糖尿病の薬(SGLT2阻害薬)を飲みはじめてから、陰部がかゆい:尿に糖が出る薬なので、外陰部や腟の炎症(カンジダなど)が起こることがある。性病とはかぎらない。まれに陰部の重い感染症(フルニエ壊疽)の報告も。自己判断で薬をやめずに主治医へ
糖尿病の治療で使われるSGLT2阻害薬は、尿に糖を出して血糖を下げる薬です。日本産婦人科医会の研修ノート(医師向け)によると、SGLT2阻害薬を飲んでいて、糖が多い尿によって外陰部や腟の炎症(外陰腟炎)が起こることがあります。医薬品医療機器総合機構(PMDA)によると、SGLT2阻害薬の使用上の注意には尿路感染・性器感染についての記載があり、2019年には、外陰部と会陰部の壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)についての注意が追加されました。陰部のかゆみなどは性病とはかぎりません。薬を自己判断でやめずに、主治医に相談してください。

メル美糖尿病の新しい薬を飲みはじめた叔母が、「デリケートゾーンがかゆくなった。まさか性病?」って気にしてるの。

プレ男薬と関係があることもあるのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、糖尿病の薬(SGLT2阻害薬)と、陰部のかゆみ・感染症の話です。日本産婦人科医会の研修ノート「No114 中高年女性のケア・アップデート」(医師向け)の「萎縮性腟炎以外の原因による外陰・腟の愁訴の診断と治療」と、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の「SGLT2阻害剤含有製剤の『使用上の注意』の改訂について」(2019年5月9日)をもとにまとめました。
SGLT2阻害薬とは
SGLT2阻害薬は、尿に糖を出して血糖を下げる、2型糖尿病などの治療薬です。一般名に「〜グリフロジン」とつく薬(ダパグリフロジン、エンパグリフロジン、カナグリフロジンなど)があります。
陰部の炎症やかゆみが起こることがある
研修ノートによると、SGLT2阻害薬を飲んでいて、糖が多い尿によって外陰部や腟の炎症(外陰腟炎)が起こることがあります。
PMDAによると、SGLT2阻害薬の使用上の注意(重要な基本的注意)には、尿路感染・性器感染についての記載があります。
陰部のかゆみは、薬などによって起こることもあり、性病とはかぎりません。カンジダについては、カンジダ(腟カンジダ・カンジダ性亀頭包皮炎)とは?を見てください。

SGLT2阻害薬を飲んでいて、陰部の炎症やかゆみが起こることがあります。性病とはかぎりません。薬を自己判断でやめずに、主治医に相談してください。
まれに、陰部の重い感染症も
PMDAによると、
- 2019年5月、SGLT2阻害薬の使用上の注意に、外陰部と会陰部の壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)についての注意が追加され、「重大な副作用」にも加えられました
- 日本国内で、SGLT2阻害薬との因果関係が否定できないフルニエ壊疽の例が報告されていること、海外でも例が集まっていることなどが理由です
- 起こるしくみははっきりしていませんが、尿に糖を出す薬のはたらきの影響も否定できないとしています

プレ男まれでも重い感染症の報告があるんだね。おかしいと思ったら、早めに相談したほうがいいんだ。
(更新)SGLT2阻害薬の1つ、ダパグリフロジンの添付文書(口腔内崩壊錠、2025年8月作成)では、尿路感染や性器感染から、腎盂腎炎、外陰部・会陰部の壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)、敗血症などの重い感染症に至ることがあるため、尿路感染・性器感染の症状と対処法を患者に説明するよう書かれています。フルニエ壊疽の頻度は「頻度不明」とされています。国内の臨床試験(1日1回5mgか10mg、1,012人)では、副作用の性器感染は17人(1.7%)でした。フルニエ壊疽の具体的な症状と受診の目安は、この添付文書の記載では確認できていません。
陰部のかゆみの原因全般は、陰部がかゆい、糖尿病については糖尿病は「症状が出たときには進んでいる」を見てください。
まとめ
- SGLT2阻害薬は尿に糖を出す糖尿病の薬
- 糖が多い尿で、外陰部や腟の炎症が起こることがある。性病とはかぎらない
- 使用上の注意には尿路感染・性器感染の記載がある
- まれに、陰部の重い感染症(フルニエ壊疽)の報告も
- 薬は自己判断でやめずに、主治医に相談
参考文献
- 公益社団法人日本産婦人科医会. 研修ノート No114 中高年女性のケア・アップデート「(4)萎縮性腟炎以外の原因による外陰・腟の愁訴の診断と治療」. https://www.jaog.or.jp/notes/note21844/ (閲覧日:2026年10月12日)
- 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA). ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害剤含有製剤の「使用上の注意」の改訂について(2019年5月9日). https://www.pmda.go.jp/files/000229296.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- ダパグリフロジン口腔内崩壊錠 添付文書(2025年8月作成 第1版). KEGG MEDICUS. https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00071788 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
