
メル美ギリシャ神話には、「季節がある理由」を説明する話があるんだって。

プレ男季節の理由?どんな話なの?
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、ギリシャ神話の女神ペルセポネです。『ホメロス風讃歌』第2歌「デメテル讃歌」(H.G.エヴリン=ホワイト訳、1914年)の英訳を、Perseusデジタル図書館で読みました。

「花嫁の寝台をととのえるペルセポネの奉納板(ピナクス)」紀元前490〜450年ごろ、南イタリアのロクリ・エピゼピュリイ。テラコッタ。クリーブランド美術館所蔵(CC0)。美術館の解説では、ロクリでペルセポネ(コレー)にささげられた奉納板のひとつ
プロフィール
| 名前 | ペルセポネ |
| 母 | 実りの女神デメテル(英訳では Deo とも) |
| 父 | ゼウス |
| 夫 | 冥界の王ハデス(英訳では Aidoneus、「多くの者の主」) |
| 出典 | 『ホメロス風讃歌』第2歌「デメテル讃歌」 |
花畑で連れ去られる
- ペルセポネは、オケアノスの娘たちと、やわらかな野原で花をつんでいました。バラ、クロッカス、スミレ、アヤメ、ヒヤシンス、そしてスイセン
- そのスイセンは、ゼウスの意思で、ハデスをよろこばせるために、大地がペルセポネのわなとして咲かせた花でした。1本の根から100の花が咲き、とてもよい香りで、天も地も海もよろこびにわきました
- ペルセポネが両手でその花をとろうとすると、大地がさけ、不死の馬に乗ったハデスがあらわれて、いやがるペルセポネを金の車に乗せて連れ去りました
- ペルセポネは父ゼウスをよんで叫びましたが、その声を聞いたのは、洞窟のヘカテと、太陽の神ヘリオスだけでした
たいまつを手に、9日間
- ペルセポネの声は、母デメテルの耳にとどきます。でも、だれも本当のことを教えてくれません
- デメテルは9日間、燃えるたいまつを手に、大地をさまよいます。悲しみのあまり、神々の食べものアンブロシアも飲みものネクタルも口にせず、体を水で洗うこともしませんでした
- 10日目、ヘカテがたいまつを手にあらわれ、いっしょに太陽の神ヘリオスのところへ行きます。すべてを見ているヘリオスが、「ゼウスが、ハデスの妻にとあたえたのだ」と教えました

プレ男お父さんが勝手に決めてたなんて…。お母さん、怒るよね。
実りのない、おそろしい1年
- デメテルは神々からはなれ、人間の姿でエレウシスの町へ行きます。王ケレオスの館で、王子デモポンのうばとして暮らしますが、正体を知られてしまいます
- デメテルは、エレウシスに自分の神殿を建てさせ、そこにこもって、ペルセポネを思いつづけました
- そして、「人間にとって、もっともおそろしく、残酷な1年」をもたらします。大地は種を芽吹かせず、牛がすきを引いても、白い大麦をまいても、むだでした
- このままでは人間がほろび、神々にささげものをする者もいなくなるところでした
ザクロの種
- ゼウスは、ヘルメスを冥界に送り、ペルセポネを母のもとへ帰すようハデスに命じます
- ペルセポネはよろこんで飛びあがりますが、ハデスはこっそりザクロの種を食べさせました。ペルセポネが、いつまでも母のもとにいることがないように
- 母と再会したデメテルは、すぐにたずねます。「冥界で、何か食べなかった?食べていなければ、ずっといっしょにいられる。食べていたら、1年の季節の3分の1は、地下にもどって暮らさなければならない」
- ペルセポネは答えます。「ハデスがこっそり、甘いザクロの種を口に入れ、むりに食べさせたのです」

メル美たった1粒のザクロの種で…!
3分の1は冥界、春になると地上へ
- ゼウスは、ペルセポネが「めぐる1年の3分の1は暗やみの下へ、3分の2は母とほかの神々とともに」暮らすことに決めました
- デメテルは、「大地が春のあらゆる香りの花で咲くとき、あなたは暗やみの国から、ふたたびのぼってきて、神々と人間のおどろきとなる」と言います
- デメテルは大地にふたたび実りをもたらし、エレウシスの人々に、自分の秘儀を教えました。讃歌は、「この秘儀を見た人は幸せだ」と歌っています

「デメテル讃歌」によると、ペルセポネは冥界でザクロの種を食べたため、1年の3分の1は冥界で、3分の2は母のもとで暮らすことになりました。
まとめ
- ペルセポネは、デメテルとゼウスの娘。花をつんでいて、冥界の王ハデスに連れ去られた
- 母デメテルは9日間たいまつを手にさがし、悲しみと怒りで、大地に実りがなくなった
- ハデスはこっそりザクロの種を食べさせていた
- ペルセポネは、1年の3分の1は冥界、3分の2は地上で暮らすことに。春の花が咲くころ、地上へもどってくる
- 冥界に妻をむかえに行った話はオルペウスとエウリュディケ、冥界の番犬はケルベロス、ギリシャ神話の英雄はペルセウス、ヘラクレスもどうぞ
参考文献
- Homeric Hymn 2 to Demeter(英訳:Hugh G. Evelyn-White、1914年). Perseus Digital Library. https://www.perseus.tufts.edu/hopper/text?doc=Perseus:text:1999.01.0138:hymn=2 (閲覧日:2026年10月5日)
- The Cleveland Museum of Art. Votive Plaque (Pinax) with Persephone Making her Bridal Bed, c. 490–450 BCE(2023.103、CC0). https://clevelandart.org/art/2023.103 (閲覧日:2026年10月9日)
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