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日本の妊婦と百日せきワクチン

赤ちゃんの百日せきが増え、重症例も。欧米で妊婦にすすめられるワクチン(Tdap)は日本では承認・販売されていない。日本で妊婦に使える3種混合ワクチンの接種は、重症化予防の効果がまだ証明されていない(学会、2025年)

2026年10月10日

生まれてすぐの赤ちゃんが百日せきにかかると、重くなることがあります。日本産科婦人科学会の文書(2025年4月)によると、日本では2024年以降、百日せきの報告が再び増え、乳児の重症例や、薬(マクロライド系)の効きにくい菌も増えています。欧米などでは妊娠後期の妊婦にワクチン(Tdap)を打って赤ちゃんを守る「母子免疫」がすすめられていますが、日本ではTdapは承認・販売されていません。日本で妊婦に打てる3種混合ワクチン(DTaP)の活用が考えられていますが、赤ちゃんの重症化を防ぐ効果はまだ証明されていません。

目次
  1. 赤ちゃんの百日せきが増えている
  2. 「母子免疫」ワクチンとは
  3. 日本の状況(2025年4月の学会の文書)
  4. まわりの大人のこと
  5. 赤ちゃんの定期接種を忘れずに
  6. まとめ

メル美海外では、妊娠中に百日せきのワクチンを打つって聞いたの。日本ではどうなってるのかな。

プレ男赤ちゃんの百日せきって、そんなに危ないんだ。

こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、日本の妊婦と百日せきワクチンの話です。日本産科婦人科学会が医師向けに出した文書(2025年4月25日)をもとにまとめました。英国などの状況は、妊娠中の予防接種の記事にまとめています。

赤ちゃんの百日せきが増えている

日本産科婦人科学会の文書によると、

2025年は大きな流行に

国立健康危機管理研究機構の「病原微生物検出情報(IASR)」2026年1月号の「2025年における届出ガイドラインに則った国内百日咳の疫学のまとめ」によると、

「母子免疫」ワクチンとは

プレ男お母さんのワクチンで、赤ちゃんを守るしくみなんだね。RSウイルスでも同じしくみがあるって聞いた。

RSウイルスの母子免疫ワクチンについては、RSウイルスの母子免疫ワクチンの記事を見てください。

日本の状況(2025年4月の学会の文書)

日本産科婦人科学会の文書によると、

(更新)国立健康危機管理研究機構のIASR「百日咳の予防接種」(2026年1月号)で確認しました。海外で妊婦に使われる成人用3種混合ワクチン(Tdap)は日本では製造販売承認されておらず、日本ではDPTを使い、妊娠28週以降の妊婦を対象に臨床試験が行われているとされています。妊婦への接種は、定期接種ではなく任意接種として行われつつある段階で、妊婦の家族への接種は、国の審議会で整理された案のひとつとして挙げられています

日本では、妊婦向けの百日せきワクチンの体制はまだ整っていません。気になるときは主治医と相談を。赤ちゃんのまわりの大人がせきをしているときは、近づかない工夫も大切です。

まわりの大人のこと

(更新)国立健康危機管理研究機構のIASR(2026年1月号)によると、生後6か月未満の百日せきの届出では、感染源の多くが家族、とくにきょうだい(兄・姉)でした。2020年1月の国の審議会(ワクチン評価に関する小委員会)では、乳児の重症化を防ぐための6つの案の1つとして「妊婦の家族への追加接種」が整理されましたが、IASRの時点で導入されたのは接種開始を生後2か月に早めたことで、就学前・11〜12歳・妊婦への追加接種は任意接種として行われつつあり、家族への接種は国の制度にはなっていません。

赤ちゃんの定期接種を忘れずに

まとめ


参考文献

  1. 日本産科婦人科学会. 乳児の百日咳予防を目的とした百日咳ワクチンの母子免疫と医療従事者への接種について(2025年4月25日、PDF). https://www.jsog.or.jp/news/pdf/infection07.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
  2. 日本産科婦人科学会. 女性を脅かす感染症(更新日時:2026年3月24日). https://www.jsog.or.jp/citizen/7042/ (閲覧日:2026年10月10日)
  3. 国立健康危機管理研究機構. 百日咳の予防接種(IASR Vol.47 p3-4: 2026年1月号). https://id-info.jihs.go.jp/surveillance/iasr/pathogens/vol47/551/551r01.html (閲覧日:2026年10月10日)
  4. 立花佳弘ほか. 2025年における届出ガイドラインに則った国内百日咳の疫学のまとめ(IASR Vol.47 p5-7: 2026年1月号). https://id-info.jihs.go.jp/surveillance/iasr/pathogens/vol47/551/551r03.html (閲覧日:2026年10月12日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。