
メル美40代の叔母が子宮筋腫で子宮をとる手術をするんだけど、「ついでに卵巣もとりますか?」って聞かれて迷ってるんだって。

プレ男卵巣がんの予防になるなら、とったほうがいいような気もするけど……。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、子宮をとる手術のとき、卵巣もとるかどうかの話です。日本産婦人科医会の研修ノート「No116 産婦人科診療 こんなときどうする?」(医師向け、2026年)の「両側卵巣の摘出は何歳くらいが妥当か?」をもとにまとめました。
閉経前は慎重に
研修ノートによると、
- 良性の病気で子宮をとる手術のとき、卵巣がんの予防のために両方の卵巣をとる手術が選ばれることがあります
- でも、はっきりした高リスクの要因がない限り、閉経前(とくに50歳未満)の予防的な両方の卵巣の摘出には慎重であるべきと考えられています
- 閉経前に両方の卵巣をとると、女性ホルモン(エストロゲン)がなくなることで、心臓・血管の病気、骨粗しょう症、認知機能の低下など、長い目で見た健康に影響します

閉経前(とくに50歳未満)に両方の卵巣をとることには、心臓・血管や骨などへの影響があり、慎重に考えるべきとされています。卵巣がんの予防とのバランスを、主治医とよく相談してください。
ホルモン補充療法でも、完全にはおぎなえない可能性
研修ノートによると、
- 大規模な研究で、40歳未満の手術による閉経は、自然な閉経とくらべても心血管の病気のリスクを高めたと報告されています
- 50歳未満では、両方の卵巣をとったあとにホルモン補充療法を行っても、とらなかった人より心血管の病気が多かったという報告もあり、エストロゲンをおぎなうだけでは、卵巣のホルモンの役割を完全にはおきかえられない可能性が示されています

プレ男ホルモンをおぎなえば同じ、というわけじゃないんだね。
遺伝的に卵巣がんのリスクが高い人はちがう
研修ノートによると、遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)などで、卵巣がんのリスクが高い女性に行う「リスク低減卵管卵巣摘出術」は、がんの予防の利益が、手術による閉経の不利益をはっきり上回る人への手術で、一般の女性にそのままあてはめるべきではないとしています。
遺伝性乳がん卵巣がんについては、遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)を見てください。
総合的に判断する
研修ノートによると、年齢、卵巣がんの家族歴、BRCA遺伝子の変異の有無、婦人科の病気の背景、手術後にホルモン補充療法ができるか、本人の希望などを考えて、総合的に判断する必要があります。ほかの選択肢として、片方の卵巣を残す、卵管だけをとることも考えられるとしています。
子宮筋腫については子宮筋腫は30歳以上の女性の3割前後にを見てください。
まとめ
- 子宮をとる手術のとき、卵巣もとるかどうかを相談されることがある
- 閉経前(とくに50歳未満)の予防的な両側の卵巣摘出は慎重に
- 心臓・血管の病気、骨粗しょう症、認知機能の低下に影響。ホルモン補充でも完全にはおぎなえない可能性
- HBOCなど高リスクの人は別に考える
- 片方を残す、卵管だけとる選択肢も。主治医と総合的に相談
参考文献
- 公益社団法人日本産婦人科医会. 研修ノート No116 産婦人科診療 こんなときどうする?「22.両側卵巣の摘出は何歳くらいが妥当か?」. https://www.jaog.or.jp/note/no116_3_22/ (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。