
メル美母の両方の耳が、ときどき真っ赤にはれて痛くなるの。何週間かでおさまるけど、またくり返すんだって。最近は声もかれぎみ。

プレ男耳が赤くはれるって、虫さされやかぶれじゃないのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、再発性多発軟骨炎の話です。難病情報センターの「再発性多発軟骨炎(RP)」(令和7年12月更新、再発性多発軟骨炎の診断と治療体系の確立班)をもとにまとめました。
どんな病気?
- 骨と一緒に骨格をつくる軟骨に、原因不明の炎症をくり返す(再発性)病気です
- 炎症が続くと、軟骨は変形したり消えたりします。変形した軟骨は元には戻りません。そのため、早期の診断・治療がとても重要です
- 起こる場所は、耳(耳介)の軟骨が最も多く、次いで気道、目、鼻、関節などです
- 原因はわかっていません。遺伝はしないと考えられています
どんな人に多い?
- 日本全国で400〜500人と推定される、まれな病気です
- 3歳から97歳まで幅広い年齢で起こりますが、40〜69歳に多く、男女差はありません
症状(炎症が起こる場所でちがう)
- 耳・鼻の軟骨、目(結膜炎・強膜炎)、皮膚:赤くはれて痛みます。耳や鼻の炎症が長引くと変形します
- 内耳:難聴、めまい、ふらつき、吐き気
- 気道:気道が狭くなり、ゼイゼイ・ヒューヒューという呼吸音と息苦しさが出ます。気道が狭くなったりふさがったりするおそれがあります
- 関節の炎症も起こります
- まれに心臓(心筋梗塞、弁膜症)や脳(脳梗塞、脳出血)に及ぶと重くなります

プレ男耳が赤くはれるのをくり返して、声もかれぎみ…気道の軟骨にも炎症が起きているかもしれないんだ。
治療と経過
- 内科的な治療が中心で、ステロイドで炎症を抑えることが中心です
- 耳や鼻が中心の軽い場合は、消炎鎮痛薬から始め、足りなければ少量のステロイドを加えます
- 呼吸器、目、心臓、腎臓など大事な臓器に障害がある場合は、多めのステロイドを使います。気道の病変には、免疫抑制薬や生物学的製剤の併用がすすめられています。気道の病変が重い場合は、気道を広げる筒(ステント)を入れる治療などが行われることもあります
- 治療で重くなる割合は減ってきていて、7割強の人は治るか、コントロール良好とされています。ただし、気道の病変が重くなった場合は、現在でもとても慎重に管理されています
日常生活の注意
- 炎症の場所によって注意点はちがいますが、基本は炎症をなるべくさけることです。気道の病変がある場合は、刺激に対してとても敏感になっていることが指摘されていて、気温や気圧、刺激物質にふれることに注意が必要です

再発性多発軟骨炎は、耳や鼻、気道などの軟骨に炎症をくり返す病気で、変形した軟骨は元に戻りません。そのため早期の診断・治療がとても重要です。
- 耳の痛みのほかの原因は耳の痛み・中耳炎の記事もどうぞ

メル美くり返していることと、声のかれも伝えて、早めに病院で相談するよう母にすすめるね。
まとめ
- 軟骨に原因不明の炎症をくり返す病気。耳の軟骨が最も多い
- 日本に400〜500人、40〜69歳に多い
- 耳・鼻が赤くはれて痛む、難聴・めまい、気道が狭くなるとゼイゼイ・息苦しさ
- 変形した軟骨は元に戻らない。早期の診断・治療が重要
- 治療はステロイド中心。7割強は治るかコントロール良好。気道の病変は慎重に
参考文献
- 難病情報センター. 再発性多発軟骨炎(RP)(指定難病55)(情報更新日:令和7年12月、再発性多発軟骨炎の診断と治療体系の確立班). https://www.nanbyou.or.jp/entry/3856 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。