
メル美50代の叔母が、口内炎がなかなか治らなくて、どんどん広がって痛くて食事ができないんだって。最近、背中にも水ぶくれが出てきたらしい。

プレ男口内炎がそこまでひどくなるって、ふつうじゃないよね。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、天疱瘡の話です。難病情報センターの「天疱瘡」(令和7年10月更新、稀少難治性皮膚疾患に関する調査研究班)をもとにまとめました。
どんな病気?
- 皮膚や粘膜の細胞どうしをくっつけるデスモグレインというたんぱくに対する自己抗体(自分を攻撃する抗体)ができて、皮膚や粘膜に水ぶくれやただれができる自己免疫の病気です
- 自己抗体ができる詳しい原因は、まだわかっていません。遺伝することは通常ありません
どんな人に多い?
- 受給者証をもつ人は、全国で3,186人(令和5年度)です
- 発症は40〜60歳代に多く、女性にやや多い傾向があります
症状
大部分は、次の2つのタイプに分かれます。
- 尋常性天疱瘡:口の中を中心とした粘膜に水ぶくれとただれができます。痛みをともない、広がると食事がとれなくなることがあります。全身の皮膚に水ぶくれやただれが広がり、皮膚から大量の水分が失われたり、感染を合併したりするタイプもあります
- 落葉状天疱瘡:頭・顔・胸・背中などに、フケのようにはがれる赤い発疹や浅いただれができます。粘膜の症状はみられません

プレ男痛い口のただれが広がって食事がとれない…天疱瘡の症状に当てはまるところがあるんだ。
治療と経過
- 自己抗体をつくるのを抑える免疫抑制療法を行い、ステロイドの飲み薬が中心です。ステロイドの量を減らすために免疫抑制薬を組み合わせたり、勢いを抑えきれない場合は血漿交換や免疫グロブリンの大量療法などを組み合わせたりします。2021年12月からは、治りにくい天疱瘡に新しい抗体療法が保険で行えるようになりました
- 皮膚科専門医に、早く正しい診断を受けることが大切です
- ふつう治療の初めは入院してステロイドを始め、水ぶくれが新しくできなくなって落ち着いたら、少しずつ量を減らします。長い期間、経過をみる必要があります
- 定期的に通院して適切な治療を受けることで、多くの人が通常の生活を送れるまでに回復します
日常生活の注意
- 水ぶくれやただれがある時期は、やわらかい素材の、着脱しやすい服を着ましょう
- 口の症状が強いときは固い食べ物をさけ、歯みがきなど口の中のケアも大切です。必要に応じて歯科で相談しましょう
- ステロイドを急にやめるとショック状態になったり、水ぶくれが再発したりする危険があるので、自己判断でやめたり変えたりしてはいけません
- ステロイドの副作用(感染症、糖尿病、骨粗しょう症など)に注意し、熱や体調不良があれば早めに受診しましょう

天疱瘡は、口の中などの粘膜や皮膚に、痛みのある水ぶくれやただれができる自己免疫の病気です。皮膚科専門医に早く正しい診断を受けて、定期的に通院して治療を受けることで、多くの人が通常の生活を送れるまでに回復します。
- 高齢の人に多い水ぶくれの病気は類天疱瘡、口内炎をくり返す病気はベーチェット病と陰部の潰瘍の記事もどうぞ

メル美ただの口内炎と思わずに、背中の水ぶくれのことも伝えて、皮膚科で調べてもらうようにすすめるね。
まとめ
- 細胞どうしをくっつけるたんぱくへの自己抗体で水ぶくれ・ただれができる病気
- 40〜60歳代に多く、女性にやや多い
- 尋常性:口の中の痛い水ぶくれ・ただれ、食事がとれないことも。落葉状:頭・顔・胸・背中のはがれる赤い発疹
- 治療はステロイド中心。皮膚科で早く正しい診断を
- 多くは通常の生活に回復。ステロイドは自己判断でやめない
参考文献
- 難病情報センター. 天疱瘡(指定難病35)(情報更新日:令和7年10月、稀少難治性皮膚疾患に関する調査研究班). https://www.nanbyou.or.jp/entry/153 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。