
プレ男日曜に大鍋でカレーを作って、1週間ちょっとずつ食べるのが節約のコツなんだ。鍋のままコンロに置いておけば楽だし。

メル美えっ、ひと晩そのまま?「二日目のカレーで食中毒」って聞いたことあるよ…。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、作り置きの料理で起こるウエルシュ菌食中毒の話です。食品安全委員会のファクトシート「ウエルシュ菌食中毒」(2025年4月11日更新)と、東京都保健医療局の「食品安全FAQ 二日目のカレーが好きなのですが、食中毒の危険があると聞きました。本当ですか?」をもとにまとめました。
ウエルシュ菌ってどんな菌?
- 人や動物の腸の中、土、下水、食品、ほこりなど、自然界に広くいる細菌です。食品では、とくに肉から見つかる割合が高い(数%〜50数%)とされています
- 酸素が少ない環境を好みます
- 芽胞(がほう)という殻をつくり、食中毒を起こす菌の芽胞は、100℃で1〜6時間加熱しても生き残ることがあります
- そのため、ふつうの加熱調理では、芽胞を死滅させることはできないと考えられています

プレ男グツグツ煮込んでも生き残るの!?
なぜ、作り置きの鍋で増えるの?
ファクトシートによると、カレーなどを加熱したあとそのまま置いておくと、次のことが重なって、ウエルシュ菌が大量に増えます。
- 加熱でほかの菌の多くは死ぬが、熱に強いウエルシュ菌の芽胞だけが残る
- 加熱で芽胞が目を覚まし(発芽)やすくなる
- 加熱で、食品の中の酸素が追い出される(ウエルシュ菌の好む環境に)
- ゆっくり冷めると、55℃くらいから急速に増える
- ウエルシュ菌は12〜50℃で増え、とくに43〜45℃で活発です
- 大鍋の料理は冷めるのに時間がかかるので、この温度の時間が長くなります
原因になりやすい料理
- カレー、シチュー、パーティーや旅館の料理など。とくに肉・魚介・野菜を使った煮物や、大量に作った料理で多くみられます。東京都は肉じゃがなど大鍋で作った料理もあげています
- 原因施設は、飲食店、仕出し屋、旅館など、大量に調理するところに多いとされています
症状:6〜18時間後に、腹痛と下痢
- 6〜18時間(平均10時間)後に、主に腹痛と下痢。熱や嘔吐はほとんどみられません
- ほとんどは1〜2日で回復しますが、持病のある人、とくに子どもや高齢者では、まれに重くなることがあります
- 日本では、1件あたりの患者数がいちばん多い食中毒とされ、50人を超える例も多く、大規模になりやすいのが特徴です
- 厚生労働省の統計では、2025年の食中毒のうち、ウエルシュ菌は事件数の2.8%、患者数の5.1%でした
- 夏(7〜9月)に多いものの、春(3〜4月)にも比較的多く、冬にも起こります

メル美一度にたくさんの人が具合悪くなりやすいんだ。サークルの合宿とか、気をつけないとね。
予防:増やさない、温め直して減らす
1. 増やさない
- 前日調理は避け、加熱調理したらなるべく早く食べる(東京都)
- やむをえず保存するときは、12〜50℃にある時間を短くする。小さな容器に小分けして、なるべく早く冷蔵庫へ
- ファクトシートでは、保存は10℃以下か55℃以上が有効とされています
- 鍋のまま室温で置いておかない
2. 温め直して、増えた菌を減らす
- 加熱後に温度が下がった食品の中のウエルシュ菌は、ふつう、芽胞ではなく熱に弱い状態でいます。そのため、温め直しで菌の数を減らすことができます
- 保存したカレーなどを食べる前は、グツグツするまで再加熱し、全体に熱がいきわたるようよくかき混ぜながら温めましょう
- 下痢を起こす毒素(エンテロトキシン)は、60℃で10分ほどの熱で働きを失うとされています

カレーやシチューの作り置きは、鍋のまま室温に置かず、小分けしてすぐ冷蔵庫に入れましょう。食べる前は、よくかき混ぜながらグツグツするまで温め直してください。
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浅い容器に入れる、氷水で鍋ごと冷やすなどで、早く冷ますのもよい工夫です
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夜勤の人の食事の時間や中身については夜勤・シフト勤務の食事のコツ、ほかの食中毒は卵とサルモネラ、カンピロバクターの記事もどうぞ

プレ男これからは、作ったらすぐ小分けにして冷蔵庫に入れる。食べるときはグツグツまで温めるよ。
まとめ
- ウエルシュ菌は、加熱しても芽胞で生き残り、ゆっくり冷める鍋の中で増える
- 原因はカレー・シチュー・煮物・大量調理。1件あたりの患者が多く、大規模になりやすい
- 6〜18時間後に腹痛と下痢。熱や嘔吐はほとんどない
- 前日調理は避ける。保存するなら小分けしてすぐ冷蔵庫(10℃以下)
- 食べる前は、よくかき混ぜながらグツグツするまで再加熱
参考文献
- 食品安全委員会. ファクトシート ウエルシュ菌食中毒(作成日:平成23年11月24日、最終更新日:令和7年4月11日). https://www.fsc.go.jp/factsheets/index.data/factsheets_clostridiumperfringens.pdf (閲覧日:2026年10月4日)
- 東京都保健医療局. 二日目のカレーが好きなのですが、食中毒の危険があると聞きました。本当ですか?【食品安全FAQ】. https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/anzen/anzen/food_faq/chudoku/chudoku21 (閲覧日:2026年10月4日)
- 厚生労働省. 令和7年食中毒発生状況の概要. https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/001679199.pdf (閲覧日:2026年10月4日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。