や光合成をシミュレーション(2013年ノーベル化学賞)

化学者は昔、プラスチックの球と棒で分子の模型をつくっていました。いまは、コンピューターの中で分子をつくり、化学反応を計算します。2013年のノーベル化学賞は、1970年代にその土台をきずいたカープラス博士、レビット博士、ウォーシェル博士に贈られました。それまで化学者は、大きな分子をかんたんに計算できるニュートンの古典物理か、反応を計算できるけれど小さな分子しかあつかえない量子物理か、どちらかを選ぶしかありませんでした。3人は両方のいいところを組みあわせ、薬がくっつく部分だけを量子の計算で、残りを古典の計算でシミュレーションできるようにしました。

目次
  1. 化学反応は、目にもとまらぬ速さ
  2. 「どちらか」しか選べなかった
  3. 両方のいいとこどり
  4. 何に役立つ?
  5. つながるテクノロジー
  6. まとめ

プレ男理科室にあった、球と棒の分子模型、なつかしい!

メル美いまは、コンピューターの中で分子を動かして、反応を計算するんだって。

こんにちは、Dr. Taro です。 「テクノロジー解説」、今回は化学のコンピューターシミュレーションです。2013年のノーベル化学賞の発表と一般向け解説をもとにまとめました。

化学反応は、目にもとまらぬ速さ

「どちらか」しか選べなかった

それまで、分子をコンピューターで計算するには、2つの方法のどちらかを選ぶしかありませんでした。

古典物理(ニュートン) 量子物理(シュレーディンガー)
長所 計算がかんたん。大きな分子もあつかえる 化学反応を計算できる
短所 化学反応は計算できない ばく大な計算力が必要で、小さな分子しかあつかえない

プレ男大きい分子か、反応か。どっちもほしいよね。

両方のいいとこどり

何に役立つ?

2013年の受賞者は、大事な部分だけを量子の計算で、残りをかんたんな古典の計算でおこなう方法をつくり、大きな分子の化学反応をコンピューターで再現できるようにしました。

つながるテクノロジー

プレ男試験管の代わりにパソコンで実験する時代なんだね。

メル美1970年代のアイデアが、いまの薬づくりを支えてるんだね。

量子の計算を化学の道具にした先がけの研究は、「法則はわかっている、式がむずかしすぎるだけ」へ。

まとめ


参考文献

  1. The Royal Swedish Academy of Sciences. Press release: The Nobel Prize in Chemistry 2013. NobelPrize.org. https://www.nobelprize.org/prizes/chemistry/2013/press-release/ (閲覧日:2026年10月10日)
  2. The Royal Swedish Academy of Sciences. Popular science background: Taking the experiment to cyberspace (PDF). https://www.nobelprize.org/uploads/2018/06/popular-chemistryprize2013.pdf (閲覧日:2026年10月10日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。