
プレ男孔子が子どもに言いまかされた!? そんな話があるの?

メル美『列子』の湯問篇にあるんだって。世界のはてしない大きさや小ささを考えさせる話が、ほかにもいっぱいあるの。
こんにちは、Dr. Taro です。 神話の解説、今回は中国の『列子』湯問篇の大きいもの・小さいものです。思想書『列子』の湯問篇の原文(ウィキソース)を読みました。天がおちてくるのを心配した人の話は杞憂へ。同じ湯問篇の名人の修業は紀昌と造父へ。
プロフィール
| 話 | あらすじ |
|---|---|
| 2人の子どもと太陽 | 太陽は朝と昼のどちらが近いか。孔子は答えられなかった |
| 小さな人々 | 僬僥国の人は1尺5寸、東北のはての諍人は9寸 |
| 長い命の木 | 冥霊は500年を春・500年を秋とし、大椿は8000年を春・8000年を秋とする |
| 焦螟 | 蚊のまつげに群れてすむ、目にも見えない虫 |
| 詹何の釣り | まゆ1本の糸で、車いっぱいの大魚をつりあげた |
1. 太陽はいつ近い?
- 孔子が東へ旅をしたとき、2人の子どもが言いあらそっていました。わけをたずねると、ひとりは「太陽は、出たばかりのときは人に近く、昼には遠い」と言い、もうひとりは「出たばかりのときは遠く、昼には近い」と言いました
- ひとりめの子は言いました。「出たばかりの太陽は車のかさのように大きく、昼には皿ほどになる。遠いものは小さく、近いものは大きいのではないか」
- ふたりめの子は言いました。「出たばかりの太陽はひんやりつめたく、昼には湯に手を入れたように熱い。近いものは熱く、遠いものはつめたいのではないか」
- 孔子は決められませんでした。2人の子どもは笑って言いました。「だれが、あなたを物知りだと言ったの?」

メル美どっちの子の言うことも、なるほどって思っちゃう。孔子がこまったのも、わかる気がする!
2. 小さな人、長い命の木
- 「僬僥国の人は、背たけ1尺5寸。東北のはてには諍人という人がいて、背たけ9寸」
- 「荊の南に冥霊という木があり、500年を春とし、500年を秋とする。大むかし、大椿という木があり、8000年を春とし、8000年を秋とした」
- 「くさった土の上には、朝に生まれて、夕方には死ぬキノコがある」——大きいもの、長いものだけでなく、小さいもの、短いものもならべられています
3. 蚊のまつげの虫
- 「川べりに、焦螟という小さな虫がいる。群れでとんで蚊のまつげにとまるが、たがいにぶつからない。すみかにして行き来しても、蚊は気づかない」
- 目のよい離朱や子羽が、昼に目をこすり、まゆをあげてながめても、その形は見えず、耳のよい師曠たちが、夜に耳をすませても、その音は聞こえませんでした
- ただ、黄帝と容成子が、空峒の山の上で3か月心をととのえ、しずかに心の目で見ると、嵩山の山すそのように大きく見え、気で聞くと、雷のような音が聞こえた、と語られます

プレ男蚊のまつげの上に、虫の町があるみたい! 心の目で見ると、山みたいに大きく見えるんだね。
4. 詹何の釣り
- 詹何は、まゆ1本の糸をつり糸に、のぎのような細い針をつり針に、いばらの細い枝をさおに、米つぶを割ったものをえさにして、百仞(じん)の深いふちの急な流れから、車いっぱいの大きな魚をつりあげました。糸は切れず、針はのびず、さおもしなりませんでした
- ふしぎに思った楚の王がわけをたずねると、詹何は答えました。「弓の名人蒲且子は、弱い弓と細い糸で、雲の上の2羽の鳥をつづけて射おとしたといいます。心をひとつにし、手のうごきがひとしかったからです。わたしはそれをまねて釣りを学び、5年でわざをきわめました」
- 「川にのぞんでさおをもつとき、心に雑念はなく、魚のことだけを思います。糸を投げ、針をしずめるとき、手に重い軽いのむらがありません。だから、弱いもので強いものを、軽いもので重いものをひきよせられるのです」
- そして「大王が国をおさめるときも、このようにすれば、天下をにぎりこぶしの中で動かせましょう」と言い、王は「よし」と答えました

『列子』湯問篇では、太陽は朝と昼のどちらが近いかを言いあらそう2人の子どもに、孔子は答えを決められなかった、と語られています。
まとめ
- 太陽は朝と昼のどちらが近いか。2人の子どものりくつに、孔子も答えられなかった
- 1尺5寸の人々、8000年を春とする大椿、朝生まれて夕方に死ぬキノコ
- 蚊のまつげに群れる虫焦螟は、心の目で見ると山のように大きい
- 詹何は、まゆ1本の糸で車いっぱいの魚をつり、「心をひとつに」することの大切さを説いた
- 天の心配をした杞憂、同じ湯問篇の紀昌と造父と五つの神山もどうぞ
参考文献
- 『列子』卷第五 湯問篇(孔子と2人の子どもの条、僬僥国・冥霊・大椿の条、焦螟の条、詹何の条). ウィキソース. https://zh.wikisource.org/wiki/列子/湯問篇 (閲覧日:2026年10月12日)
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