
プレ男洪水をおさめた禹が、道にまよったの? どこにたどりついたんだろう。

メル美北のはての「終北」っていう国なんだって。あらそいも病気もなくて、みんな1日じゅう歌っている国なの。
こんにちは、Dr. Taro です。 神話の解説、今回は中国の『列子』の終北の国です。思想書『列子』の湯問篇の原文(ウィキソース)を読みました。洪水をおさめた禹の話は禹へ。同じ『列子』の理想の国の話は黄帝と華胥の国の夢へ。
プロフィール
| 終北 | 北の海のさらに北にある国。斉の国から何千万里はなれているかもわからない |
| 見つけた人 | 洪水をおさめていた禹が、道にまよってたどりついた |
| 国のようす | はてしなく広く、風・雨・霜・露がない。鳥やけもの、虫、魚、草木も生えない |
| 壺領山 | 国のまんなかの山。形はかめのよう。頂に「滋穴」という丸い口がある |
| 神瀵 | 滋穴からわきでる泉。においはランや山椒にまさり、味は酒にまさる。4つにわかれて国じゅうをうるおす |
| おとずれた人 | 周の穆王は3年帰るのをわすれた |
1. 道にまよった禹
- 『列子』によると、禹が洪水と土地をおさめていたとき、道にまよって、まちがえてある国にたどりつきました
- その国は、北の海の岸のさらに北にあり、斉の国から何千万里はなれているかもわかりません。名を「終北」といいました
- はてしなく広く、風も雨も霜も露もありませんでした。鳥やけもの、虫や魚、草や木のたぐいも生えませんでした。四方はたいらで、まわりを高い山がかこんでいました
2. 神瀵の泉
- 国のまんなかに壺領という山がありました。形は、かめのようでした。頂には、丸い輪のような口があり、「滋穴」とよばれていました
- そこから水がわきでて、「神瀵」とよばれました。そのにおいはランや山椒よりかぐわしく、味は酒よりもすばらしいものでした
- 泉は4つの流れにわかれて山をくだり、国じゅうをくまなくうるおしました。土地の気はおだやかで、はやり病もありませんでした

メル美山のてっぺんから、いいかおりの泉がわきでる国…。なんだか夢みたい!
3. あらそわない人々
- 人々の性格はおだやかで、ものにさからわず、あらそいませんでした。心はやわらかく、おごることも、ねたむこともありませんでした
- 年上も年下もいっしょにくらし、王も家来もいませんでした。水のほとりにすみ、田をたがやすことも、はたを織ることもしませんでした。土地の気があたたかくちょうどよいので、着るものもいらなかったのです
- 人々は100年生きてなくなり、若死にも病気もありませんでした。よろこびと楽しみがあり、年をとっておとろえる苦しみはありませんでした
- 人々は歌が好きで、手をとりあってかわるがわる歌い、1日じゅう歌声がたえませんでした
- おなかがすいたり、つかれたりすると、神瀵を飲みました。すると力も心もととのいました。飲みすぎると酔って、10日たってやっとさめました。神瀵で湯あみをすると、肌はつややかになり、そのかおりは10日たってやっと消えた、と書かれています
4. 帰るのをわすれた王
- 周の穆王は、北へ旅してこの国をとおり、3年も帰るのをわすれました。周の宮へもどってからも、この国をなつかしんで、ぼんやりと心をうしない、酒も肉もとらず、数か月たってやっともとにもどりました
- 斉の管仲は、桓公にこの国へ行くようすすめ、桓公も行きかけました。けれども家来の隰朋が、「斉の国の広さ、人々の多さ、山川のながめ、ゆたかな実り、礼と義のさかんなことをすてて、なぜ遠い国へ行くのですか」といさめ、桓公はとりやめた、と『列子』は語ります

プレ男理想の国にあこがれても、自分の国のよさを大事にしなさい…ってことかな。

『列子』湯問篇では、終北の国の壺領山の頂から、ランや山椒よりかぐわしい泉「神瀵」がわきでて、4つの流れにわかれて国じゅうをうるおした、と語られています。
まとめ
- 洪水をおさめていた禹は、道にまよって、北の海のさらに北の国「終北」にたどりついた
- 国のまんなかの壺領山の頂から、かぐわしい泉「神瀵」がわきでて、国じゅうをうるおした
- 人々はあらそわず、王も家来もなく、100年生きて、1日じゅう歌ってくらした
- 周の穆王は3年帰るのをわすれ、斉の桓公は家来にいさめられて行くのをやめた
- 洪水をおさめた禹、夢の中の理想の国黄帝と華胥の国の夢、穆王が会った女神西王母もどうぞ
参考文献
- 『列子』卷第五 湯問篇(禹之治水土也、迷而失塗の条). ウィキソース. https://zh.wikisource.org/wiki/列子/湯問篇 (閲覧日:2026年10月12日)
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