目次

プレ男上司に毎日みんなの前でどなられてる…。これってパワハラなのかな。

メル美パワハラには、法律に書かれた「定義」があるの。会社がしなきゃいけないことも決まってるよ。
この記事は、e-Gov法令検索で2026年10月12日に確認した、「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」(労働施策総合推進法)の現行の条文で確かめた内容です。e-Gov法令検索によれば、この法律の最新の改正の施行日は2026年10月1日で、この記事の条番号はその現行の条文のものです。個別の事情は、弁護士や都道府県労働局などにご相談ください。
法律の「パワハラ」(31条1項)
事業主は、職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であつて、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。
条文から読みとれる要素は、つぎの3つです。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| ① | 職場において行われる優越的な関係を背景とした言動 |
| ② | 業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの |
| ③ | それにより、労働者の就業環境が害される |
- 条文が会社(事業主)に義務づけているのは、こうした言動で就業環境が害されないよう、相談に応じ、適切に対応するための体制の整備など、雇用管理上必要な措置を講じることです
- 業務上必要で相当な範囲の指導は、②にあたりません。どこまでが「相当な範囲」かは、具体的な事情によります

プレ男「上司だから」だけじゃなくて、「業務上必要な範囲を超えてるか」が大事なんだ。
相談した人を不利益に扱ってはいけない(31条2項)
- 会社は、労働者が相談をしたこと、または会社の対応に協力して事実を述べたことを理由に、解雇その他不利益な取扱いをしてはなりません
- 厚生労働大臣は、会社が講ずべき措置について指針を定めて公表します(31条3項〜5項)
みんなの「責務」(32条)
- 国は、広報・啓発などで、関心と理解を深めるよう努めます(32条1項)
- 会社は、研修の実施など、労働者がほかの労働者への言動に注意を払うよう配慮に努めます(32条2項)
- 会社(法人なら役員)自身も、労働者への言動に注意を払うよう努めます(32条3項)
- 労働者も、ほかの労働者への言動に注意を払い、会社の措置に協力するよう努めます(32条4項)
困ったときは労働局へ(36条・37条)
- パワハラの措置や不利益な取扱いをめぐる会社との紛争について、都道府県労働局長は、当事者の双方または一方から援助を求められたら、助言、指導または勧告ができます(36条1項)
- 当事者から申請があり、必要と認めるときは、調停にゆだねることもできます(37条1項)
- 会社は、労働者が援助を求めたこと、調停を申請したことを理由に、解雇その他不利益な取扱いをしてはなりません(36条2項・37条2項)
勧告に従わない会社は公表も(42条)
- 厚生労働大臣は、会社に助言、指導または勧告ができます(42条1項)
- 31条1項・2項などに違反した会社が、勧告に従わなかったときは、その旨を公表できます(42条2項)
- 厚生労働大臣は、31条1項・2項などの施行について、会社に報告を求めることができ(45条1項)、報告をしなかったり、うその報告をしたりした者は、20万円以下の過料(51条)

メル美いつ、だれに、何を言われたか、メモしておくと相談しやすいね。ひとりでかかえこまないで。
同じ法律のカスハラ対策
- この法律は、2026年10月1日から、顧客などの言動による問題(カスタマーハラスメント)についても、会社に措置を義務づけています(33条)。くわしくはカスハラ対策の記事で

労働施策総合推進法31条は、優越的な関係を背景とした言動で、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより就業環境が害されないよう、会社に相談体制の整備などの措置を義務づけています。相談したことを理由とする解雇その他の不利益な取扱いも禁止です。
まとめ
- 法律のパワハラは、優越的な関係を背景とした言動で、業務上必要かつ相当な範囲を超え、就業環境が害されるもの(31条1項)
- 会社には、相談体制の整備などの措置が義務
- 相談した人・事実を述べた人への解雇その他不利益な取扱いは禁止(31条2項)
- 都道府県労働局長の助言・指導・勧告、調停(36条・37条)
- 勧告に従わない会社は公表されうる(42条)
- 条番号は、2026年10月1日施行の改正を反映した現行の条文のもの
- 職場の性的な言動はセクハラ、カスハラ対策、残業代もどうぞ
参考文献
- 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(昭和41年法律第132号)第31条〜第33条、第35条〜第37条、第42条、第45条、第51条. e-Gov法令検索(2026年10月1日施行の改正を反映した現行の条文). https://laws.e-gov.go.jp/law/341AC0000000132 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。