
プレ男土地を綱で引っぱってくる!? 綱引きみたい!

メル美『出雲国風土記』には、神さまが海の向こうの土地を引きよせて、出雲を大きくした話があるんだって。
こんにちは、Dr. Taro です。 神話の解説、今回は日本神話の国引きです。『出雲国風土記』の原文(ウィキソースの「古風土記/出雲國風土記」)から、意宇郡の名のいわれの部分を読みました。出雲の神については大国主やスサノオへ。日本神話の全体は日本神話の入門へ。
プロフィール
| 神 | 八束水臣津野命 |
| きっかけ | 「出雲の国は、せまい布のような、若い国だ」 |
| 道具 | 鋤(すき)と、三つよりの綱 |
| かけ声 | 「国来、国来」 |
| 引いてきた土地 | 4か所の岬から。引いた土地は、支豆支の御埼、狭田の国、闇見の国、三穂の埼になった |
| 杭と綱 | 杭は佐比売山と火神岳に、綱は薗の長浜と夜見嶋になった |
| 名のいわれ | さいごに「おゑ」と言ったので「意宇」 |
1. せまくて若い国
- 『出雲国風土記』は、意宇郡の名のいわれを、こう書きはじめます。「国引きをなさった八束水臣津野命がおおせになった。『八雲立つ出雲の国は、せまい布のような若い国だなあ。はじめの国を小さくつくってしまった。だから、ぬいつけてつくろう』」
- 『出雲国風土記』のはじめには、「出雲」という名も、この神が「八雲立つ」とおおせになったことから「八雲立つ出雲」というのだ、と書かれています
2. 「国来、国来」
- 神は、海の向こうの「志羅紀の三埼」をながめて、「国のあまりはないかと見れば、国のあまりがある」とおおせになりました
- そして、鋤を手にとり、大きな魚のえらをつきわけるように土地を切りはなし、三つよりの綱をかけて、たぐりよせました
- 「河船の毛曾呂毛曾呂に、国来、国来と引き来縫える国は」(原文は「河船之毛曾吕毛曾吕尒、國來國來引來縫國者」)——川船をゆっくりゆっくり引くように、「国来、国来」と引きよせて、ぬいつけた土地は、支豆支の御埼になりました
- そのとき、綱をつなぎとめるために、かたく立てた杭は、石見の国と出雲の国のさかいにある佐比売山、そして、もっていた引き綱は、薗の長浜になったといいます

メル美綱をとめた杭が山に、引き綱が長い浜に…! 景色そのものが、神さまの道具だったんだ。
3. 4か所から引いた土地
神は、同じように、4か所から国を引いてきました。
| あまりのあった岬 | ぬいつけてできた土地 |
|---|---|
| 志羅紀の三埼 | 支豆支の御埼 |
| 北門の佐伎の国 | 狭田の国 |
| 北門の良波の国 | 闇見の国 |
| 高志の都都の三埼 | 三穂の埼 |
- さいごの、高志の都都の三埼から引いてきたときは、引き綱は夜見嶋になり、かたく立てた杭は、伯耆の国の火神岳になった、と書かれています

プレ男4回も「国来、国来」って引っぱったんだ! 神さまも、さすがにつかれただろうね。
4. 「おゑ」
- 「『いまは、国は引きおえた』とおおせになって、意宇の社に御杖をつきたてて、『おゑ』とおおせになった。だから意宇という」
- 風土記は、その「意宇の社」は、郡家の東北のあたりの田の中にある、小高いところで、まわりは8歩ほど、その上に木がしげっている、と書きそえています

『出雲国風土記』では、八束水臣津野命は、出雲の国がせまいので、遠くの岬から土地を切りはなし、綱をかけて「国来、国来」と引きよせ、ぬいつけた、と書かれています。
まとめ
- 『出雲国風土記』の八束水臣津野命は、「出雲はせまく若い国だ。ぬいつけて大きくしよう」と考えた
- 海の向こうの岬のあまった土地を鋤で切りはなし、三つよりの綱をかけて「国来、国来」と引きよせた
- 4か所から土地を引き、杭は佐比売山と火神岳に、綱は薗の長浜と夜見嶋になった
- さいごに杖をつきたてて「おゑ」と言ったので、その地を「意宇」という
- 同じ風土記の出雲国風土記の大穴持命、出雲の神大国主、出雲にくだったスサノオ、日本神話の入門もどうぞ
参考文献
- 『出雲國風土記』(意宇郡の条ほか). ウィキソース(古風土記/出雲國風土記). https://zh.wikisource.org/wiki/古風土記/出雲國風土記 (閲覧日:2026年10月12日)
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