
プレ男食べてもへらないリンゴ!? それだけで1か月すごせちゃうの?

メル美アイルランドの王子コンラが、ふしぎな女の人からもらったリンゴなんだって。そのあと、王子は海のかなたへ…。
こんにちは、Dr. Taro です。 神話の解説、今回はケルト(アイルランド)の赤髪のコンラです。グレゴリー夫人『神々と戦士たち』(1904年、プロジェクト・グーテンベルク)第1部第4巻第13章「コンラへのよびかけ」を読みました。グレゴリー夫人は、コンラをよんだのは海の神マナナーンの使いだったのだろう、と書いています。ケルト神話の全体はケルト神話の入門へ。
プロフィール
| コンラ | 「赤髪のコンラ」。タラの王コンの息子 |
| ふしぎな女 | 「生ける者の国(死のない国)」から来た女。シーの民 |
| 女の姿 | コンラにしか見えない。声はみんなに聞こえる |
| リンゴ | 1か月食べつづけても、小さくならない |
| さいご | かがやく船にとびのって、海のかなたへ |
1. 見えない女のさそい
- ある日、コンラは父のコン王といっしょに、ウシュネフの丘にいました。すると、ふしぎな服を着た女がやってきました
- 「どこから来たのですか」とたずねると、女は答えました。「わたしは、死の来ない『生ける者の国』から来ました。わたしたちは、つきることのない宴をし、あらそうことなく、あらゆるよいことをしています。わたしたちは、シーの民とよばれています」
- コン王が言いました。「だれと話しているのだ、むすこよ」。女の姿は、コンラにしか見えなかったのです
- 女は言いました。「わたしは、死も老いもけっして来ない者です。コンラを『喜びの野』へさそっているのです。そこで、悲しみもなく、とこしえに王になれるのです。……いっしょに来れば、あなたの体は、その若さと美しさから、とこしえにおとろえないでしょう」
2. ドルイドの呪文と、ひとつのリンゴ
- 女の言葉は、みんなに聞こえましたが、姿は見えません。コン王は、ドルイドのコランに言いました。「助けてくれ。わたしの知恵も力もおよばない攻撃だ。見えない者が、わたしの美しい息子をつれさろうとしている」
- コランは、女の声がだれにも聞こえなくなるように、呪文を歌いはじめました。コンラにも、女の姿は見えなくなりました
- ところが、呪文で追いはらわれるとき、女はコンラにリンゴを1つ投げました
- それから1か月のあいだ、コンラは、そのリンゴのほかには何も食べず、何も飲みませんでした。ほかの食べものは、食べる値うちがないと思ったからです。そして、いくら食べても、リンゴは小さくならず、いつも丸ごとのままでした

メル美リンゴだけを食べつづけるコンラ…。心はもう、あの女の人の国へ行ってしまっていたのかも。
3. かがやく船
- 1か月後、コンラが父のそばにいると、同じ女がまたやってきました。「ともに死にゆく人々の中で、コンラは高い地位にいますが、その前には死があります。けれども、とこしえに生きる者たちが、あなたをよんでいるのです」
- コン王が「ドルイドのコランをよべ」と言うと、女は言いました。「大いなる浜の、ふしぎな一族は、ドルイドなど気にかけません。その法がとどくところでは、ドルイドのくちびるの呪文もちってしまうのです」
- コン王は息子を見ました。コンラは言いました。「わたしの一族は、何よりも大切です。けれども、この女のことで、悲しみにとらわれてしまったのです」
- 女は歌いました。「わたしのかがやく船に、いまお乗りなさい。……日がしずんでいっても、夜になる前に、その国へ着くでしょう」
- 歌がおわると、コンラは一族のもとからとびだして、かがやく船にとびのりました。人々は、コンラが霧の中のように遠くへ遠くへ、目のとどくかぎり進んでいくのを見ました。「ふたりは海のかなたへ行き、二度ともどらなかった。どこへ行ったのかは、神々だけが知っている」と書かれています

プレ男一族が大切って言いながら、行ってしまったんだ…。のこされたお父さんは、どんな気持ちだったんだろう。

グレゴリー夫人の本では、コンラは女の投げたリンゴだけを1か月食べつづけ、そのリンゴは、いくら食べても小さくならなかった、と書かれています。
まとめ
- 王子赤髪のコンラの前に、「死のない国」から来た女があらわれた
- 女の姿はコンラにしか見えず、ドルイドの呪文で追いはらわれたが、リンゴを1つ投げていった
- コンラは1か月、へらないリンゴだけを食べつづけた
- ふたたびあらわれた女のかがやく船にとびのり、コンラは海のかなたへ去って、二度ともどらなかった
- 同じ本のコルマク王と真実の杯、海のかなたの国へ行った常若の国のオシーン、海の神マナナーンもどうぞ
参考文献
- Lady Augusta Gregory. Gods and Fighting Men: The Story of the Tuatha de Danaan and of the Fianna of Ireland(1904年). Part I, Book IV, Chapter XIII “His Call to Connla”. Project Gutenberg. https://www.gutenberg.org/ebooks/14465 (閲覧日:2026年10月12日)
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