
プレ男お父さんの神さまが、子どもをおいてにげたの!? それはおこるよね…。

メル美子どもがおこって風と波をおこしたら、舟の荷物があちこちに落ちて、それがみんな丘の名前になったんだって。
こんにちは、Dr. Taro です。 神話の解説、今回は日本の『播磨国風土記』の十四の丘と火明命です。『播磨国風土記』の原文(ウィキソース「古風土記/播磨國風土記」)の飾磨郡の条を読みました。同じ風土記の話は播磨の国争いへ。『古事記』で「オホアナムチの神」ともよばれる神の物語は大国主へ。人の名や地名には、原文にない読みがなはつけていません。
プロフィール
| 大汝命 | 父神。妻は弩都比売 |
| 火明命 | 大汝命の子。「心も行いもたいそう強かった」 |
| 因達の神山 | 父神が、子に水をくみに行かせたところ |
| 十四の丘 | 舟がこわれ、荷が落ちたところについた、14の丘の名 |
| 瞋塩・苦斉 | 父神が妻に「ひどい目にあった」と言ったことからついた名 |
1. 気のあらい子
- 大汝命の子火明命は、心も行いも、たいそう強い神でした。父神はそれを心配して、子をおいてにげようと考えました
- 父神は因達の神山に着くと、子に水をくみに行かせ、子がもどる前に、舟を出してにげてしまいました
2. おこった火明命
- 水をくんでもどってきた火明命は、舟が出ていったのを見て、たいそうおこり、うらみました
- 火明命は風と波をおこして、父の舟を追いかけました。父神の舟は進めなくなり、とうとううちこわされてしまいました

メル美置いていかれて、さびしくて、くやしかったのかな…。火明命の気持ちも、わかる気がする。
3. 14の丘
舟がこわれて、のっていたものが落ちたところが、それぞれ丘の名になりました。
- 舟のこわれたところは「船丘」、波のところは「波丘」
- 琴が落ちたところは「琴神丘」、箱が落ちたところは「箱丘」、くしげ(くしの箱)が落ちたところは「匣丘」
- 箕が落ちたところは「箕形丘」、甕が落ちたところは「甕丘」、稲が落ちたところは「稲牟礼丘」、かぶとが落ちたところは「胄丘」
- 沈石が落ちたところは「沈石丘」、綱が落ちたところは「藤丘」、鹿が落ちたところは「鹿丘」、犬が落ちたところは「犬丘」、蚕が落ちたところは「日女道丘」

プレ男琴も箱も、鹿も犬も蚕ものっていたんだ! 引っ越しみたいな大荷物だったんだね。
4. 「ひどい目にあった」
- そのとき、大汝神は妻の弩都比売に言いました。「悪い子からのがれようとして、かえって風と波にあい、ひどく苦しい目にあったことよ」
- それで、そこを「瞋塩」といい、「苦斉」というのだ、と風土記は書いています

『播磨国風土記』では、置いていかれた火明命が風と波をおこして父神の舟をこわし、琴の落ちたところは琴神丘、箱の落ちたところは箱丘になった、と伝えています。
まとめ
- 父神大汝命は、気のあらい子火明命に水をくみに行かせたすきに、舟でにげだした
- もどった火明命はおこって風と波をおこし、父神の舟をうちこわした
- 舟の荷が落ちたところが、船丘・波丘・琴神丘・箱丘・匣丘・箕形丘・甕丘・稲牟礼丘・胄丘・沈石丘・藤丘・鹿丘・犬丘・日女道丘の14の丘になった
- 父神は「ひどい目にあった」となげき、そこは「瞋塩」「苦斉」とよばれた
- 同じ風土記の播磨の国争い、『古事記』の大国主、出雲の国引きもどうぞ
参考文献
- 『播磨國風土記』(飾磨郡 十四丘の条). ウィキソース(古風土記/播磨國風土記). https://zh.wikisource.org/wiki/古風土記/播磨國風土記 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。

