
プレ男知り合いが「筋強直性ジストロフィー」って診断されたんだ。最初は不整脈で循環器内科にかかっていたらしい。筋肉の病気なのに、心臓から見つかることもあるの?

メル美筋ジストロフィーって、子どもの病気のイメージだったけど、大人にも起こるんだね。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、筋ジストロフィーの話です。難病情報センターの「筋ジストロフィー」(令和8年1月更新、筋ジストロフィーの標準的医療普及のための調査研究班)をもとにまとめました。
どんな病気?
- 骨格筋がこわれ(壊死)と再生をくり返すことを主な病変とする、遺伝性の筋肉の病気の総称です
- いずれも、筋肉のはたらきに欠かせないたんぱく質の遺伝子に変異が起こることで起こります。筋肉がこわれてやせ、脂肪や線維に置きかわって筋力が落ち、運動機能などが障害されます
おもな種類と頻度
全体の有病率は人口10万人あたり17〜20人程度と推測されています(運動機能の障害が軽い人は受診が少なく、正確な数はわかっていません)。
| 種類 | 人口10万人あたり | 特徴 |
|---|---|---|
| 筋強直性ジストロフィー | 9〜10人 | 筋肉がこわばってゆるみにくい(筋強直)。全身に多彩な合併症 |
| ジストロフィノパチー(デュシェンヌ型など) | 4〜5人 | X染色体で伝わる。体に近い筋肉が中心 |
| 顔面肩甲上腕型 | 2人 | 肩・上腕・顔の筋肉が中心 |
| 肢帯型 | 1.5〜2人 | 体に近い筋肉が中心 |
| 先天性 | 0.4〜0.8人 | 1歳未満で発症。日本では福山型が最も多い |
遺伝について
- 原因の遺伝子の変異は、親から受け継ぐ場合と、突然変異で新しく生じる場合があります。デュシェンヌ型では、日本の患者さんの4割程度は突然変異と報告されています
- 遺伝の仕方は病気によってちがうので、くわしくは主治医や遺伝診療部のある医療機関で相談することがすすめられています
症状
- 主な症状は、骨格筋の障害による運動機能の障害です
- そのほか、呼吸機能の低下、かむ・飲みこむ・話す機能の低下、まぶたが下がる、表情が乏しいなども起こります
- 関節が固くなる・変形、骨粗しょう症、誤嚥・栄養障害、心臓の障害(心不全・不整脈)、胃腸の障害などもみられます
- とくに筋強直性ジストロフィーは全身に多彩な合併症をともない、合併症が運動機能の障害より先に出ることも少なくありません

プレ男筋強直性ジストロフィーは、筋力の低下より先に心臓などの合併症が出ることもあるんだ。だから不整脈から見つかったのかもしれないね。
治療
- 定期的な機能の評価と合併症の検索、さまざまな専門家による先を見こした対応が基本です
- デュシェンヌ型では、ステロイドの効果(歩ける期間をのばす、呼吸機能を保つなど)が確立していて、保険で使えます
- リハビリテーションは、早くから導入することが重要です。関節が固くなるのを防ぐ訓練、転倒・事故の予防、装具や車いす、呼吸のリハビリ、飲みこみの訓練などを行います。使わないことによる衰えをさけ、軽い運動が有効とするデータも蓄積されています

筋ジストロフィーは、筋肉がこわれて少しずつ力が落ちる遺伝性の病気の総称です。大人に多い筋強直性ジストロフィーでは、心臓などの合併症が筋力の低下より先に出ることも少なくありません。定期的な機能の評価と合併症の検索が基本です。
- 50歳以上に多い筋肉の病気は封入体筋炎、免疫による筋肉の炎症は多発性筋炎・皮膚筋炎の記事もどうぞ

メル美心臓と筋肉の両方を、定期的にみてもらうことが大切なんだね。
まとめ
- 筋肉がこわれと再生をくり返し、少しずつ力が落ちる遺伝性の病気の総称
- 有病率は人口10万人あたり17〜20人。筋強直性(9〜10人)が多い
- 遺伝子の変異は受け継ぐ場合と突然変異の場合がある
- 運動機能のほか呼吸・飲みこみ・心臓・胃腸などの合併症
- 定期的な評価と合併症の検索、早くからのリハビリが基本
参考文献
- 難病情報センター. 筋ジストロフィー(指定難病113)(情報更新日:令和8年1月、筋ジストロフィーの標準的医療普及のための調査研究班). https://www.nanbyou.or.jp/entry/4522 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。