
プレ男子どものころから鼻血がよく出て、いまもくり返すんだ。父も祖母も同じで、健診では貧血って言われた。唇に小さな赤い点もある。

メル美家族みんな鼻血が多いって、体質なのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、オスラー病(遺伝性出血性末梢血管拡張症)の話です。難病情報センターの「オスラー病」(令和8年7月更新、難治性呼吸器疾患・肺高血圧症に関する調査研究班)をもとにまとめました。
どんな病気?
- 全身の血管に異常(血管の奇形)が起こり、その結果、出血しやすくなる遺伝性の病気です
- 原因は遺伝子の変異で、親から子へ伝わる確率は50%です。ただし、遺伝子があっても必ず発病するわけではありません
どのくらいの人に?
- 日本では5,000〜8,000人に1人がこの病気の遺伝子をもっていると報告されています
- 実際の患者さんは1万人くらいと推測されています
症状
- いちばん多いのは鼻血で、80〜90%の人にみられます。程度によっては鉄欠乏性貧血になることがあります(健診の貧血と鉄)
- 舌や唇など口の中、顔や指などの皮膚に、小さな赤い血管の斑点ができ、破れて出血することもあります
- 胃腸にも同じような血管ができて出血し、長く続くと貧血の原因になります
- 異常な血管(動静脈奇形)が肺、脳、胃腸、肝臓などにできると、臓器ごとの症状や合併症が出ます
とくに大切な「肺の血管の奇形」
- 肺にできる動静脈奇形(肺動静脈瘻)は重要な病変です。ふつうは肺でとり除かれる血のかたまりや細菌が、そこを通って脳や心臓に流れ、脳梗塞、脳膿瘍、心筋梗塞などの重大な合併症を起こすことがあります
- 酸素が十分取りこめず、息切れ、疲れやすさなどが出ることもあります。まれに破裂して出血することもあり、妊娠中に起きやすいことが知られています
- 画像で見つかった場合は、大きさや形にかかわらず治療を検討します。カテーテルで血管をふさぐ治療などがあります

プレ男鼻血だけじゃなくて、肺の血管の奇形が脳梗塞の原因になることもあるんだ。家族のことも含めて相談したほうがよさそうだね。
鼻血の予防と手当て
- オスラー病の人の鼻の粘膜は刺激に弱いので、鼻の加湿・保護が大切です。マスクや、鼻の入り口へのワセリンなどで乾燥を防ぎます
- 家での止血は軽い圧迫が基本です。強く押さえすぎると出血が悪くなるので、軽く小鼻をつまむ程度にします
- 血がのどや胃に流れないように、座ったまま、うつむいた姿勢をとります
- それでも止まらないときは、オスラー病にくわしい耳鼻咽喉科専門医の受診がすすめられています

オスラー病のいちばん多い症状は鼻血で、80〜90%の人にみられます。肺の血管の奇形は脳梗塞などの重大な合併症を起こすことがあるため、見つかった場合は治療を検討します。

メル美家族みんなの鼻血のことも伝えて、一度くわしく調べてもらおうね。鼻血のときは、うつむいて軽く小鼻をつまむんだね。
まとめ
- 全身の血管に奇形ができ、出血しやすくなる遺伝性の病気
- 日本で5,000〜8,000人に1人が遺伝子をもつ。親から子へ50%
- 鼻血(80〜90%)、口や指の小さな赤い斑点、胃腸の出血、貧血
- 肺の血管の奇形は脳梗塞・脳膿瘍などの原因に。見つかれば治療を検討
- 鼻血は加湿・保護で予防。止血は軽く小鼻をつまみ、座ってうつむく
参考文献
- 難病情報センター. オスラー病(遺伝性出血性末梢血管拡張症)(指定難病227)(情報更新日:令和8年7月、難治性呼吸器疾患・肺高血圧症に関する調査研究班). https://www.nanbyou.or.jp/entry/4351 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。