大人の教養An Evening of Culture

第一幕Act I — Love & Letters

岡本かの子『老妓抄』「何人男を代えてもつづまるところ、たった一人の男を求めているに過ぎないのだね」——財産もでき、座敷も選べる身になった老芸妓が、電気工の青年の「発明」を養うことにした。彼女がほんとうに見たかったもの

No.1052026年10月12日

岡本かの子の短編『老妓抄』(ろうぎしょう)。若い芸妓たちを笑い死にさせるほどの話し上手で、新しいものを次々と貪るように学ぶ老妓・小その。家を電化して、修理にきた電気工の青年・柚木と言葉を交わすうち、「パッション(いろ気)が起る仕事」は発明だと聞いて、食べる方は引き受けるから思う存分やってみろ、と彼を養いはじめます。けれど柚木は、満ちたりた暮らしの中で熱を失っていき、たびたび逃げだすようになりました。最後に老妓が詠んだ一首とは。青空文庫の本文で紹介します。

目次
  1. 老妓・小その
  2. 電化した家と、電気工の青年
  3. 「食べる方は引受けるから」
  4. 熱を失っていく青年
  5. 荒川の土手で
  6. 「一途な姿を見たい」
  7. 逃げだす青年
  8. 一首の歌
  9. まとめ

メル美『老妓抄』は、年をとった芸者さんの話なの。最後に出てくる短歌が、心にしみるの。

プレ男芸者さんの恋の話?

今回は、岡本かの子の短編『老妓抄』(ろうぎしょう)です。青空文庫の本文(底本:新潮文庫『老妓抄』)で読みました。本文中の「」の言葉は、青空文庫の本文からの引用です。

※この作品には、心中を考えた思い出話が出てきます。

老妓・小その

電化した家と、電気工の青年

「食べる方は引受けるから」

プレ男「パッション」がないと聞いて、それなら養ってあげる、って…。すごい人だね。

熱を失っていく青年

荒川の土手で

「一途な姿を見たい」

メル美自分ができなかった「一途な生き方」を、若い人に託していたんだね…。

逃げだす青年

一首の歌

年々にわが悲しみは深くして いよよ華やぐいのちなりけり

『老妓抄』の老妓は、柚木に「混り気のない没頭した一途な姿を見たいと思う」と語ります。小説は、老妓の一首「年々にわが悲しみは深くして いよよ華やぐいのちなりけり」で結ばれます。

まとめ


参考文献

  1. 岡本かの子. 老妓抄(底本:『老妓抄』新潮文庫、新潮社). 青空文庫. https://www.aozora.gr.jp/cards/000076/card447.html (閲覧日:2026年10月12日)

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