日本のPrEPの研究(東京近郊のMSM):PrEPを続けた124人ではHIVの感染は0、使わなかった177人では11人(年3.5%)。性感染症は、くり返しかかる一部の人に集中
日本でのPrEP(HIVの曝露前予防)の研究について、国立感染症研究所の「病原微生物検出情報(IASR)」2023年10月号の「首都圏近郊におけるPrEPのエビデンスと疫学的影響」(国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター)をもとにまとめました。男性どうしで性行為をする人(MSM)を3か月ごとに検査する外来の研究で、毎日飲むPrEPを使った124人では2年以上のあいだHIVの新しい感染は0人、使わなかった177人では11人(年3.5%)でした。一方、性感染症(梅毒・クラミジア・淋菌)はPrEPを使う人で多い傾向があり、くり返しかかる一部の人に集中していました。定期的な検査で早く見つけて治療できることも、PrEPの利点とされています。

プレ男PrEPって海外の話が多いけど、日本でも効果は確かめられているの?

メル美東京の病院で、追いかけて調べた研究があるんだって。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、日本でのPrEP(HIVの曝露前予防)の研究の話です。国立感染症研究所の「病原微生物検出情報(IASR)」2023年10月号の「首都圏近郊におけるPrEPのエビデンスと疫学的影響」(国立国際医療研究センター病院 エイズ治療・研究開発センター)をもとにまとめました。
PrEPを使った人では、HIVの感染は0
- 国立国際医療研究センター病院に2017年につくられた、男性どうしで性行為をする人(MSM)が3か月ごとにHIVと性感染症の検査を受ける外来(セクシャルヘルス外来)で研究が行われました
- 2018年から、毎日1錠飲むPrEPを使う人を最低2年間追いかけたところ、
- PrEPを使った124人では、HIVの新しい感染は0人
- PrEPを使わなかった177人では、11人が新しくHIVに感染(年3.5%)
- この結果は、PrEPの効果とともに、東京近郊のMSMでのHIVの感染の多さも示しているとしています
- この外来に登録したときにHIVに感染していた人の割合は、2017年の2.7%から2022年は1.2%に下がっていました

東京近郊の研究で、毎日飲むPrEPを使った124人では、2年以上のあいだHIVの新しい感染は0人でした。使わなかった177人では11人が感染しました。
性感染症は、くり返しかかる人に集中
- PrEPを使う人では、HIVの感染はとても少ない一方、性感染症(梅毒・クラミジア・淋菌)は、使わない人より多い傾向があり、これは世界的にも同じです
- 性感染症の多くは、くり返しかかる一部の人に集中していました
- PrEPを使わない人:くり返しかかった11.9%の人が、性感染症全体の61.4%
- PrEPを使う人:くり返しかかった30.6%の人が、性感染症全体の82.1%
- 医療機関でPrEPを使う利点として、定期的な性感染症の検査で早く見つけて治療でき、HIVだけでなく性感染症もへらせる可能性が海外で報告されているとしています

プレ男PrEPはHIVを防げても、ほかの性感染症は防げない。だから定期的な検査とコンドームも大事なんだね。
PrEPの飲み方と日本での承認はPrEP(HIVの曝露前予防)とは?、男性同士の性の健康は男性同士のセックスと性の健康、性感染症を防ぐ薬の使い方はDoxy-PEP(ドキシペップ)とは?を見てください。
まとめ
- 東京近郊のMSMの研究で、PrEPを使った124人ではHIVの感染0、使わなかった177人では11人(年3.5%)
- 外来に登録したときのHIVの割合は2.7%→1.2%に低下
- 性感染症は、PrEPを使う人で多い傾向。くり返しかかる一部の人に集中
- 定期的な検査で、HIVも性感染症も早く見つけて治療できる
参考文献
- 水島大輔. 首都圏近郊におけるPrEPのエビデンスと疫学的影響(IASR Vol.44 p160-161: 2023年10月号). https://id-info.jihs.go.jp/surveillance/iasr/pathogens/vol44/524/524r05.html (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
