性交痛があるのに「異常はない」と言われたら:日本では女性の約20%に性交痛があると推計されるが、ほとんどは医療者に相談していない。痛みは正当な治療の対象。保湿、局所のエストロゲン、骨盤底をゆるめる運動など。性機能外来という選択肢も
セックスのときに痛い(性交痛)のに、診察では「異常はない」と言われることがあります。日本産婦人科医会の研修ノート(医師向け、2026年)によると、日本で性交痛がある女性は約20%と推計されていますが、ほとんどの女性は医療者に相談していません。性交痛は、くり返す腟の感染症、ピル、授乳、更年期、外陰部の皮膚炎、骨盤底の機能の問題、神経の痛み、性的な暴力やけが、性感染症などから起こることがあります。痛みは正当な治療の対象で、保湿や局所のエストロゲン、骨盤底をゆるめる運動などのケアがあり、専門の性機能外来につなぐことがすすめられています。

メル美友だちが、パートナーとのときにいつも痛くて、婦人科で診てもらったら「異常はないですね」って言われたんだって。気のせいなのかなって落ちこんでた。

プレ男異常がないって言われても、痛いのは本当なのにね。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、性交痛があるのに「異常はない」と言われたときの話です。日本産婦人科医会の研修ノート「No116 産婦人科診療 こんなときどうする?」(医師向け、2026年)の「性交痛を訴える性成熟期女性に器質的異常を認めない場合の対処法は?」をもとにまとめました。
性交痛の原因の全体については、まずセックスのときに痛い(性交痛)を見てください。
性交痛は、めずらしくない
研修ノートによると、
- 日本で性交痛がある女性は約20%と推計されていますが、ほとんどの女性は医療者に相談していません
- 性交痛は、性の健康だけでなく、こころや社会生活の健康もそこない、性欲の低下などの原因にもなります
- 痛みで挿入がむずかしい人は、妊娠を望むことについても深く悩んでいることがあり、人生の大切な課題だとしています

性交痛は、日本の女性の約20%にあると推計されています。痛みは気のせいではなく、正当な治療の対象です。ひとりでかかえずに相談してください。
性交痛の原因になるもの
研修ノートでは、性交痛は、
- くり返す腟の感染症、性感染症
- ピル(避妊用の低用量ピル)、授乳、更年期
- 外陰部の皮膚炎
- 骨盤底の機能の問題、陰部の神経の痛み
- 性的な暴力やけが
などから起こることがあるとしています。診察では、いつから痛いか(初めてのときからか、最近か)、飲んでいる薬、痛みが強くなる・やわらぐきっかけ、さわったときだけ痛いか、さわらなくても痛いかなどを聞いて、どこが痛いのかを確かめます。
さわらなくても外陰部がヒリヒリ痛むときは、外陰部がヒリヒリ・ズキズキ痛い、でも見た目は何ともないも見てください。
ケアと治療
研修ノートによると、
- まず、痛みの訴えが正当な医療の対象であることをはっきり伝えることが大切だとしています
- 薬が原因の炎症が疑われる場合は、その薬をやめることを相談します
- 腟の入り口(前庭部)の保湿や、局所のエストロゲン療法
- パートナーとの建設的な話し合いと、痛みがよくなるまでは挿入をともなわない形のふれあい
- 骨盤底をゆるめる運動の紹介
- 性交痛のケアの多くは保険が適用されないため、自費の診療に対応した性機能外来を紹介するとしています
- 妊娠を強く望む場合は、状況に応じて、シリンジ法(精液を注射器のような器具で腟に入れる方法)や、不妊治療を紹介することもあります
閉経のころからの乾燥による痛みは、閉経のころからの「デリケートゾーンと尿」の不調(GSM)も見てください。

プレ男パートナーとしては、痛みがよくなるまで無理をさせないこと、話し合うことが大事なんだね。
パートナーにできること
- 「痛い」と言われたら、すぐにやめる。痛みを責めたり、がまんさせたりしない
- 挿入にこだわらず、ふたりが安心できるふれあい方をいっしょに考える
- 受診や相談を応援する
まとめ
- 性交痛は、日本の女性の約20%。でも、ほとんどは相談していない
- 原因は、感染症、ピル・授乳・更年期、皮膚炎、骨盤底、神経、性的な暴力やけがなどさまざま
- 痛みは正当な治療の対象
- 保湿、局所のエストロゲン、骨盤底をゆるめる運動、パートナーとの話し合い
- 必要に応じて、性機能外来へ
参考文献
- 公益社団法人日本産婦人科医会. 研修ノート No116 産婦人科診療 こんなときどうする?「21.性交痛を訴える性成熟期女性に器質的異常を認めない場合の対処法は?」. https://www.jaog.or.jp/note/no116_3_21/ (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
