
プレ男死んだあとに、ツバメやハスの花に変身!? どういうこと?

メル美古代エジプトの『死者の書』には、死後の世界で姿を変えるための「章」があるんだって。死者が自分で語る形で書かれているの。
こんにちは、Dr. Taro です。 神話の解説、今回はエジプトの『死者の書』の変身の章です。エピファニウス・ウィルソン編『エジプト文学』(プロジェクト・グーテンベルク)におさめられた、E.A.ウォリス・バッジ訳『死者の書』(テーベ本)の変身の章を読みました。多くの章は、大英博物館の「ヌのパピルス」からの訳です。死後の世界の野については葦の野へ。冥界の王はオシリスへ。
プロフィール
| 章 | 死者のことば(バッジの英訳から) |
|---|---|
| どんな姿にも変わる章 | 「カマキリにみちびかれて、王の家に来た」 |
| 金のハヤブサ | 「卵から出る力強い金のハヤブサのように、わたしはのぼった」 |
| ハスの花 | 「わたしは、ラーの鼻からわきでる、清らかなハス」 |
| ベンヌ鳥 | 「わたしは、形のないものから生まれた。ケペラ神のように」 |
| ツバメ | 「わたしはツバメ、わたしはツバメ」 |
| ヘビのサタ | 「わたしは毎日死に、毎日生まれ、若がえる」 |
1. 金のハヤブサ
- 「金のハヤブサへの変身の章」で、ヌはこう語ります。「わたしはのぼった。卵から出る力強い金のハヤブサのように、わたしはのぼった。背のはばが4キュビットで、翼が南のエメラルドのようなハヤブサのように、わたしは飛び、そしておりたつ」
- 「わたしは、ベンヌ鳥の頭をもつ美しい金のハヤブサのように、身をととのえた。ラーは毎日入ってきて、わたしのことばを聞く」
- そして、「聖なるセケト・ヘテプが、わたしの前にある。わたしはそこで食べ、……のぞむだけゆたかなものがある」と、死後の野のことも語っています
2. ハスの花
- 「ハスへの変身の章」です。「わたしは、ラーの鼻にある神のかがやきからわきでる、清らかなハスである。わたしは道をつくり、ホルスをさがしてついていく。わたしは、野から出てくる清らかな者である」
- べつのパピルス(パクレルのパピルス)では、ハスは「ネフェル・テムの神のしるし」とよばれています

メル美「太陽の神さまの鼻からわきでるハス」…。なんだかいいかおりがしそうだね。
3. ベンヌ鳥
- 「ベンヌ鳥への変身の章」です。「わたしは、形のないものから生まれた。ケペラ神のように生まれ、芽ぶくもののように芽ぶいた。……わたしは、すべての神々の芽である」
- この章のさいごには、「この章を知っていれば、死者は死後、清らかに昼に出ていき、心ののぞむどんな変身もできる」という説明がついています
4. ツバメとヘビ
- 「ツバメへの変身の章」は、こうはじまります。「わたしはツバメ、わたしはツバメ。わたしはサソリ、ラーの娘」
- 死者はさらに語ります。「わたしは裁きをうけ、ふさわしい者として出てきた。……わたしは罪をとりさり、あやまちをすて、地上でわたしの手足にあった悪をほろぼした」
- 「ヘビのサタへの変身の章」は、とても短い章です。「わたしは、年をかさねたヘビのサタ。わたしは毎日死に、毎日生まれる。わたしは地のいちばん果てにすむヘビのサタ。わたしは死に、生まれ、自分をあらたにし、毎日若がえる」

プレ男毎日死んで、毎日生まれて、毎日若がえる…。脱皮するヘビを見て、そう思ったのかな。

バッジ訳の『死者の書』では、ヌは「わたしはヘビのサタ。毎日死に、毎日生まれ、自分をあらたにし、毎日若がえる」と語っています。
まとめ
- 『死者の書』には、死者が死後の世界で姿を変えるための「変身の章」がある
- 金のハヤブサ、ハスの花、ベンヌ鳥、ツバメ、ヘビのサタなどに変わることばがならぶ
- ベンヌ鳥の章を知る者は、死後、清らかに昼に出ていき、のぞむ変身ができると書かれている
- 多くの章は、大英博物館のヌのパピルスからバッジが訳したもの
- 死後の世界の葦の野、冥界の王オシリス、灰からよみがえるとされる鳥フェニックスもどうぞ
参考文献
- E. A. Wallis Budge(英訳). The Book of the Dead, According to the Theban Recension(「金のハヤブサ」「ハス」「ベンヌ鳥」「ツバメ」「ヘビのサタ」などへの変身の章). In: Epiphanius Wilson(編). Egyptian Literature. Project Gutenberg. https://www.gutenberg.org/ebooks/28282 (閲覧日:2026年10月12日)
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