
プレ男太陽が10個、月が12個って、どういうこと!?

メル美『山海経』では、太陽にも月にも「お母さん」がいて、その子どもたちを水で洗っているんだって。
こんにちは、Dr. Taro です。 神話の解説、今回は中国の太陽の母・羲和(ぎか)と、月の母・常羲(じょうぎ)です。『山海経(せんがいきょう)』の大荒南経・大荒西経・大荒東経の原文(ウィキソース)を読みました。10の太陽のうち9つを射おとした弓の名人の話は羿と嫦娥へ。中国神話の全体は中国神話の入門へ。
プロフィール
| 羲和 | 常羲 | |
|---|---|---|
| だれの妻か | 帝俊(ていしゅん) | 帝俊 |
| 生んだもの | 10の太陽 | 12の月 |
| していること | 甘淵(かんえん)で太陽を洗う | 月を洗う |
| 出てくる篇 | 大荒南経 | 大荒西経 |
1. 太陽を洗う母・羲和
- 大荒南経です。「東南の海の外、甘水のあいだに、羲和の国がある。羲和という名の女子がいて、ちょうど甘淵で太陽を洗っている。羲和は帝俊の妻で、10の太陽を生んだ」
- ウィキソースの本文には、袁珂の校注として、この一節は本来、大荒東経の「甘山があり、甘水がそこから出て、甘淵をつくる」のあとにあるべきもので、甘淵はおそらく湯谷のことで、もとは東方にある、という注がつけられています

メル美太陽を水で洗っているお母さん…。毎朝きれいになって、空にのぼるのかな。
2. 月を洗う母・常羲
- 大荒西経です。「女子がいて、ちょうど月を洗っている。帝俊の妻・常羲は、12の月を生み、ここではじめて月を洗った」
- 同じ大荒西経には、太陽と月がしずむ山がいくつも出てきます。たとえば「日月山(にちげつざん)という山があり、天の枢(かなめ)である。……太陽と月が入るところ」と書かれています
3. カラスに乗る太陽
- 大荒東経です。「湯谷(とうこく)の上に扶木(ふぼく)がある。1つの太陽がちょうど着くと、1つの太陽がちょうど出ていく。どれもカラスに乗っている」
- その扶木は、「柱は300里、その葉はカラシナのよう」と書かれています。大荒東経には、このほかにも「太陽と月が出るところ」とされる山が、つぎつぎに出てきます

プレ男太陽がカラスに乗って空をわたる! 10の太陽が、交代で出ていくんだね。
4. 天と地を分けた重と黎
- 大荒西経には、天と地にかかわる、こんな話もあります。「顓頊(せんぎょく)は老童を生み、老童は重(ちょう)と黎(れい)を生んだ。帝は重に天をもちあげさせ、黎に地をおさえさせた」
- 「地にくだった黎は噎(えつ)を生み、西のはてにいて、太陽・月・星のめぐりの順序をつかさどる」
- また、「石夷(せきい)という人がいて、……西北のすみにいて、太陽と月の長さ短さをつかさどる」とも書かれています

『山海経』大荒南経では、帝俊の妻・羲和は10の太陽を生み、甘淵で太陽を洗っている、と書かれています。大荒西経では、同じく帝俊の妻・常羲が12の月を生み、月を洗いはじめました。
まとめ
- 羲和は帝俊の妻で、10の太陽を生み、甘淵で太陽を洗う
- 常羲も帝俊の妻で、12の月を生み、月を洗いはじめた
- 湯谷の扶木から、1つの太陽が着くと1つが出ていき、どれもカラスに乗っている
- 帝は重に天をもちあげさせ、黎に地をおさえさせた
- 10の太陽を射た羿と嫦娥、同じ『山海経』の海の外のふしぎな国々、目をあけると昼になる燭龍もどうぞ
参考文献
- 『山海經』大荒南經・大荒西經・大荒東經(袁珂校注の注記をふくむ). ウィキソース. https://zh.wikisource.org/wiki/山海經/大荒南經 (閲覧日:2026年10月12日)/ https://zh.wikisource.org/wiki/山海經/大荒西經 (閲覧日:2026年10月12日)/ https://zh.wikisource.org/wiki/山海經/大荒東經 (閲覧日:2026年10月12日)
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