
プレ男犬が竜になったり、人が鶴になったり…。中国の昔話って、変身が多いんだね。

メル美『捜神記』の第14巻には、そんな話がまとめてのっているんだって。短いけど、ふしぎで心にのこる話ばかりなの。
こんにちは、Dr. Taro です。 神話の解説、今回は中国の『捜神記』の変身の話です。干宝がまとめた怪異の本『捜神記』第14巻の原文(ウィキソース)を読みました。同じ第14巻の話は馬と娘と蚕のはじまりへ。同じ『捜神記』の話は紫玉と韓重と動物の恩返しへ。
プロフィール
| 話 | あらすじ |
|---|---|
| 徐の君と犬の鵠蒼 | 宮仕えの女性が生んだ卵を、犬がひろって帰ると、男の子が生まれた。犬はのちに黄色い竜だったとわかる |
| 蘭巖山の2羽の鶴 | 山にかくれすんだ夫婦が、数百年のちに2羽の鶴になった |
| 黄氏の母 | 湯あみのたらいの中で、スッポン(鼋)になった |
| 舌埵山の草 | 帝のむすめがなくなって、ふしぎな草になった |
1. 卵から生まれた君
- むかし、徐の国の宮仕えの女性がみごもり、卵を生みました。人々はえんぎがわるいと思い、卵を水辺にすててしまいました
- 鵠蒼という名の犬が、その卵をくわえて帰りました。すると卵から男の子が生まれ、のちに徐の国のあとつぎの君になりました
- やがて鵠蒼が死にそうになると、角が生え、9本の尾があらわれました。じつは、黄色い竜だったのです
- 鵠蒼は徐の里にほうむられ、その「犬の塚」がいまもある、と『捜神記』は書いています

メル美すてられた卵をひろってくれた犬が、本当は竜だったなんて! 赤ちゃんを守るために来てくれたのかな。
2. 蘭巖山の2羽の鶴
- 滎陽県の南100里あまりに、千丈もの高さにそびえる蘭巖山がありました。そこには、まっ白な羽の2羽の鶴がいて、朝も夕方も、影をならべてとびまわっていました
- 言いつたえでは、「むかし、ある夫婦がこの山にかくれすみ、数百年たって、2羽の鶴になり、いつまでも行き来している」といいます
- ところがある日、1羽が人にきずつけられていなくなり、のこった1羽は、毎年かなしげに鳴くようになりました。その声は、いまも岩や谷にひびいている、と書かれています
3. スッポンになった母
- 漢の霊帝のころ、江夏の黄氏の母が、たらいの水で湯あみをしたまま、長いあいだ出てきませんでした。のぞいてみると、母はスッポン(鼋)になっていました
- 召使いがおどろいて知らせに走り、家の人たちがかけつけると、スッポンは深い淵へ入っていきました
- そののちも、ときどき姿をあらわしました。湯あみのときにさしていた銀のかんざしが、まだ頭にあったといいます
- それで黄氏の家では、代々、スッポンの肉を食べなかった、と『捜神記』は語ります

プレ男頭に銀のかんざし…。姿はかわっても、お母さんだってわかるしるしがのこっていたんだね。
4. 草になった帝のむすめ
- 『捜神記』には、「舌埵山の帝のむすめがなくなって、ふしぎな草になった。その葉はよくしげり、花は黄色く、実はネナシカズラ(兎絲)のようだ」という話もあります

干宝の『捜神記』では、すてられた卵をひろって帰った犬の鵠蒼が、死にぎわに角と9本の尾をはやし、じつは黄色い竜だったとわかった、と語られています。
まとめ
- 犬の鵠蒼がひろった卵から生まれた男の子は、徐の国の君になり、鵠蒼は死にぎわに黄色い竜の姿をあらわした
- 蘭巖山の夫婦は、数百年のちに2羽の鶴になった。1羽をうしなった鶴は、いまも鳴いているという
- 湯あみをしていた黄氏の母はスッポンになり、黄氏の家では代々スッポンを食べなかった
- 舌埵山の帝のむすめは、黄色い花のさく草になった
- 同じ第14巻の馬と娘と蚕のはじまり、『捜神記』の紫玉と韓重と動物の恩返しもどうぞ
参考文献
- 干宝『搜神記』第十四卷(古徐國宮人の条、舌埵山の条、蘭巖山の条、江夏黃氏之母の条). ウィキソース. https://zh.wikisource.org/wiki/搜神記/第14卷 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
