幽々奇譚A Nocturnal Field Guide

Haunted PlacesNo.129

「四谷怪談」のお岩さんをまつる於岩稲荷田宮神社もとは四谷左門町の田宮家の屋敷神。明治12年の火災で新川(いまの中央区)へ移り、戦後に四谷の旧地にも再建。中央区は「婿養子とともに家を再興したお岩の徳」をたたえる稲荷社と紹介

『四谷怪談』のお岩さんをまつる「於岩稲荷田宮神社」は、ネットでは「祟り」の話とともに語られることがあります。中央区の文化財の解説によると、江戸時代には四谷左門町の先手鉄砲組同心・田宮家の屋敷神で、明治12年(1879年)の火災をきっかけに京橋区越前堀(いまの中央区新川)へ移り、戦後の昭和27年に四谷の旧地にも再建されました。祭神は豊受比売大神と田宮於岩命。明治33年の『新撰東京名所図会』には、俳優や芸妓の参詣が多かったと書かれています。区民有形民俗文化財の明治30年の石の鳥居、訪れるときのマナーまでまとめました。

2026年10月22日

黒い背景に、長い髪で白い着物の幽霊のお岩が、赤い着物の赤ん坊を抱いて浮かぶ役者絵。右上に小さな火の玉
猿雀「市川米蔵のお岩の霊」1865年。木版画(錦絵)。メトロポリタン美術館所蔵(パブリックドメイン)
目次
  1. プロフィール
  2. もとは、田宮家の「屋敷神」
  3. なぜ神社が2つあるの?
  4. 明治の「お岩さん」人気
  5. 震災も空襲もくぐりぬけた石の鳥居
  6. 訪れるときのマナー
  7. まとめ

プレ男お岩さんの神社って、行くと祟られるとか言われてない?ちょっとこわいんだけど。

メル美もとはお岩さんの家の神さまだったんだって。神社が2つあるって聞いたけど、どうしてなんだろう。

今回は、『四谷怪談』のお岩さんをまつる於岩稲荷田宮神社(おいわいなりたみやじんじゃ)です。中央区の文化財の解説(広報紙コラム「区内の文化財」、平成28年1月21日号)をもとにまとめました。このサイトでは、「祟る」とも「出る」とも言いません。

プロフィール

祭神 豊受比売大神(とようけひめのおおかみ)と、田宮於岩命(たみやおいわのみこと)(田宮又左衛門の娘・お岩)
場所 中央区新川二丁目25番11号(明治12年から)。四谷の旧地(いまの新宿区左門町)にも、戦後の昭和27年に再建
もとは 江戸時代、四谷左門町の先手鉄砲組同心・田宮家の屋敷神
文化財 境内の石造鳥居(明治30年)が、平成10年(1998年)4月1日に中央区民有形民俗文化財に

もとは、田宮家の「屋敷神」

メル美えっ、お芝居のお岩さんとは、ずいぶんちがう紹介なんだね。

黒い背景に、長い髪で白い着物の幽霊のお岩が、赤い着物の赤ん坊を抱いて浮かぶ役者絵。右上に小さな火の玉

猿雀「市川米蔵のお岩の霊」1865年。木版画(錦絵)。メトロポリタン美術館所蔵(パブリックドメイン)

なぜ神社が2つあるの?

明治の「お岩さん」人気

プレ男役者さんや芸妓さんがたくさんお参りに来てたんだ。こわい場所っていうより、芝居の町の人気の神社だったんだね。

震災も空襲もくぐりぬけた石の鳥居

於岩稲荷田宮神社は、江戸時代には四谷左門町の田宮家の屋敷神でした。明治12年の火災をきっかけに中央区新川へ移り、戦後の昭和27年に四谷の旧地にも再建されています。

訪れるときのマナー

まとめ


参考文献

  1. 中央区. 於岩稲荷田宮神社の鳥居(区民有形民俗文化財。広報紙コラム「区内の文化財」平成28年1月21日号掲載). https://www.city.chuo.lg.jp/a0052/bunkakankou/rekishi/bunkazai/kuminbunkazai/oiwainaritamiyajinjyanotorii.html (閲覧日:2026年10月22日)
  2. 刑法(明治40年法律第45号)第130条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/140AC0000000045 (閲覧日:2026年10月22日)
  3. The Metropolitan Museum of Art. Enjaku, Ichikawa Yonezō as the Ghost of Oiwa, 1865(2011.152、Open Access/パブリックドメイン). https://www.metmuseum.org/art/collection/search/76582 (閲覧日:2026年10月22日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。

Further Reading次に読む

  1. 怪談日本一有名な怪談『四谷怪談』じつは1825年に「忠臣蔵」と2日がかりでセット上演された歌舞伎。髪がぬけ落ちる「髪梳き」、戸板返し、提灯抜け——こわさを生んだ舞台のしかけ
  2. 心霊スポット東京いちばんの「祟り」伝説、大手町の将門塚平将門の首が飛んできた?戦後のブルドーザーの事故の話も。今はビル街の中で地元の企業が守る、東京都指定旧跡
  3. 怪談岡本綺堂『番町皿屋敷』割れば手討ちになる家宝の皿。腰元のお菊は、それをわざと割った。主人・青山播磨の心がかわっていないか、たしかめるために——皿屋敷の怪談を、恋の物語として書いた小説