
プレ男健診の胸のレントゲンで「両方の肺の付け根のリンパ節がはれている」って言われたんだ。せきも何もないのに…。

メル美症状がないのに見つかる病気もあるんだね。何の病気が考えられるんだろう。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、サルコイドーシスの話です。難病情報センターの「サルコイドーシス」(令和4年12月更新、びまん性肺疾患に関する調査研究班)をもとにまとめました。
どんな病気?
- 肉芽腫という小さなかたまりが、リンパ節、目、肺、心臓など、全身のさまざまな臓器にできる病気です
- 「サルコイド」はラテン語で「肉のようなもの」という意味です
- 自然に治る(自然寛解)ことが多い反面、1〜2割は難治化するため、指定難病になっています
どんな人に多い?
- 2004年度の調査では、人口10万人あたり1.7人の発生率でした(軽い人も含めるともっと多いと考えられています)
- 女性は男性の2倍で、男女とも20歳代と50歳代以降に多くみられます(男性は若い人、女性は高齢の人に多い)
症状:臓器によってちがう
肺
- 胸部X線で、両側の肺の付け根(肺門)のリンパ節のはれ(BHL)が、健診などで偶然見つかることが多く、この場合は自覚症状がほとんどありません
- 若くてBHLだけで、あまり症状のない人では、8割ほどが自然に治ります
- 肺の中まで進んでも自覚症状が少ないのが特徴で、自分では進み具合がわからないため、定期的に胸部X線の検査を続けることが必要です。長く続くと肺線維症になり、せきや息切れが出ることもあります
目
- 日本では、目の症状をきっかけに眼科を受診して見つかることが多いのが特徴です。ぶどう膜炎が起こり、かすみ、飛蚊症、充血、まぶしさなどが出ます(ぶどう膜炎)
- サルコイドーシスと診断された人は、自覚症状がなくても眼科の受診がすすめられています
心臓
- 日本人の20%以上に心臓の病変があるとされます
- 不整脈(重いと失神することも)や、心臓のポンプの力が落ちる心不全、命にかかわる不整脈や突然死を起こすこともあるため、診断されたらできるだけ早く治療を始める必要があります
皮膚・神経・筋肉・骨
- 皮膚:鼻の横、額、頬などに、痛くもかゆくもない赤い斑点。昔すりむいたあとに出ることも
- 神経:顔面神経まひ(口がゆがむ)、尿が大量に出る尿崩症など
- 骨:手足の指の骨が侵されやすく、握手で骨が折れて気づくことも

プレ男肺だけじゃなくて、目や心臓にも出ることがあるんだ。症状がなくても眼科に行ったほうがいいんだね。
説明のつかない全身の症状も多い
- 疲れ、息切れ、痛み(胸の痛み、関節痛、頭痛など)、発熱、耳鳴り、手足のしびれなどを訴える人が非常に多いことがわかっています
- 臓器の症状がよくなっても、こうした全身の症状に悩む人は多く、患者さんも積極的に医師に伝えることが大切とされています

サルコイドーシスは、健診の胸部X線で偶然見つかることが多く、若くて肺の付け根のリンパ節のはれだけの人の8割ほどは自然に治ります。ただ、日本人では心臓の病変が20%以上にあり、目の病変も多いため、定期的な検査を続けることが大切です。
- 健診の心電図は健診の心電図の記事もどうぞ

メル美症状がなくても精密検査を受けて、もしサルコイドーシスなら目と心臓も調べてもらおうね。
まとめ
- 肉芽腫が肺・目・皮膚・心臓などにできる病気
- 女性は男性の2倍、20歳代と50歳代以降に多い
- 健診の胸部X線で偶然見つかることが多い。若くてBHLだけなら8割が自然に治る
- 日本人は目(ぶどう膜炎)と心臓(20%以上)の病変が多い
- 疲れ・息切れ・痛みなどの全身症状も。定期的な検査を
参考文献
- 難病情報センター. サルコイドーシス(指定難病84)(情報更新日:令和4年12月、びまん性肺疾患に関する調査研究班). https://www.nanbyou.or.jp/entry/110 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。