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プレ男アマテラスとかスサノオとか、名前は知ってるけど、日本神話って最初から最後まで、どんな話なの?

メル美『古事記』と『日本書紀』って、どうちがうのかも知りたいな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、日本神話の成り立ちと大まかなあらすじです。青空文庫の『古事記』(武田祐吉の現代語訳)の序文と本文、『日本書紀』巻第一と、『釈日本紀』が引く『続日本紀』の原文(ウィキソース)を読みました。
成り立ち1:『古事記』は712年
『古事記』のはじめには、書きとめた太安万侶(おおのやすまろ)が天皇にあてた序文がついています。
- 天武天皇は、「家々に伝わる帝紀(天皇の系譜)と本辞(むかしの言い伝え)は、もう真実とちがい、多くのいつわりが加わっていると聞く。いま正さなければ、何年もたたないうちに、もとの意味がなくなってしまう」と言いました
- そこで、稗田阿礼(ひえだのあれ)という人に、帝紀と本辞をよみならわせました。阿礼は28歳で、かしこく、「目で見たものは口でよみ伝え、耳で聞いたものはよくおぼえた」といいます
- でも、時代がうつり、まだ本にはなりませんでした
- そのあと元明天皇が、和銅4年9月18日、安万侶に「阿礼がよむ言い伝えを書きとめて献上せよ」と命じます
- 安万侶は、書き方に苦労したと書いています。漢字を「意味」で読むように書くと言葉が思いうかばず、「音」で読むように書くと、とても長くなる。そこで、1つの句の中に、音で読む字と意味で読む字をまぜて書いた、というのです
- そして、和銅5年(712年)正月28日に献上しました
『古事記』は上・中・下の3巻です。
| 巻 | 書かれていること |
|---|---|
| 上巻 | 天地のはじめの神アメノミナカヌシから、神武天皇の父ウガヤフキアエズまで(神々の時代) |
| 中巻 | 神武天皇から応神天皇まで |
| 下巻 | 仁徳天皇から推古天皇まで |
成り立ち2:『日本書紀』は720年
- 平安時代の注釈書『釈日本紀』は、歴史書『続日本紀』の巻第八を引いて、こう書いています
- 「養老4年5月。これより先、一品舎人親王、勅を奉りて日本紀を修す。是に至りて功成りて奏上す。紀30巻、系図1巻」
- つまり、天武天皇の子の舎人親王(とねりしんのう)たちが、天皇の命令でまとめ、養老4年(720年)5月に、30巻と系図1巻で完成を報告しました(系図の巻は、いまは伝わっていません)
2つの本のちがい
| 古事記 | 日本書紀 | |
|---|---|---|
| できた年 | 712年 | 720年 |
| 長さ | 3巻 | 30巻(+系図1巻) |
| 文章 | 音と意味の字をまぜた、日本語を書きあらわす工夫をした文 | 漢文 |
| 最初の神 | アメノミナカヌシ | 国常立尊(クニノトコタチ) |
| ちがう言い伝え | 1本の話にまとめる | 本文のあとに「一書に曰く(ある書によると)」として、別の言い伝えを並べる。巻第一だけで43回出てくる |
- 『日本書紀』巻第一は、「古(いにしえ)に天地(あめつち)いまだ剖(わか)れず、陰陽(めを)分かれざりしとき、渾沌(まろか)れたること鶏子(とりのこ)のごとく」(むかし、天と地がまだ分かれず、たまごの中みのように、まざりあっていた)で始まります
- すんだ軽いものがうすくたなびいて天になり、重くにごったものがとどまって地になった、と書きます

プレ男『日本書紀』は「別のバージョンもあります」って、ちゃんと並べてるんだ!
ここからは、『古事記』の上巻にそって、あらすじを追います。
あらすじ1:天地のはじめと、国生み
- 天と地がはじめて分かれたとき、天(高天原)にあらわれたのがアメノミナカヌシ、タカミムスビ、カムムスビの3柱。国はまだ若く、水にうかんだあぶらのよう、クラゲのように、ふわふわただよっていました
- そのあと「神代七代(かみよななよ)」の神々が次々にあらわれ、最後がイザナギとイザナミです
- 2柱は天の神々から「このただよっている国を、ととのえて、しっかり作り固めよ」と言われ、矛で海をかきまわしてオノゴロ島をつくり、淡路島、四国などの島々と、海・風・木・山・野などの神々を生みます
- でも、イザナミは火の神を生んだために亡くなり、イザナギは妻を追って黄泉(よみ)の国へ。くわしくはイザナギとイザナミへ
あらすじ2:三貴子と、天の岩戸
- 黄泉の国からもどったイザナギが体を洗うと、左の目からアマテラス、右の目からツクヨミ、鼻からスサノオが生まれました
- イザナギは「いちばんしまいに、3人の貴い子を得た」とよろこび、アマテラスには天、ツクヨミには夜の世界、スサノオには海を治めるように言います
- ところがスサノオは治めず、泣きわめいて、天にのぼってらんぼうをはたらきます。アマテラスは天の岩戸にこもり、世界はまっ暗に。神々は、オモヒガネの神の知恵で、鳥を鳴かせ、鏡と勾玉をつくり、アメノウズメがおどって、アマテラスを外に出しました。くわしくはアマテラスへ

幸野楳嶺「天の岩戸からアマテラスを音楽でさそい出す」(対幅の右幅、部分)19世紀後半。絹本著色。メトロポリタン美術館所蔵(パブリックドメイン)
あらすじ3:ヤマタノオロチと、大国主の国づくり
- 天から追われたスサノオは、出雲の肥の河の上流におりて、ヤマタノオロチを退治し、その尾から草薙の剣を見つけます。くわしくはスサノオへ
- スサノオの子孫の大国主(オオクニヌシ)は、因幡の白兎を助け、兄たちのいじめやスサノオの試練をのりこえて、国づくりをします。くわしくは大国主へ
あらすじ4:国ゆずりと、天孫降臨
- アマテラスは、「葦原の水穂の国(地上の国)は、わたしの子が治める国だ」と言い、使いを送ります。何度かの失敗のあと、タケミカヅチが出雲のイザサの小浜で大国主と話しあい、大国主は国をゆずります
- そこで、アマテラスの孫のニニギが、天からおります(天孫降臨)。アマテラスは、岩戸のときの勾玉と鏡、そして草薙の剣を持たせ、「この鏡を、わたしの魂として祭りなさい」と言いました
- ニニギは、「筑紫の東方の高千穂の尊い峰」におりたちます(武田訳)
あらすじ5:海幸と山幸、そして神武天皇へ
- ニニギとコノハナサクヤヒメの子のホデリ(海幸彦)とホヲリ(山幸彦)の兄弟。弟が兄の釣り針をなくし、海の神の宮をたずねて、トヨタマ姫と結婚します
- その孫がカムヤマトイハレビコ(神武天皇)です。日向から東へ向かい、大和に入るまでの話から、『古事記』は中巻(天皇の時代)に入ります

メル美神さまの話が、そのまま天皇の話につながっていく作りなんだね。

『古事記』の序文によると、稗田阿礼は28歳で、目で見たものは口でよみ伝え、耳で聞いたものはよくおぼえる人だったそうです。
まとめ
- 『古事記』は、稗田阿礼がよみならった伝えを太安万侶が書きとめ、和銅5年(712年)に献上。3巻
- 『日本書紀』は、舎人親王たちがまとめ、養老4年(720年)に完成を報告。漢文で30巻、「一書に曰く」で別の言い伝えも並べる
- あらすじは、天地のはじめ→国生み→三貴子と天の岩戸→ヤマタノオロチ→大国主の国づくり→国ゆずり→天孫降臨→海幸山幸→神武天皇
- 神さまごとの話は、イザナギとイザナミ、アマテラス、スサノオ、大国主、ヤマトタケル、ツクヨミの記事もどうぞ。ほかの国の神話はギリシャ神話の入門、北欧神話の入門、中国神話の入門から
参考文献
- 稗田阿礼・太安万侶(武田祐吉訳). 古事記(現代語訳)序文・上巻(底本:古事記、角川文庫、1956年). 青空文庫. https://www.aozora.gr.jp/cards/001518/card51732.html (閲覧日:2026年10月6日)
- 日本書紀 巻第一(神代上). ウィキソース(中国語版). https://zh.wikisource.org/wiki/日本書紀/卷第一 (閲覧日:2026年10月6日)
- 釈日本紀 巻第一(開題。続日本紀 巻第八 養老4年5月条の引用). ウィキソース(中国語版). https://zh.wikisource.org/wiki/釋日本紀/卷001 (閲覧日:2026年10月6日)
- メトロポリタン美術館. Kōno Bairei, Luring the Sun Goddess Amaterasu Out of a Cave with Music; Death of the Historical Buddha, late 19th century(2015.300.210a, b、パブリックドメイン). https://www.metmuseum.org/art/collection/search/670889 (閲覧日:2026年10月6日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。



