
プレ男潰瘍性大腸炎で通院している20代の友だちが、健診でALPとγ-GTPが高いって言われて、くわしく調べたら「原発性硬化性胆管炎」だったんだって。

メル美腸の病気と肝臓の病気って、関係あるのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、原発性硬化性胆管炎(PSC)の話です。難病情報センターの「原発性硬化性胆管炎」(令和7年12月更新、難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究班)をもとにまとめました。
どんな病気?
- 肝臓でつくられる胆汁は、胆管を通って十二指腸に流れます。PSCは、原因不明のまま胆管が障害されて狭くなり、胆汁の流れが滞る病気です
- 胆汁が滞ることで、肝障害、胆管炎、皮膚のかゆみ、黄疸などが起こることがあります
- 肝臓の中と外の比較的太い胆管が障害されるのが特徴です(細い胆管が壊れる原発性胆汁性胆管炎(PBC)とは別の病気です)
- 血液検査でALPやγ-GTPが上がりますが、血液検査だけでは診断が難しく、ふつうは胆管の画像(ERCP・MRCP)で特徴的な変化をとらえて診断します
どんな人に多い?
- 日本の患者さんは2018年に推定2,300人で、10年でおよそ2倍に増えています
- 男性にやや多く、発症は20歳代と60歳代に2つのピークがあります。10歳代の子どもに起こることも珍しくありません
炎症性腸疾患との合併
- PSCには、しばしば潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患が合併します
- 日本のPSC患者さん全体の約40%、若い人では60%に炎症性腸疾患が合併すると報告されています(炎症性腸疾患)

プレ男若い人では60%に炎症性腸疾患が合併するんだ。友だちの場合も関係がありそうだね。
症状
- 黄疸や皮膚のかゆみで発症することが多いですが、無症状のまま、人間ドックや健診の肝機能検査や腹部エコーの異常で見つかることもあります
- 胆管が狭くなって胆汁が滞ると、黄疸やかゆみ、そこに細菌が感染して胆管炎(発熱や腹痛)が起こるのが一般的です
- これらをくり返しながら肝臓の働きが少しずつ落ち、肝硬変へと進むことがあります
- 胆管がんの合併が約10%と高く、慎重な経過観察が必要です
治療と経過
- PSCを根本から治す治療は今のところありません
- 日本では多くの場合、ALP・γ-GTPの値を下げる飲み薬(ウルソデオキシコール酸)が使われます
- 胆管が狭くなって起こる症状をよくするために、内視鏡などで胆管を広げたり、胆汁を流したりする処置が行われます
- 進んで肝不全になった場合は、肝移植が唯一の治療法です
- 2015年の全国調査では、診断から5年後・10年後に生存している確率は81.3%・69.9%と報告されています

原発性硬化性胆管炎は、20歳代と60歳代に多く、若い人では60%に潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患を合併します。胆管がんの合併が約10%と高いため、慎重な経過観察が必要です。
- 健診の肝機能の見方は健診の肝機能検査の記事もどうぞ

メル美腸の病気の通院と一緒に、肝臓の検査も続けていくことが大切なんだね。
まとめ
- 胆管が狭くなり胆汁が滞る原因不明の病気。太い胆管が障害される
- 約2,300人で10年で約2倍。20歳代と60歳代に多い
- 黄疸・かゆみ、健診の肝機能異常で見つかることも
- 約40%(若い人では60%)に潰瘍性大腸炎などを合併
- 根本的な治療はまだない。胆管がん(約10%)に注意し慎重な経過観察を
参考文献
- 難病情報センター. 原発性硬化性胆管炎(指定難病94)(情報更新日:令和7年12月、難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究班). https://www.nanbyou.or.jp/entry/3967 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。