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プレ男ギルガメシュって、ゲームだと最強の王さまキャラだよね。もとの話でも最強なの?

メル美強いけど、親友をなくして泣きながら旅をする話なんだって。
こんにちは、Dr. Taro です。 神さまと英雄の解説、今回はメソポタミアのギルガメシュです。大英博物館のE.A.ウォリス・バッジ『バビロニアの洪水伝説』(1920年、プロジェクト・グーテンベルク)にある、12枚の粘土板のまとめと英訳を読みました。物語の全体の流れはメソポタミア神話の入門へ。
プロフィール
| 立場 | ウルク(エレク)の王 |
| 体 | 「神々の肉」でできていて、「3分の2は神、3分の1は人間」 |
| 母 | 女神ニンスンナ |
| 親友 | 野人エンキドゥ |
| したこと | ウルクの城壁とエアンナの神殿を築いた。杉の森の番人フンババと天の牛をたおした。不死を求めて世界の果てへ旅をした |
| 物語 | 『ギルガメシュ叙事詩』12枚の粘土板。最初の言葉から「すべてを見た人」とよばれた |
- バッジによると、ニップルから出た粘土板には、ギルガメシュはウルクを治めたシュメールの王たちの5代目で、126年治めたと書かれています
1. 「すべてを見た人」
第1の粘土板は、ギルガメシュをこう紹介します。
- すべてを見て、すべてを学び、すべてを理解し、知恵のかくされたところまでさぐった。大洪水の前におきたことの歴史も知っていた
- 遠く海や陸を旅して大きなことをなしとげ、自分のしたこと、苦しんだことを石の板にきざんだ
- でも王としては、人びとを働かせすぎました。人びとは神々に「王をおさえる者を作ってください」とたのみます
2. 野人エンキドゥと、とっくみあいの友情
- 女神アルルは、手を洗い、粘土をとってつばをかけ、天の神アヌに似た男を作りました。体じゅう毛におおわれ、髪は女性のように長いエンキドゥです
- エンキドゥは森で、ガゼルのように草を食べ、野牛といっしょに水を飲み、けものたちの仲間でした。猟師のわなをこわして、けものを逃がしてもいました
- ギルガメシュは、エンキドゥが来ることを2つの夢で知り、母ニンスンナに話していました
- 町に来たエンキドゥは、パンを食べ、ビールを飲み、服を着ることを覚えます。2人ははげしいとっくみあいをし、そのあと、無二の親友になりました

プレ男本気でケンカしたら親友になった…少年マンガみたい!
3. 杉の森の番人フンババ
- 母ニンスンナは、太陽神シャマシュに「どうして、わたしの息子に、じっとしていられない心をあたえたのですか」と問いかけます
- それでもギルガメシュはエンキドゥと、杉の森へ出発しました。杉の森は神ベールがまもり、番人のフンババ(バッジの表記ではクンババ)は、「声は嵐のうなりのよう、息は大風のよう」でした
- 森の深さにおそれたエンキドゥは、ギルガメシュを引きとめようとしますが、聞きいれられません。エンキドゥが見た夢を、ギルガメシュは「勝つしるし」と読みときました
- 粘土板がこわれていて、くわしい戦いのようすはわかりませんが、2人はフンババに勝ち、ウルクに凱旋しました

「悪霊フンババの顔の浮き彫り板」紀元前2000〜1600年ごろ、古バビロニア。焼きもの。メトロポリタン美術館所蔵(パブリックドメイン)
4. イシュタルの求婚と、天の牛
- 武具を洗い、髪をととのえ、冠をかぶったギルガメシュを見て、女神イシュタルが「わたしの恋人になりなさい」と言います
- ギルガメシュは長い言葉でことわり、イシュタルに愛された者たちが、みなひどい目にあったことをならべて、「わたしも、あの者たちと同じようにあつかうつもりか」と言いました
- 怒ったイシュタルは、父である天の神アヌに、天の牛を作らせ、ウルクに送ります。牛は多くの人を殺しました
- エンキドゥが牛のしっぽをつかみ、ギルガメシュが首と角のあいだに一撃を入れて、2人で天の牛をたおしました
5. エンキドゥの死
- そのあと、エンキドゥは病気になり、10日ねこんで、12日目に死んでしまいます
- ギルガメシュは、信じられず、ねむっているのだと思いました。そしてよびかけます
- 「これは、どんなねむりなのだ。おまえは、ぼんやりと見つめるばかりで、わたしの声が聞こえない」
- ギルガメシュは、エンキドゥを「荒野のヒョウ」とよび、いっしょに山で狩りをしたこと、天の牛やフンババをたおしたことを語って、なげきました。のちに、「6日6晩、葬らせずに泣いた」とも語っています

メル美いちばんの友だちをなくして、受けいれられなかったんだね…。
6. 「わたしも死ぬのか」——世界の果てへ
- ギルガメシュは国をさまよいながら考えます。「わたしも死ぬのだ。エンキドゥのようになるのではないか。悲しみが心に入りこんだ。死がこわくて、国をさまよう」
- 祖先のウトナピシュティムが神々から不死をあたえられたことを思い出し、その住まいを目指します
- 海辺の女神シドゥリ(サビトゥ)に道をたずねると、「ギルガメシュよ、海をわたる道はない。むかしから、わたれた者はいない。わたったのは太陽神シャマシュだけ。その先には『死の水』がある」と言われます
- ギルガメシュは、ウトナピシュティムの船頭ウルシャナビに会い、言われたとおり長さ60キュビットの棹を何本も切り出して、1か月と15日の船旅のすえ、死の水をこえました
- ウトナピシュティムは、地上には永遠に続くものはなく、人の死と生は運命の神が決めていて、だれも死の日を知ることも、死からのがれることもできない、と語りました。そして、自分が生きのびた大洪水の話をします
7. ねむらずにいられるか、若がえりの草
- ウトナピシュティムは「6日と7晩、ねむらずにいてごらん」と言いますが、ギルガメシュはすわったとたんに、ねむりこんでしまいます。妻が毎日パンを1つずつおき、7日目にゆりおこされました
- 帰りぎわ、ウトナピシュティムは海の底の草を教えます。名前は「老人が若がえる」。ギルガメシュは足に重い石をつけて海にもぐり、草を手に入れました
- 「これを食べて、失った若さを取りもどそう」。でも帰り道、つめたい泉で水あびをしているあいだに、ヘビがにおいをかぎつけて、草をのみこんでしまいます
- ギルガメシュはすわりこんで泣き、苦労がむだになったことをなげきました
8. 城壁を見よ
- ウルクにもどったギルガメシュは、船頭ウルシャナビに、城壁にのぼって、土台から胸壁まで、れんがをたしかめてごらんと言います。自分がいないあいだにも、計画どおりに築かれたかを見るためでした
- 第12の粘土板では、ギルガメシュは死者の国のことを知ろうとして、神々にたのみ、エンキドゥの霊を「風のひと吹きのように」地上によび出してもらいます。でも、くわしいことは聞けなかった、とバッジはまとめています

不死の草を失ったギルガメシュは、ウルクにもどると、自分が築いた城壁をたしかめるように船頭に言っています。
まとめ
- ギルガメシュはウルクの王。「3分の2は神、3分の1は人間」
- 粘土から作られた野人エンキドゥと、とっくみあいのあと親友に
- 2人で杉の森のフンババと、イシュタルが送った天の牛をたおした
- エンキドゥの死に「これは、どんなねむりだ」となげき、死をおそれてウトナピシュティムをたずねる
- ねむらずにいることにも失敗し、若がえりの草はヘビにとられた。最後は、自分が築いたウルクの城壁へ
- 物語の全体はメソポタミア神話の入門へ。12の功業の英雄ヘラクレス、死者の国へ妻をむかえに行ったオルペウスとも読みくらべてみてください
参考文献
- E.A. Wallis Budge. The Babylonian Story of the Deluge as Told by Assyrian Tablets from Nineveh(1920年7月24日の序). The Epic of Gilgamish(The First–Twelfth Tablets). Project Gutenberg. https://www.gutenberg.org/ebooks/7096 (閲覧日:2026年10月7日)
- メトロポリタン美術館. Plaque with face of the demon Humbaba, Old Babylonian, ca. 2000–1600 BCE(55.162.1、パブリックドメイン). https://www.metmuseum.org/art/collection/search/324480 (閲覧日:2026年10月7日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。



