
プレ男「ことば」の女神? ことばにも神さまがいるの?

メル美『リグ・ヴェーダ』では、ことばの女神ヴァーチュが「わたしは女王」って、自分で語る歌があるんだって。
こんにちは、Dr. Taro です。 神話の解説、今回はインド神話のことばの女神ヴァーチュです。インドの最古の聖典『リグ・ヴェーダ』第10巻125番の歌(ラルフ・T・H・グリフィス英訳、訳注を含む、インターネット・アーカイブ)を読みました。同じ第10巻の歌はほどこしの歌へ。インド神話の全体はインド神話の入門へ。
プロフィール
| 名前 | ヴァーチュ(英訳では Vāk、「ことば」「声」) |
| グリフィスの説明 | ことばを人の姿にしたもの。最初につくられたもので、人と神々をつなぐもの |
| ともに旅する神々 | ルドラたち、ヴァスたち、アーディティヤたち、すべての神々 |
| ささえる神々 | ヴァルナとミトラ、インドラとアグニ、アシュヴィン双神、ソーマなど |
| すみか | 「水の中、大海の中」 |
1. 神々とともに
- 歌は、ヴァーチュが自分で語るかたちです。「わたしは、ルドラたちやヴァスたちと旅をし、アーディティヤたちやすべての神々とさまよう」
- 「わたしは、ヴァルナとミトラ、インドラとアグニ、アシュヴィン双神を、高くささげもつ」
- 「わたしは、ソーマを大切にし、ささえる。ソーマをしぼり、ささげものをする熱心な者に、富をみたす」
2. わたしは女王
- 「わたしは女王。宝をあつめる者。もっとも思いぶかく、うやまわれるべき者の、いちばんめ」
- 「神々は、わたしを多くの場所におき、入ってすむための多くの家をあたえた」
- 「わたしによって、すべての者は、自分を養う食べものを食べる。見て、息をし、語られることばを聞く者は、みな。かれらは知らないが、わたしのそばにすんでいる。みな聞け、わたしの告げる真理を」

メル美「知らないけれど、みんな、わたしのそばにすんでいる」…。ことばがなかったら、何も伝えられないもんね。
3. 人を賢者にする
- 「わたしは、神々も人も、ともによろこぶことばを、自分で告げ、口にする」
- 「わたしは、愛する者を、とても力強くする。その人を、賢者に、聖仙に、バラモンにする」
- 「わたしは、ルドラのために弓をまげ、その矢が、祈りをにくむ者をうつように。人々のために戦いをおこし、ととのえる。わたしは、天と地にゆきわたった」
4. 天にひたいがとどく
- 「世界のいただきで、わたしは父を生む。わたしのすみかは、水の中、大海の中」
- 「そこから、わたしは、すべての生きものの上にひろがり、むこうの天にさえ、ひたいでふれる」
- 「わたしは、風や嵐のように強く息をし、すべての存在をひとつにたばねる。この広い大地をこえ、天をこえて、わたしはこれほど大きくなった」

プレ男ことばが、風みたいに世界じゅうにひろがって、みんなをつないでいる。そう思うと、ことばって大事にしなきゃね。

グリフィス訳の『リグ・ヴェーダ』では、ヴァーチュは「わたしは、風や嵐のように強く息をし、すべての存在をひとつにたばねる」と語っています。
まとめ
- ヴァーチュは、『リグ・ヴェーダ』のことばの女神。グリフィスは「ことばを人の姿にしたもの」で、人と神々をつなぐものと説明している
- ヴァーチュは、神々とともに旅をし、ヴァルナやインドラ、アグニなどの神々をささえる
- 「わたしは女王」「見て、息をし、ことばを聞く者は、みなわたしによって食べる」
- 愛する者を賢者や聖仙にし、風のようにすべての存在をひとつにたばねる
- 同じ第10巻のほどこしの歌、ヴァーチュがささえる火の神アグニ、インド神話の入門もどうぞ
参考文献
- Griffith, Ralph T.H.(英訳). The Hymns of the Rigveda, Vol. II. Book X, Hymn CXXV(訳注を含む). Internet Archive. https://archive.org/details/in.gov.ignca.16312 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。


