
プレ男卵を食べたら羽が生える島!? 海のむこうには、どんな島があるんだろう。

メル美アイルランドの航海の物語なんだって。さいごの島では、ほかのお話の主人公たちにも会えるの。
こんにちは、Dr. Taro です。 神話の解説、今回はケルト神話(アイルランド)のタイグの航海です。グレゴリー夫人『神々と戦士たち』(1904年、プロジェクト・グーテンベルク)の第1部第4巻第14章「マナナーンの島々のタイグ」を読みました。この章で出会う人たちの物語はコンラとクリーナの波へ。
プロフィール
| タイグ | オリルの子キアンの子。マンスターの人 |
| さらわれた人 | 妻リバン、弟のアルネラハとエオガン、マンスターの多くの人々 |
| さらった者 | 南東の国フレセンの王カスマン |
| 舟 | 樹皮にひたしたかたい赤い革、牛の皮40枚をはった小舟(カラフ) |
| めぐった島 | 馬ほどのヒツジの島、卵を食べると羽が生える鳥の島、そして「世界で4つめの楽園」 |
| 楽園で出会った人 | 最初にアイルランドに来たというケサル、コンラと妖精の乙女、金髪のクリーナ |
1. さらわれた家族
- タイグが弟たちとマンスターの西をまわっていたとき、フレセンの王カスマンが9そうの船で海をあさりにきて、人々と家畜をとりかこみました
- タイグの妻リバンと2人の弟、マンスターの多くの人々が、フレセンの海岸へつれさられました。カスマンはリバンを自分の妻にし、弟のエオガンには渡し舟の仕事を、アルネラハにはたきぎ集めと火の番をさせ、大麦の種とにごった水しかあたえませんでした
- 剣をふるってのがれたタイグは、のこった40人の戦士とともに、長い航海にたえる小舟をつくらせました。牛の皮40枚をはり、1年分の食べものと飲みものと着るものをつみました
- 「海へ出よう。ずっとはなれている、わたしたちの家族をさがしに」
2. ふしぎな島々
- 陸が見えなくなると、見知らぬ鳥のむれの歌が聞こえ、サケがはね、アザラシやクジラが舟のあとをついてきました
- 20日20夜こぐと、なめらかな岸の高い島に着きました。島には人も動物もなく、馬ほども大きなヒツジのむれだけがいて、島じゅうがその毛でいっぱいでした。いちばん大きな9本の角のヒツジがおそってきましたが、タイグたちはこれをしりぞけ、ふしぎで美しい毛を舟につみこみました
- 次の2つの島には、ツグミのような鳥や、ワシやツルほども大きな、赤くて頭の緑の鳥がいて、青やまっ赤な卵を生んでいました。卵を食べた者には、すぐに羽が生えてきました。けれども、水あびをすると、羽はまたすぐにぬけおちました

メル美卵を食べて羽が生えて、水あびしたらぬけちゃうなんて! ちょっと見てみたい。
3. 嵐をこえて
- それまでは、つれてきた外国の男が道を知っていましたが、6週間たっても陸が見えず、男は「はてしない大海原で、まよってしまった」と言いました
- 風がするどい声をあげ、海が山のようにもりあがりました。タイグは「マンスターの若者たちよ、勇気をだせ。舟のわきにせまる波と、命をかけてたたかえ」とはげまし、舟の片がわをひとりでうけもって、ほかの29人と力をあわせ、舟をまもりました
- やがてよい風がふき、海はしずまって、さまざまな形のふしぎな鳥が、あたりで歌いました
4. 4つめの楽園
- たどりついた島は、川の底が銀のように光り、むらさき色のこずえの森がありました。ふしぎなことに、つかれや寒さのあとなのに、だれも食べものも火もほしくなりませんでした。深紅の枝のあまい香りだけで、満ちたりていたのです
- 赤いリンゴの庭、木の実でまっ黄色のハシバミ。タイグは「わたしたちの国は冬なのに、ここは夏だ」とおどろきました。人の頭より大きなむらさきの実を、白いからだに金のくちばしの鳥が食べ、病人もねむらせるほど美しく歌っていました
- はちみつの露のおりた野に、3つの丘があり、それぞれにとりでがありました。白い大理石の城の女性は、そこが歴代のアイルランドの王たちの城だと教えました
- 金色の城の女王は「わたしはケサル、アイルランドに最初に着いた者です」と名のり、「この島は、世界の4つめの楽園です」と言いました
5. コンラとクリーナ
- 3つめの丘には、金色の髪に緑の衣をまとった、若い2人がいました。若者は、食べても減らない金色のリンゴをもっていて、それを食べると年もとらず、悲しみもない、と語られています
- 若者は「百戦のコンの子だ」と名のり、タイグが「コンラか」とたずねると、「そうだ」と答えました。乙女は「この人に心をよせたので、ここへつれてきたのです。いつまでも見つめあっていられるように」と言いました
- 銀の城には、まだだれもいませんでした。乙女は「これからアイルランドをおさめる王たちのための城です。あなたの場所もあります」と言いました
- やがて美しい女性たちがやってきました。いちばん美しい人が名のりました。「わたしは金髪のクリーナ。巻き毛のキーヴァーンの恋人で、マンスターの海岸のクリーナの波は、わたしの名からつけられました」

プレ男波にさらわれたクリーナは、この島にいたんだ! コンラも、ちゃんと乙女といっしょだったんだね。
6. ふるさとへ
- クリーナは、道案内の3羽の鳥と、水を入れるとすぐにぶどう酒になる緑の杯をタイグにわたしました
- 舟にもどると、タイグたちは、島にいたのは1日だと思っていましたが、クリーナは「まる1年いたのです。そのあいだ、食べも飲みもしなかったのです」と言いました
- 仲間たちは「ずっとこうしてくらせたら」と言いましたが、タイグは「家族をさがしに行こう。この国をはなれるのはつらいが」と言いました
- 鳥たちにみちびかれてフレセンに着いたタイグは、カスマンをやぶりました。妻のリバンは、すぐにかけよってきました。タイグは、妻と2人の弟、たくさんの宝とともに、ぶじにアイルランドへ帰りました

グレゴリー夫人の本では、楽園の島で1日だと思っていたタイグたちに、クリーナは「まる1年いたのです。そのあいだ、食べも飲みもしなかったのです」と告げています。
まとめ
- タイグは、さらわれた妻リバンと弟たちをさがして、牛の皮40枚の小舟で海に出た
- 馬ほどのヒツジの島、卵を食べると羽が生える鳥の島をめぐり、嵐をこえた
- たどりついた「世界で4つめの楽園」で、コンラと妖精の乙女、金髪のクリーナに出会った
- 1日だと思った滞在は1年だった。タイグは鳥にみちびかれて家族をとりもどし、アイルランドへ帰った
- 楽園で再会できるコンラとクリーナの波、湖の中の国へ行ったロイガレもどうぞ
参考文献
- Lady Augusta Gregory. Gods and Fighting Men: The Story of the Tuatha de Danaan and of the Fianna of Ireland(1904年). Part One, Book Four, Chapter XIV(Tadg in Manannan’s Islands). Project Gutenberg. https://www.gutenberg.org/ebooks/14465 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
