
プレ男北欧の神さまたちって、どんな家にすんでいたの?

メル美オーディンが「グリームニル」と名のって、神さまたちの館をひとつずつ紹介する詩があるんだって。銀の屋根や金の柱の館もあるの。
こんにちは、Dr. Taro です。 神話の解説、今回は北欧神話の神々の12の館です。ヘンリー・アダムズ・ベローズ英訳『古エッダ』(プロジェクト・グーテンベルク)の「グリームニルの歌」の第4〜17節を読みました。この詩のはじまり(オーディンとフリッグのかけ)はフリッグへ。オーディンについてはオーディンへ。
プロフィール
| 番 | 館 | すむ神と、詩のことば |
|---|---|---|
| ― | スルーズヘイム | トール。神々がほろびる日まで、ここにすむ |
| 1 | ユーダリル | ウルが自分の館をたてたところ |
| 2 | アールヴヘイム | むかし、神々がフレイに「歯がためのおくりもの」としてあたえた |
| 3 | ヴァーラスキャールヴ | 神々が銀でふいた館。むかし、ある神が自分のためにたてた |
| 4 | セックヴァベック | 冷たい波がながれる。オーディンとサーガが、毎日金の杯で飲む |
| 5 | グラズヘイム | 金にかがやくヴァルハラがある。オーディンが毎日、戦いでたおれた者をえらぶ |
| 6 | スリュムヘイム | 巨人スィアチがすんでいた。いまは、その娘スカジがすむ |
| 7 | ブレイザブリク | バルドルの館。わざわいのない、美しい土地 |
| 8 | ヒミンビョルグ | ヘイムダル。天の見はり番が、よい蜜酒を飲む |
| 9 | フォールクヴァング | フレイヤが、館の席をだれがとるかを決める。たおれた者の半分をえらぶ |
| 10 | グリトニル | フォルセティ。柱は金、屋根は銀。あらそいをすべておさめる |
| 11 | ノーアトゥーン | ニョルズ。罪のない人々の王が、高い神殿にすわる |
| ― | ヴィーズィ | ヴィーザルの土地。木と、高い草がしげる |
1. 火のあいだのグリームニル
- 「グリームニルの歌」は、王ゲイルロズに、2つの火のあいだにすわらされた旅人「グリームニル」(じつはオーディン)が語る詩です。前書きの話はフリッグの記事でくわしく紹介しています
- グリームニルは、神々とエルフの近くにある「聖なる土地」から語りはじめます。「トールは、神々がほろびるときまで、スルーズヘイムにすむ」
2. ウルとフレイと銀の館
- 「ユーダリルとよばれるところに、ウルは自分の館をたてた。アールヴヘイムは、むかし、神々がフレイに歯がためのおくりものとしてあたえた」
- 「3つめのすまいは、やさしい神々の手で銀にふかれている。ヴァーラスキャールヴという。むかし、ある神が自分のためにたてた」
- 「4つめはセックヴァベック。冷たい波がながれ、そのざわめきの中にたっている。そこでは、オーディンとサーガが、毎日よろこんで金の杯から飲む」

メル美波の音がきこえる館で、毎日金の杯でお茶…じゃなくて飲みもの。すてきなすまいだね。
3. ヴァルハラ
- 「5つめはグラズヘイム。そこには、金にかがやくヴァルハラが広くたっている。オーディンは毎日、そこで、戦いでたおれた者たちをえらぶ」
- 「オーディンのもとに来て館を見れば、すぐにわかる。たる木は槍、屋根は盾でふかれている」
4. スカジとバルドルとヘイムダル
- 「6つめはスリュムヘイム。ふしぎな力の巨人スィアチがすんでいた。いまは、神の美しい花嫁スカジが、父の家にすんでいる」
- 「7つめはブレイザブリク。バルドルが自分のすまいをたてた。わたしの知る、その美しい土地には、わざわいの運命がない」
- 「8つめはヒミンビョルグ。ヘイムダルが人々をおさめているという。天の見はり番は、よくできた家で、よい蜜酒をよろこんで飲む」
5. フレイヤ、フォルセティ、ニョルズ
- 「9つめはフォールクヴァング。フレイヤが、館の席をだれがとるかを決める。たおれた者の半分を、毎日フレイヤがえらび、半分をオーディンがえらぶ」
- 「10めはグリトニル。柱は金で、屋根は銀。フォルセティは、ほとんどの日をそこですごし、あらゆるあらそいをおさめる」
- 「11めはノーアトゥーン。ニョルズが自分のすまいをたてた。罪のない人々の王が、高く木をくんだ神殿にすわる」
- 「木と高い草でみちているのが、ヴィーザルの土地ヴィーズィ」

プレ男あらそいをおさめる神さまの館は、金の柱に銀の屋根。いちばん平和そうな館だね。

ベローズ訳の「グリームニルの歌」では、「10めはグリトニル。柱は金で、屋根は銀。フォルセティは、ほとんどの日をそこですごし、あらゆるあらそいをおさめる」と歌われています。
まとめ
- 「グリームニルの歌」では、火のあいだにすわらされたオーディンが、神々の館を1つずつ語る
- トールのスルーズヘイム、フレイのアールヴヘイム、銀の屋根のヴァーラスキャールヴ、オーディンとサーガのセックヴァベック
- 金のヴァルハラのあるグラズヘイム、バルドルのブレイザブリク、ヘイムダルのヒミンビョルグ、フレイヤのフォールクヴァング
- 金の柱と銀の屋根のグリトニルではフォルセティがあらそいをおさめ、ノーアトゥーンにはニョルズがすむ
- この詩のはじまりのフリッグ、館を語ったオーディン、世界をささえる木ユグドラシルもどうぞ
参考文献
- Henry Adams Bellows(英訳). The Poetic Edda. “Grimnismol: The Ballad of Grimnir”, stanzas 4–17. Project Gutenberg. https://www.gutenberg.org/ebooks/73533 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。



